ANA's Way AWARDS エネルギー節減

自然現象と航空会社 ~社長賞~

航空会社にとって自然現象への対策は航空機の安全運航を実現する上で切り離せません。台風による運航への影響予測に関して、空港周辺の地形特性などを加味して行う影響度の算出は個人の技量(暗黙知・経験値)に左右され、解析に時間も要するため、運航方針決定までに対象となるすべての空港の影響予測を精度高く実施することは困難でした。このような課題に対して運航オペレーション部門では、過去の気象解析データを集計・分析し、暗黙知を形式知として数値化することに成功しました。この数値を運航オペレーションシステムに組み込み、予測精度が向上したことにより、2023年度は台風起因の欠航便数を従来のプロセスで算出した場合に比べて少なくすることができました。また、運航可能な時間帯に必要な便を安全に運航することにより、悪天候に伴う目的地の変更や引き返しといったイレギュラー運航を最小限に抑えることができ、お客様へのご負担の軽減だけではなく、消費燃料の削減(概算:9.2t/2019年度比)とCO2排出量の削減(概算:28t-CO2)にもつなげることができました。

Normal Climb方式の推進 ~優秀賞~

運航の工夫によるCO2排出量削減に取り組みとして、飛行機の翼に取り付けられているフラップを離陸後早期に収納することで空気抵抗を低減でき、燃料の節減によるCO2排出量削減につながる上昇方式の推進を図りました。運航部門や乗員部門など関係部署との連携をとる体制を構築することで、データを可視化し乗務員に情報の共有化を図りました。この取り組みが推進され、CO2排出量288tの削減だけでなく、燃料コストの削減へとつなげる事ができました。

パイロットによるCO2削減の取り組み動画の制作と発信 ~優秀賞~

運航乗務員が日々のフライトで実施しているエネルギー節減によるCO2排出量削減の取り組みの見える化と、その専門性の高い内容を専門外・業界外でも理解してもらえるよう運航乗務員が実際に出演するなど、完全内製化により動画を制作しました。この動画は社内の教育だけでなく、ステークホルダーや海外投資家との対話、ICAOのLATGでも紹介され、削減された数値に信憑性をもたらすとともにANAのプレゼンス向上にも大きく寄与しました。

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