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メニューはどのように決めていったのですか?
荻原シェフ
まずは「ご当地丼」ということで、各地の特産品や郷土料理を調べるところから始めました。その中から、「丼」として検討できそうなメニュー、数十個をリストアップしていきました。
そこからは、試作品作りと協議を何度も繰り返し、1カ月以上かけて決めました。 -
メニュー開発ではどんなところに
苦労されましたか?大竹シェフ
機内食のメニュー開発における一番大きなハードルは食材確保ですね。
ANAの機内食は厳しい衛生基準に合格する必要があります。その中で、一定量を継続的に仕入れ可能なことが必須条件となります。荻原シェフ
それだけでも、普段、四苦八苦しながらメニュー開発に努めているのですが、本企画では更に「ご当地丼」という縛りと、10メニュー全体のバランスの考慮が必要になります。肉料理に偏ってもいけないですし、味付けにもバリエーションが必要になります。
有力候補として選考を進んだメニューの中でも、食材確保の面がクリアできず、泣く泣く採用できなかったメニューもありましたね。 -
気を付けた点や、
注目して欲しいところはありますか?荻原シェフ
見た目の部分、色合いには相当気を使いましたね。単純に目でも美味しく、という意味だけでなく、最近ではSNS拡散も意識しなければなりませんからね。
どうしても醤油味が基本になるので、気を抜くと暗い色になりがちです。お野菜の色を鮮やかに保つために低温で調理したり、白醤油を使うなどの工夫をしました。大竹シェフ
どうしても、具材の方に注目が集まると思いますが、実はご飯にもこだわっています。
生姜ご飯にしたり、刻み海苔を混ぜたり、キャベツをご飯の上に敷いたり、食感や風味のアクセントとして様々な工夫をしてみました。
地味ではありますが、開発者としては、食べていただく際に注目していただけると嬉しいですね。 -
開発者として「機内食総選挙」に携わった
感想を教えてください。大竹シェフ
とても貴重で特別な体験をさせていただいたと思っています。短期間に10種類のメニューを開発する必要があり、開発メンバー同士で地方毎に特化したメニューについて語りあったり、アレンジの意見を出し合いながらチーム一丸となって開発を進めました。
お客様に楽しんでいただきたいという思いで行っていますが、実は私たち開発チームも、通常業務とは異なるお祭りのような雰囲気を楽しみながら必死で開発に携わったんですよ。 -
機内食の今後について、お伺いできますか?
荻原シェフ
機内食は進化し続けています。真空調理などの技術面での開発もあります。最近では、一流ホテルやシェフとのコラボレーション企画もあり自信を持って提供しております。また、お客様へのアンケート分析の仕組みやSNSの普及もあり、お客様のご意見を直にいただく機会が増えたことも進化の要因の一つです。
これからも皆様に喜んでいただけるようなメニューを開発していきますので、ぜひ、期待していただきたいですね。 -
開票結果をご覧になった感想を教えてください。
大竹シェフ
ANA機内食総選挙の投票、本当にありがとうございました。
2020年の大型イベントの時期も重なり、多くの日本や外国の方々に安心、安全で美味しく味わっていただける様、今後もますます努力していきたいと思います。