ANA Professionals

  • ANA inspiration of JAPAN

Professionals #the Last Number ANAで働く一人ひとりが胸に秘めるプロフェッショナルとしての共通意識 安全も正確さもサービスも、チームで意識を共有し作り上げる これまで2年に渡り、ANAを支えるスタッフの仕事ぶりを伝えてきた。私見だが、みな一様に熱心で、誇りを持って仕事をしているように見受けられた。「仕事なのだから当たり前」。まあ、そういう見方もできるだろう。だが一人ひとりの熱意により、ANAの価値は支えられているのだ。取材を重ねて見えてきた、“青い翼”に備わった強みについてじっくり語ろう。文=吉州 正行  写真=小島 マサヒロ

キャリアを重ねても学び続ける。安全のために真摯な姿勢を繋ぐ 「飛行機の運航で大切なこと」とはなんだろうか。多くの人が、「安全」と答えるのではないだろうか。多くの乗客の命を預かって空を飛ぶのだから、そんな答えが多いに違いない。安全は、航空会社にとっての責務と断言していいだろう。「訓練生時代は、覚えることが多くて大変でした。でもそれ以来ずっと、学び続けることが日常になったんです」24年間パイロットを務め、今は後進の育成も行う岩田健司は「機長の仕事」=「学び」と捉えている。機体も、天候も変わり続ける。ひとつとして同じコンディションはない。完璧に対応するには、たとえベテランであっても経験にあぐらをかかず、学び続ける姿勢こそが重要なのだ。もちろんそれは、パイロットのみならず。整備士を務める平松敏雄は、「現場ではネジひとつなくしてはいけないんです」と、その作業の緻密さを語る一方、こうもいった。「先輩の丁寧にして早い技術を学びたいんです」技術もさることながら、仕事に対する姿勢も大事。ともに受け継いできたからこそ、高い安全性を維持できているのだ。
責任を持って提供する日本らしいおもてなしとは? 「一番嬉しかったのが、お客様から『ぐっすり眠れた』という感想をいただいたときですね。安定したフライトができたということですから」パイロット歴33年の椛沢伸一が大切にする、印象深いフライトのエピソードだ。安全性のみならず、フライトには当然快適性も求められる。その点、彼らはお客様へのサービスをしばしば「おもてなし」と言い換える。「100人いらっしゃれば100通りの評価がありますから、100様のサービスをしなければなりません。そのために大切なのは、『今何ができるのか』を追求することです」「一定の水準を満たすサービスは当たり前」と言葉を続けたのは、客室乗務員であり接遇講師を務める佐野川谷有加子。ニーズを汲み取り、さらに一歩進んだサービスを提供することが、ANA流なのだ。「なにせ、オリンピック招致が決まって、海外のゲストは日本の“おもてなし”に期待していらっしゃいますからね」
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どんな職種であろうとお客様の目線に立って考える ANAが掲げる安全やおもてなしの理想を実現するために大切なことのひとつは、それぞれのスタッフが共通した理念を持つことだ。その点、彼らの多くが異口同音に口にするキーワードがあった。「お客様の目線に立って」。たとえば客室乗務員の村上美冴は、自身が参加する社内の職場環境の見直しや新制服のデザインプロジェクトにおいて、「なによりお客様にとって最終的にプラスになるかを考えるんです」と、その“ゴール”を教えてくれた。また限られた時間のなかで機内の清掃を行う客室清掃担当の川野幸宏はこんなことを語った。「たとえば(ボーイング)787は、液晶や窓を触るお客様が多いので、念入りに拭き上げます。また目立たないとはいえ、壁際のゴミも長く座っていると気になります。お客様視点で掃除を徹底するのがコツですね」直接接するにせよ、裏方であるにせよ、「お客様にとってのベストは何か?」が、おろそかにしてはならない基準なのだ。
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よりよい価値を目指して、ANAはチームでフライトを作る 「あるお客様からハネムーンに行かれると伺ったとき、スタッフのアイデアでメッセージをお渡ししたり、記念に一緒にお写真を撮らせていただいたこともありました」と、グランドスタッフの竹内英里香はいった。またANAセールスが主催するツアーで添乗員をする林正実は、欧州で火山噴火に遇い、予定の飛行機が欠航になったとき、お客様に帰国していただくため、他国に先回りして別の飛行機のシートを押さえたという。「ときに融通も必要なんです」と林はいった。マニュアルには載っていないそんなエピソードがしばしば出てくることも、ANAならではかもしれない。むしろそういった積極的なサービスは奨励されているという。規則も大切だが、個人の裁量で最善を尽くすことも、大切なことなのだ。「ひとつのフライトを作るチームという意識がすごく強いですね。上下関係だけではない結びつきが特徴だと思います」と語ったのは、客室乗務員のインストラクターである仁平佳菜子だ。さらに冒頭に取り上げたパイロットの訓練教官を務める岩田に、「ANAという職場」について聞いたとき、こう答えた。「実習の場でも、訓練生から突っ込みを受けることがあります。それに私自身も、教官同士での会議で言いたいことを言わせてもらえています。そういった意味で、良い環境でやらせてもらっていると思いますよ」

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