環境方針とマネジメント

環境に対する基本的な考え方

  • 環境を大切にする心は、私たち自身が地球に負荷をかけていることの自覚から始まります。
  • 私たちは、資源とエネルギーを大切に利用し、豊かで持続可能な社会の創造に貢献します。
  • 私たちは、率先して環境保全に取り組み、地球を想う心を世界の人々と分かち合います。

ANAグループ環境方針

ANAグループは地球温暖化対策や生物多様性の保全等の地球環境への取組みを重要な経営課題と認識し、グループのあらゆる企業活動を通じて、環境リーディング・エアライングループを目指します。

  1. 企業活動が環境に与える影響を正確に把握・分析し、社会に開示します。
  2. 法令遵守に留まらず、広くステークホルダーと対話を重ね、社会の要請に基づき環境保全に取り組みます。
  3. あらゆる業務において環境負荷の低減に努め、積極的に新技術・サービスを検討し導入に努めます。
  4. サプライチェーンの環境配慮にも常に注意を払い、環境に配慮した調達を推進します。
  5. 3R(Reduce Reuse Recycle)と廃棄物管理を強化し、循環型社会の実現に貢献します。
  6. 環境保全活動への社員参加を促進し、社員一人ひとりの意識向上を図ります。
  • ビジネスパートナーおよびサプライヤーに対しても本方針を支持し、同様の方針を採用するように継続して働きかけていきます。また、グループのあらゆる事業活動には、投資に際してのデューディリジェンスやM&Aも含みます。

推進体制と環境マネジメントシステム

推進体制

ANAグループは、その取締役、執行役員、当社常勤監査役を委員とする「グループESG経営推進会議」を設置し、環境活動にかかわる重要な方針の議論・決定などを行っています。社内会議体として、環境負荷の低減に関わる航空機の運航上の取り組みを議論する「エコ・ファースト部会」、運航以外の地上での取り組みを議論する「地上エネルギー部会」を設置しています。 「エコ・ファースト部会」、「地上エネルギー部会」は、サステナビリティ推進部部長を部会長とし主要グループ会社の環境担当部署の責任者を委員として年に2回以上開催しています。「グループESG経営推進会議」における決定事項に基づいて環境活動方針を策定し、ANAグループ各社へ展開しています。また、「グループESG経営推進会議」だけでなく、経営方針にもかかわる重要な内容は役員会議「グループ経営戦略会議」で審議され取締役会に上程しています。

環境マネジメントシステム

ANA グループでは、ISO14001や省エネ法、フロン排出抑制法に準拠し、独自に作成した「エネルギー管理標準」やエネルギーデータ統括管理システム「ANA Eiims(エーエヌエー・エイムス)」を導入する事で、モニタリング、分析を行い、環境マネジメントシステムを推進しています。

PDCAサイクル。PLAN(・重要課題の特定・グループ合同経営戦略会議」「グループESG経営推進会議」で策定された方針に基づき、目標、活動内容の確認、設定・エネルギー管理標準に基づく活動内容の設定)DO(・グループ各社、部署での取り組み(運航上の改善プロジェクト、省エネ活動など)・ANA Eiimsによる環境データの把握・教育や啓発活動の実施)ACTION(・取り組みの見直し、再検討・重点課題の明確化・次期計画への反映)CHECK(・各部署での分析・評価(地上エネルギー部会、エコファースト部会)・ステークホルダーからの意見、評価(環境ダイアログ、社内アンケートなど)・社内外監査・情報開示(WEBサイト・統合報告書・プレスリリースなど)))
PDCAサイクル。PLAN(・重要課題の特定・グループ合同経営戦略会議」「グループESG経営推進会議」で策定された方針に基づき、目標、活動内容の確認、設定・エネルギー環境標準に基づく活動内容の設定)DO(・グループ各社、部署での取り組み(運航上の改善プロジェクト、省エネ活動など)・ANA Eiimsによる環境データの把握・教育や啓発活動の実施)ACTION(・取り組みの見直し、再検討・重点課題の明確化・次期計画への反映)CHECK(・各部署での分析・評価(地上エネルギー部会、エコファースト部会)・ステークホルダーからの意見、評価(環境ダイアログ、社内アンケートなど)・社内外監査・情報開示(WEBサイト・統合報告書・プレスリリースなど))

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気候変動に関するリスクと機会

ANAグループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言にもとづき、2019年3月に日本のエアライングループとして初めて賛同を表明しました。将来起こり得る気候変動を踏まえたパリ協定に基づく目標達成のため、IPCC(気候変動に関する政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)レポートのRCP2.6、Nationally determined contributions (NDCs)に基づき、シナリオ分析を実施し、短期的、中長期的に気候関連リスクおよび機会を特定し、その影響を評価・管理することで企業経営における財務影響を最小化するよう努めています。

TCFDシナリオ分析

気候変動は、自然・人間システムに既に存在するリスクを拡大するとともに、新たなリスクをもたらします。気候変動の規模や速さを抑制すれば、将来の気候変動影響による全体的なリスクは低減できます。
温暖化を2℃に抑制する緩和として、航空事業としては、CO2排出量を削減することが必須となります。2021年以降、航空機の運航におけるCO2排出量を増加させないためのICAO/CORSIAの規制に準拠し、CO2排出量を抑制するために、低燃費機材の導入やオペレーション上の改善を実施し、SAFやCO2クレジットを調達するために、財務上のコストを想定し、費用の最適化を図っています。
また、Nationally determined contributions (NDCs)に基づき、国内の事業所や空港におけるCO2排出量削減に対しても、低燃費設備の設置、再エネ使用や車両のEV化などに取り組むために計画を策定しています。

一方、この取り組みが達成できない場合、気候変動を食い止められず異常気象の深刻化・増加に伴う物理的リスクである自然災害(台風、大雨、洪水、大雪)の増加により、航空事業への影響も大きくなります。運航のキャンセル、機体損傷、空港施設の機能低下、災害被害復旧費用の増加、サプライチェーンの停止による事業への財務的インパクトが大きくなると想定しています。年間、自然災害では約100億の損害が発生しています。
主要空港である羽田空港やシステムのメインサーバーは海岸部にあるため、台風の影響を大きく受けます。大規模災害の発生による運用中止や、メインサーバーが浸水でダウンするなど、ANAグループの運航監視施設が使用できなくなるケースに備え、運航に関わるデータのバックアップ体制として、羽田空港(東京都)だけでなく空港に隣接する殿町(神奈川県)にもANAシステムズ株式会社の事業所を構え、緊急時の体制を整備しています。加えて、お客様やANAグループ全役職員の健康、安全を確保し、影響を極小化して事業を可能な限り早期に復旧させるための方針と手順をまとめたBusiness Continuity Plan(BCP)を定め、緊急時の事業継続マネジメントを確立しています。ANAグループは、毎年BCPを実行に移す模擬訓練のため、その人件費と施設維持管理費用をかけ、自然災害によるお客様および経営に与える影響の最小化に取り組んでいます。
2018年の西日本豪雨では、関西空港が閉鎖するなど航空事業に大きな影響を与えた経験を活かし、すぐに同様の災害が発生した場合のマニュアル(BCP)を更に整備したことで、2019年10月の台風15号(令和元年房総半島台風)、19号(令和元年東日本台風)では大きな影響を避けることができました。
ANAグループでは、このようにシナリオ分析を行い、2021年4月、2050年のCO2排出量実質ゼロを目指す「ANAグループ2030-2050年 中長期環境目標」に反映することで、このRCP2.6、Nationally determined contributions (NDCs)シナリオが達成できると考えています。

ANAグループ2030 2050年 中長期環境目標

また、ANAグループの環境目標の達成は、RCP4.5/6.0/8.5のシナリオに向けても対応するものとして、今後検討を進めてまいります。

移行リスク

政策・法規制
リスクの側面 事業インパクト
温室効果ガス排出に関する規制の強化 CORSIA制度適応によるCO2クレジット購入によるコストの増加
各国の温室効果ガス排出に関する政策の強化 EUなど各国のETS対応によるカーボンオフセット義務とコストの増加
炭素税導入に伴う燃料コストの増加
炭素価格 炭素価格の高騰によるコストの増加
訴訟・罰金 気候変動対策の遅れによる評価の悪化、企業価値の低下、業績悪化、ステークホルダーからの信頼損失による訴訟問題発生の可能性
技術
リスクの側面 事業インパクト
低炭素技術への入れ替え Sustainable Aviation Fuel(SAF)導入に伴う開発投資、購入コストの増加
新規技術への投資 低燃費機材の技術的な改善や国産航空機開発のための投資によるコストの増加
市場
リスクの側面 事業インパクト
消費者行動の変化 自然災害の影響を受け易い地域での運航キャンセルに伴う短期的な航空需要の悪化
原材料(燃料)コストの変動 航空需要の更なる変化による原油購入コストの変動
評判
リスクの側面 事業インパクト
消費者選好の変化 鉄道や船舶利用へのモーダルシフト加速による航空需要の低迷
ステークホルダーからの懸念 気候変動対応における企業としての姿勢への評価基準の変化

物理的リスク

急性
リスクの側面 事業インパクト
異常気象の深刻化・増加 台風や大雪などの異常気象による運航のキャンセルなど、影響をうけやすい地域における需要の短期的な低下
機体損傷、空港施設の機能低下、災害被害復旧費用の増加と、サプライチェーンへの影響
慢性
リスクの側面 事業インパクト
降雨や気象パターンの変化 異常気象の影響を受けやすい地域の就航に対する運航キャンセルの集中と運航計画、需要変動の偏り
偏西風の影響による運航計画、サービス内容の変更、燃料消費量の変動
海面上昇 台風や大雨など、海面上昇の影響を受けやすい埋め立て空港における離発着制限に伴う運航計画や需要の変動

機会

技術
リスクの側面 事業インパクト
低炭素技術への入れ替え SAF調達におけるサプライチェーン構築
新規技術への投資 低燃費機材の技術的な改善や国産航空機開発による機材の技術革新
ボーイング787のローンチカスタマーとしての投資と業界での早期就航による技術革新への貢献
評判
リスクの側面 事業インパクト
ステークホルダーからの期待 気候変動対応における企業としての姿勢への評価基準の変化
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