ビジネスと人権に関する有識者との対話
2021年度の主な活動
ビジネスと人権に関する海外有識者との対話
ANAグループは、2021年10月、定期的に対話を続けている「ビジネスと人権」分野で活動する有識者の皆様と、ANAグループのESG経営の進捗についてオンラインによる意見交換を行いました。

テーマ:ANAグループのビジネスと人権に関する取り組みの進捗について
日時:2021年10月19日(火)18:00-19:30
有識者(オンライン参加)
ポーリーナ・マーフィー氏(World Benchmarking Alliance Engagement Director)
ニール・ウィルキンス氏(Institute for Human Rights and Business)
カミーユ・ル・ポルス氏(World Benchmarking Alliance / Lead Corporate Human Rights Benchmark)
全体コーディネート
経済人コー円卓会議日本委員会
石田 寛氏(事務局長)
諸富 仁氏
佐藤 由紀子氏
ANAホールディングス株式会社
宮田 千夏子(執行役員 サステナビリティ推進部長)ほか
有識者からの主なご意見
“苦情処理メカニズムについて”
- 個人から報告を受ける仕組みのデメリットの一つとして、企業側が受け身になってしまうことが挙げられる。現場でライツホルダーとの対話を行うなど、ANAグループ側からもサプライチェーン上の労働者に積極的にアプローチし、苦情処理窓口の使用者である労働者から信頼を得ることが重要である。
“調達について”
- 多くの企業が喫緊の課題ばかりに注目しがちだが、数年後どうありたいかを考えることも重要である。例えば、契約書や行動規範に関して、何か問題はないかという観点で見直しを図ることも今できることではないかと考える。
- エンゲージメントが重要であり、社会の期待に対して業界・団体と協業で改善策を拡大していくようなサステナブル調達の取り組みが期待される。
“人権と環境について”
- 公正なトランジション*においても、「人権」への影響を考えることが重要である。気候変動と人権を一緒に考えることは非常に複雑ではあるが、ANAグループにおいても取り組むべき課題であり、気候変動が労働条件や労働環境にどう影響するのかを考える必要がある。
- 重要なのは、脆弱なライツホルダーとの対話を通じて、社会全体でコミュニティー、土地、先住民、権利者等にどのようなインパクトがあるのかを把握することである。地域のみではなく、世界全体で人々がどういう影響を受けるのか、という視点を持つことも重要である。
- 公正なトランジション:グリーン経済への移行による実質的な利益が広く共有されるよう確保するとともに、経済的な不利益を被る立場にある者を支援することを目指すもの。
“協業の重要性について”
- 他国政府による人権侵害や技能実習生問題は、1社で対応できる課題ではないため、他企業や団体と協業することにより、影響力を拡大していくことが期待されている。一方で、実際に影響を受けているライツホルダーとの対話を継続していくことも重要である。