地上における取り組み

 独自に作成したエネルギー管理標準を用い、グループ全社の施設でエネルギー使用量の削減に取り組んだ結果、省エネ法の削減目標である「年1%」以上を達成しました。2016年度より経済産業省・資源エネルギー庁のウェブサイトにおいて、5年平均年1%以上の削減を実施した省エネ優良事業者(Sランク)として3年連続公表されています。現在は、パリ協定を踏まえたグループ全社の温室効果ガス削減対策の検討を進めるため、環境エネルギーデータの“ 見える化”を進めています。
 また、資源循環型社会の実現に向け、産業廃棄物の3R(Reduce, Reuse, Recycle)活動を推進しています。特に産業廃棄物管理の徹底のため「e- 廃棄物管理システム」の導入を進め、2018年度、上期末で、現在145事業所に展開しました。

エネルギー使用量の削減

 年度削減率の目標(エネルギー使用に係る原単位の対前年比1%以上低減)に対して、グループ内省エネ大賞の取り組み*等により全体で4.5%低減を達成しました。5年度間平均原単位変化も96.8%と良好な状態でした。
 *ANAグループ内でのエネルギーの適切な管理および意識の高揚に向け、昨年度に引き続き、今年度も年度環境社会貢献月間(6月)に合わせ省エネ大賞の取り組みの公表・表彰を行いました。エネルギー使用実績に基づく、削減量・削減率の大きい上位3事業所をそれぞれ表彰しました。

大気汚染、化学物質、騒音対策

大気汚染と航空のかかわり

 ANAグループの事業と大気汚染とのかかわりは、(1)航空機からの排出ガス、(2)地上用車両からの排出ガスなどが主たるものです。航空機からの排出ガスについては、国際民間航空機関(ICAO)の排出基準として、ICAO条約第16付属書に、航空機の離着陸を模擬したLTOサイクルでエンジンを運転した際に排出されるNOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、SN(煙濃度)の単位推力当たりの排出ガス量を規制しています。
 国内の航空法にも、「航空機の発動機の排出物基準」として航空法施行規則の附属書第3に定められています。

◆ICAO離着陸サイクル

 着陸時の高度3,000フィートから、離陸上昇時の高度3,000フィートまでを離着陸サイクルとして、エンジンをこの条件で運転し、各排出量を計測するものです。 エンジンテスト条件は下表の出力状態および作動時間が条件となっています。

出力状態 定格出力(%) 作動時間(分)
離陸 100 0.7
上昇 85 2.2
下降 30 4.0
地上滑走 7 26.0
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排気ガスの少ない航空機の導入

 ANAは航空機から有害排気ガスを減らす最も効果的な方法として、改良型の新型エンジンを装備した最新鋭機を積極的に導入してきました。ANAグループが保有する航空機のエンジンは、すべてICAO条約第16付属書の排出基準をクリアしています。

◆エンジンからの排出ガス量(2017年度)

航空機からの排出ガス量 ANAグループ
(万トン)
ANAグループ
前期比(%)
NOx(窒素酸化物) 0.72 +1.4%
HC(炭化水素) 0.05 ±0%
CO(一酸化炭素) 0.44 +2.3%
燃料投棄とは?

 航空機の不具合や急病人の発生により予定外の着陸をする場合、もし航空機重量が着陸限界を超えていれば安全のために重量を減らす必要があります。このため、やむをえず燃料を投棄しなければなりません。空港ごとに投棄場所や高度が指定されており、市街地域を避けて洋上などで行われます。2017年度は、計9回、約202キロリットルの燃料投棄が発生しました。

資源循環 3R活動

ANAグループでは、機内・空港内や事業所で発生した廃棄物を再び活用していく、省資源・リサイクル活動を推進しています。

お客様とのリユース&リサイクル活動

 2010年9月から羽田空港では、お客様の手荷物やベビーカーなどを梱包するために使用したポリ袋のリユースとリサイクルを行っています。また、預かり手荷物のタグなどの紙類についても到着エリアで分別回収し、お客様にご協力いただきながらリサイクルに取り組んでいます。限りある資源の有効活用に引き続きご協力お願いいたします。

整備作業時のビニール袋のリユース活動

 整備部門では、使用したビニール袋で汚損していないものは、事業所内に設置したリサイクルボックスにサイズ毎に選別して再利用し、資源の有効活用を促しています。

ヘッドレストカバーのリユース素材への変更

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新旧ヘッドレストカバーの比較
拡大

その他の取り組み

航空機整備 航空機の重心測定方法の変更(搭載済み燃料を廃棄せずに測定)
超高圧水でエンジン部品を洗浄して洗浄剤の使用量を削減
航空機エンジン部品、修理用アルミ端材を希少金属としてリサイクル
航空機内 日本到着の国際線機内から出るごみ(ビン、缶、ペットボトル)の分別回収をし、リサイクルを推進
雑誌類のクローズドリサイクル
航空貨物部門 貨物防水・防塵用ビニールシートのリサイクル
地上施設・設備 雨水と厨房排水処理水(中水)の利用
独自に策定したファシリティースタンダードに基づいたオフィス備品(机など)のリユースの推進
再生プラスチックを原料とした機内用品(国際線の飲料カップやサラダボールカップなど)の導入

環境法令とコンプライアンス

ISO14001とは

 ISO14001への認証登録の利点は、環境パフォーマンスの改善によって貴社の収益向上が期待できる点です。適切に設計された環境マネジメントシステム(EMS)は、組織が環境パフォーマンスのレベルを達成し、体系的に管理することを可能にするツールとなります。環境マネジメントシステム(EMS)の運用によって、生産コスト削減を可能にするような手順の変更や、テクノロジーの改変が自ずと引き起こされるようになります。また、環境影響における継続的改善が要求事項となっていることから、原材料、エネルギー及び労働力といったあらゆるインプットのより生産的な活用が促進されるようになります。さらに、汚染の削減によって、生産性の改善及びより効率的な資源の活用が実現されます。

ANAケータリング(株) 2007年取得
ANAスカイビルサービス(株) 2009年取得

環境関係の法令の適用を受ける事業所

 ANAグループでは、航空機はもとより自動車整備工場、機内清掃サービスなど多岐にわたった業種に携わっており、廃棄物処理法をはじめとして、各種環境関連の法律の適用を受けています。
 環境法令変更などにも適切に対応し、2017年度においても前年度同様、環境に関する事故や法令による罰則の適用はありませんでした。

適用される主な環境関連の法律

適用される法律名
1 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)
2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
3 自動車リサイクル法
4 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)
5 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収破壊法)
6 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
7 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)
8 エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)
9 大気汚染防止法
10 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(自動車NOx・PM法)
11 水質汚濁防止法
12 下水道法
13 浄化槽法
14 騒音規制法
15 振動規制法
16 悪臭防止法
17 工場立地法
18 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律(公害防止組織整備法)
19 毒物及び劇物取締法
20 容器包装等リサイクル法
21 建設資材リサイクル法
22 建築物における衛生的環境の確保に関する法律
23 食品リサイクル法
24 放射線障害防止法、等