主な取り組み

サプライチェーン上の労働者の権利尊重に向けた取り組み

2017年から毎年、日本国内の委託先の協力を得て、第三者機関を通じて、空港での地上ハンドリング事業やケータリング事業に携わる外国人労働者に対する直接インタビューや住居確認を行っています。
2020年には、「グローバルサプライチェーン労働者情報集約システム」を使用し、グループ会社と主要委託先計92社における外国人労働者の雇用状況調査を実施しました。この結果を得て、2021年には、グループ社および主要委託先で働く技能実習生9社198名に対して、ダッカ原則*に沿った彼らの採用および雇用状況を確認する目的でアンケートを実施しました。このアンケートは、これまでの直接(対面)インタビューではなく、携帯からQRコードを読み取り匿名でオンライン上に回答してもらう形で実施しました。
本アンケートの結果から、複数のベトナムからの技能実習生において母国での送出機関等に対する金銭の支払いが確認されたため、来日にあたって必要な母国での語学研修などに係る費用の適正金額の確認を進めるとともに、本人が支払った金額を来日前に確認する方法などについて、複数の監理団体と議論を進めています。その他の労働環境については、「有給休暇の取得ができない」などの声があり、労働者が有する権利が確実に尊重されるための取り組みを進めています。
今後も定期的にサプライチェーン上の外国人労働者(主に技能実習生)の雇用状況調査を実施するとともに、ANAグループ及びサプライチェーンにおける安全・安心な外国人労働者の採用ルートについても検討を進めていきます。

  • 尊厳ある移民のためのダッカ原則:企業や政府、NGO等が移住労働者に対する責任を検討する際の国際的基準
グローバルサプライチェーン労働者情報集約システムの画面の一例

実際の取り組み状況はこちらPDF 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。

機内食等に関わるサプライチェーンマネジメントの強化

2017年、ANAグループは日本企業として初めてブルーナンバー・イニシアティブ*へ参画しました。機内食の食材に関わる生産者や業者の情報登録を進めており、生産過程における人権尊重や環境保全にもつながる、透明性の高い「食のサプライチェーン」の構築を目指しています。

ブルーナンバー管理サイトの地図上に生産者・業者の情報がプロットされる
  • ブルーナンバー・イニシアティブ:ブルーナンバー財団による、食に関わるサプライチェーン・プラットフォーム構築を目指す世界的な取り組み。

航空機を利用した人身取引の防止

2018年4月、米国で人身取引防止のプログラムを航空会社などに提供しているNPO団体Airline Ambassadors International*の担当者を日本に招き、理解促進のためのワークショップを開催しました。2018年12月からは、グループの全社員を対象としたeラーニングも実施しています。そのうえで、2019年4月からは人身取引を防止するための具体的な運用を開始しました。具体的には、機内で疑わしい事例を発見した際の通報を行います。私たちの提供するサービスが人権侵害に利用されることのないよう、対策を進めていきます。

人身取引の防止に関するワークショップの様子
  • Airline Ambassadors International:航空会社の従業員のネットワークとして始まり、人身取引を防ぐための活動に取り組んでいるNPO。

贈収賄の防止

贈賄防止対策に関しては、各国の贈賄禁止法に対応するために「ANAグループ・贈賄防止規則」を設定し、グローバルレベルでの法的リスクを極小化し、企業価値の低下につながる事態を予防する体制を整備しています。併せて、違反行為が発見された場合の対応についても定められています。贈賄禁止法の教育については、海外各支店の役職員を対象に、競争法の教育とあわせて日本語・英語にて実施しています。また、ANAグループでは、取引関係先との契約において、贈収賄防止・汚職防止への取り組みを条件としています。

その他の人権課題

情報セキュリティ

ANAグループの事業において、お客様の個人情報はサービスを提供するために欠くことのできないものであり、お客様からお預かりした大切な財産であるとの考えのもと、その取り扱いについては細心の注意を払っています。情報セキュリティルールのグループ全社員への知識付与、スキル・ノウハウを蓄積しているグループ会社内への「情報セキュリティデスク」の新設等を実施し、情報セキュリティ向上に向けた社内体制を整えています。個人情報を適正に管理し、適切に使用させていただくため、最大限の努力をしていきます。

子どもの人権

2019年にインパクトアセスメントを実施した際、新たな課題として「子どもの人権」が見えてきました。この結果を受け、「子どもの人権」に係るANAグループの潜在的リスクを理解するべく、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン*の協力のもとに2020年12月に社内セミナーを開催しました。
また、2020年5月には、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通じ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による減便で余った機内食(ライスクラッカーやりんごジュース等)のひとり親世帯の子ども達への寄付も行いました。また、休校が続く子ども達を励まそうと、成田空港周辺の自治体などへ約2万個のチョコレート菓子の寄贈も行っています。

  • 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:セーブ・ザ・チルドレンは、1919年に創設され、100年以上の歴史を持つ子どもの支援専門の国際NGO。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、そのメンバーとして1986年に設立され、国内外で行政や地域社会と連携し、子どもの権利を実現する活動を行っている

人権に係る教育の実施

ANAグループでは、グループの方針や人権尊重の取り組みについて、グループ全社員に対して周知をはかっています。具体的には、新入社員や新任管理職を対象に、毎年「ビジネスと人権」に関する教育・研修を実施しています。また、グループの全社員を対象としたeラーニングを整備し、人権への理解を深めるための教育も実施しています。

eラーニングの画面

ここではANAグループの社内教育で実際に利用しているeラーニングの一部を公開しています。

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