

第18-022号
2018年9月28日
エアラインで世界初のグリーンボンド
「ANAホールディングスグリーンボンド」を発行いたします
ANAホールディングス株式会社(以下、当社)は、東京都大田区に建設中の訓練施設「総合トレーニングセンター(仮称)」の建設資金を使途とする公募形式のグリーンボンド※1(ANAホールディングスグリーンボンド:発行年限 10年、発行額100億円)を本年10月頃に発行(以下、本発行)する予定であり、本日9月28日に、本発行に向けた社債の訂正発行登録書を関東財務局長に提出致しましたのでお知らせします。エアラインによるグリーンボンドの発行は世界初となります。
※1 企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券
【本発行の目的及び背景】
当社グループは、持続的な成長と価値創造に向け、ESG※2経営を中核に据えた「2018-2022年度ANAグループ中期経営戦略」を本年2月に策定しました。本戦略期間における経営の重要課題(マテリアリティ)として、「環境」「人権」「ダイバーシティ&インクルージョン」「地域創生」の4項目を掲げており、これらに適切に対応することで、「社会的価値」と「経済的価値」を同時に創出し、企業価値の向上を図る方針です。
ESGに配慮した事業活動に対する社会からの要請が高まる中、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献していくことは、グローバルに事業を展開する当社グループにとっての責務と捉えています。ANAは、環境への取り組みと社会的責任を重視する企業姿勢が評価され、2008年には、環境大臣から運輸業界・航空業界として第一号の「エコ・ファースト企業」に認定されておりますが、今後もESGへの積極的な取り組みを幅広いステークホルダーの皆様に認知頂くべく、世界的な基準に則る「グリーンボンド」を発行することに致しました。
「総合トレーニングセンター(仮称)」には、将来の航空需要の増加等に備えて、世界最新鋭の設備を導入する予定です。本施設での訓練等を通じて、経営の基盤である「安全」の堅持と、品質・サービスの源泉となる「人財」の育成に取り組みます。これらを基礎として、ボーイング787型機やエアバスA320neo/A321neo型機を中心に、省燃費機材の積極導入を継続することで、世界の「環境リーディング・エアライングループ」を目指します。
※2 Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を合わせた言葉
【総合トレーニングセンター(仮称) 完成イメージ】※3
【本発行の概要】
当社は、グリーンボンドを発行するために「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2018※5」及び環境省が定める「グリーンボンドガイドライン2017年版※6」に即したグリーンボンドフレームワークを策定しました。
なお、グリーンボンドに対する第三者評価として、株式会社格付投資情報センター(以下、R&I)より、「R&Iグリーンボンドアセスメント※7」において、当該フレームワークがグリーンボンド原則2018及びグリーンボンドガイドライン2017年版に適合する旨のセカンドオピニオンを取得しており、また、最上位評価である「GA1」の予備評価を取得しております。
また、本発行にあたって第三者評価を取得することに関し、環境省の平成30年度グリーンボンド発行促進体制整備支援事業※8の補助金交付対象となることについて、発行支援者たるR&Iは一般社団法人グリーンファイナンス推進機構より交付決定通知を受領しています。
- ※5 国際資本市場協会(ICMA)が事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド原則執行委員会(Green Bond Principles Executive Committee)により策定されているグリーンボンドの発行に係るガイドライン
- ※6 グリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実務担当者がグリーンボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的な対応の例や我が国の特性に即した解釈を示すことで、グリーンボンドを国内でさらに普及させることを目的に、環境省が2017年3月に策定・公表したガイドライン
- ※7 グリーンボンドで調達された資金が、環境問題の解決に資する事業に投資される程度を、グリーンボンド原則に掲げられた項目を含む評価基準に従って5段階の符号で評価し、債券の償還までモニタリングを行うもの。それに付随してグリーンボンドフレームワークに関してのセカンドオピニオンを提供することがある。セカンドオピニオンとは、発行体等が定めるグリーンボンドフレームワークが、グリーンボンド原則等に則しているかを評価するもの。
- ※8 グリーンボンドを発行しようとする企業や地方公共団体等に対して、外部レビューの付与、グリーンボンドフレームワーク整備のコンサルティング等により支援を行う登録発行支援者に対して、その支援に要する費用を補助する事業。対象となるグリーンボンドの要件は、調達した資金の全てがグリーンプロジェクトに充当されるものであって、かつ発行時点において以下の全てを満たすもの。
(1) グリーンボンドの発行時点で以下のいずれかに該当すること- ① 主に国内の低炭素化に資する事業(再エネ、省エネ等)
・調達資金額の半分以上又は事業件数の半分以上が国内の低炭素化事業であるもの - ② 低炭素化効果及び地域活性化効果が高い事業
・低炭素化効果 国内のCO2削減量1トン当たりの補助金額が一定以下であるもの
・地域活性化効果 地方公共団体が定める条例・計画等において地域活性化に資するものとされる事業、地方公共団体等からの出資が見込まれる事業等
(3) いわゆる「グリーンウォッシュ債券」ではないこと
以上