

第17‐006号
2017年4月28日
平成29年3月期決算について
ANAホールディングスは、本日4月28日(金)、平成29年3月期決算を取りまとめました。詳細は「平成29年3月期決算短信」をご参照ください。
1.平成29年3月期の連結経営成績・連結財政状態
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(1)概況
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・当期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費は総じてみれば持ち直しの動きが続く等、景気は緩やかな回復基調が続きました。航空業界を取り巻く環境は、国内・海外経済の緩やかな 回復が続く中で、訪日外国人の増加等により、需要は概ね堅調に推移しました。
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・海外3都市への運航を開始する等、当期も国際線ネットワークの拡充を進めてきました。羽田では内際ネットワークの連携機能を、成田では国際ハブ空港としての国際線乗り継ぎ機能を強化し、首都圏デュアルハブ モデルの進化に努めました。
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・機内や空港サービスにおいて、お客様利便性の向上と競争力の強化に努めた結果、英国スカイトラックス社より、日本で唯一の顧客満足度で最高評価となる「5スター」に5年連続で認定されました。また、女性活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」に2年連続で選定されました。
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・主力事業である航空事業において、事業規模を拡大した国際線については、燃油市況の下落に伴う燃油特別付加運賃収入の減少があった他、円高に伴う外貨建て収入の円換算額の減少等があり、旅客数は好調に推移したものの、売上高は前期を下回りました。また、円高の影響や燃油価格の下落によって費用が減少したことに加え、事業規模を拡大する中でも着実にコストマネジメント等を通じて費用抑制に努めた結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに過去最高となりました。
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これらの結果、平成29年3月期の連結経営成績は売上高が1兆7,652億円、営業利益は1,455億円、経常利益は1,403億円、親会社株主に帰属する当期純利益は988億円となりました。
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(2)航空事業
①国内線旅客-
・4月に発生した熊本地震、7月以降に発生した台風や12月の降雪の影響等を受ける中でも、需要動向に応じた各種割引運賃を設定したこと等により、旅客数は前期を上回りましたが、他社との競争激化の影響等から単価が前期を下回ったことにより、収入は前期を下回りました。
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・サマーダイヤから羽田=宮古線を新規開設、関西=宮古線を再開する等、需要の取り込みをはかりました。また、11月からのエアバスA320ceo型機の運航開始を契機として、予約状況に応じてきめ細かく機材の入れ替えを行う「ピタッとフリート」の運用をさらに進め、座席利用率の向上をはかりました。
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・4月に羽田空港国内線第2旅客ターミナルの出発カウンターをリニューアルした他、12月より「ANA SKY LIVE TVサービス」で視聴できるチャンネルを増やす等、機内エンターテイメントの充実をはかりました。
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・九州における観光産業の早期復興に向けた「でかけよう九州」プロジェクトを実施したことに加え、8月後半から連続して台風の被害に見舞われた北海道や、10月に発生した地震の被害に見舞われた鳥取県においても応援プロジェクトを実施しました。
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結果として、国内線旅客収入は73億円の減収(前期比1.1%減)となりました。
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②国際線旅客
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・国際線旅客は、当期の前半は日本発欧州のプレジャー需要においてテロの影響が残ったものの、日本発ビジネス需要が期を通して好調に推移したことに加え、旺盛な訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
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・4月から成田=武漢線、9月から成田=プノンペン線、ウィンターダイヤから羽田=ニューヨーク・シカゴ・クアラルンプール線を新規開設した他、成田=ホーチミンシティ線を増便しました。そして、2月より成田=メキシコシティ線を新規開設し、ネットワークの強化をはかるとともに日本発ビジネス需要、海外発訪日需要の取り込みをはかりました。また、ベトナム航空との業務・資本提携契約に基づきコードシェア便の運航を開始する等、北米~アジア間乗り継ぎ需要を獲得しました。
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・中国線を中心に、訪日需要を喚起するための海外発割引運賃を設定する等、利便性の向上に努めました。
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・11月より一部機材の国際線エンターテイメントプログラムにおいて、目や耳が不自由なお客様にもお楽しみいただけるユニバーサル対応コンテンツを日本の航空会社として初めて導入しました。
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結果として、国際線旅客収入は10億円の増収(前期比0.2%増)となりました。
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③貨物
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・国内線貨物では、単価の改善をはかった他、沖縄=羽田線の貨物臨時便を設定する等、増収に努めましたが、航空貨物需要全体が期を通じて低調に推移したことや、天候不順により北海道発の生鮮貨物の取り扱いが減少したこと等から、輸送重量、収入ともに前期を下回りました。
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・国際線貨物では、上期は円高による為替影響や燃油市況の下落による燃油特別付加運賃収入の減少がありましたが、下期からは単価水準が改善した他、日本発アジア・中国向けおよび、中国発北米向けの貨物需要等を取り込みました。貨物専用機においては、下期より堅調な三国間輸送貨物を取り込むとともに、需要に応じた臨時便やチャーター便の設定による増収に努め、収益性の強化をはかりました。
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結果として、国内線貨物収入は8億円の減収(前期比2.8%減)、国際線貨物収入は200億円の減収(前期比17.7%減)となりました。
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④その他
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・マイレージ附帯収入やバニラ・エア(株)の収入、機内販売収入、整備受託収入等で構成される航空事業におけるその他の収入は、2,087億円(前期比6.2%増)となりました。
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・バニラ・エア(株)では前期より4機増機し12機での運航体制となり、国際線では4月から関西=台北線、9月から台北=ホーチミン線及び沖縄=台北線、12月から成田=セブ線に就航しました。国内線では、本年2月より成田=函館線、成田=関西線、本年3月より関西=函館線、関西=奄美大島線を新規開設し、需要の取り込みをはかりました。また、11月からはバニラ・エア(株)のホームページにて、世界初のLCCアライアンス「バリューアライアンス」メンバーであるスクート社の乗り継ぎ便の一括予約が可能となりました。当期における輸送実績は、旅客数は2,129千人(前期比25.9%増)、利用率は85.8%(前期差0.6ポイント増)となりました。
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(3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
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・航空関連事業では、羽田空港及び関西空港における空港地上支援業務の受託増等により、当期の売上高は2,644億円(前期比14.0%増)、営業利益は83億円(前期は42億円の営業損失)となりました。
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・旅行事業では、国内旅行は主力商品の「ANAスカイホリデー」において集客が伸び悩んだこと等により、海外旅行は主力商品の「ANAハローツアー」においてテロの影響が残る欧州方面の取扱高が減少したこと等により、ともに売上高は前年同期を下回りました。また、訪日旅行では、競争激化の影響により取扱高は前年同期を下回りました。これらの結果、当期の売上高は1,606億円(前期比4.0%減)、営業利益は37億円(前期比12.8%減)となりました。
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・商社事業では、リテール部門や食品部門の売上が減少したこと等から、当期の売上高は1,367億円(前期比2.5%減)、営業利益は43億円(前期比17.5%減)となりました。
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・その他では、不動産関連事業が堅調に推移したこと等により、当期のその他における売上高は347億円(前期比3.0%増)となりましたが、営業利益は13億円(前期比17.5%減)となりました。
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(4)連結財政状態
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(5)連結キャッシュ・フロー
2.平成30年3月期の見通し
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・今後の経済見通しについては、海外景気の下振れや欧州・中東におけるテロ等の地政学リスク等、景気を下押しするリスクが懸念されるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等もあり、緩やかに回復に向かうことが期待されております。
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・このような状況下、ANAグループでは本年4月に策定した「2016~2020年度 ANAグループ中期経営戦略(ローリング版2017)」を着実に実行し、サービス品質を極め、グローバルな知名度向上をはかるとともに、コストマネジメントの徹底による強靭な経営体質と、攻めのスピード経営により、「世界のリーディングエアライングループ」としての地位を確立してまいります。
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・グループの収益基盤であるフルサービスキャリア事業においては、国内線では需給適合の強化により収益性の堅持に努めつつ、国際線では首都圏デュアルハブモデルを進化させ、ネットワークをさらに拡充するとともに、海外におけるブランド力の向上と販売力の強化をはかってまいります。
また、貨物事業では収益性の維持・向上に努めつつ、LCC事業でPeachの連結子会社化、ノンエア事業の収益性を高め、ボラティリティ耐性を備えた最適な事業ポートフォリオの構築を目指します。 -
これらにより平成30年3月期の連結業績見通しは以下のとおりとなります。なお、配当につき ましては、1株につき6円を予定しております。
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以上
添付資料: