安全上のトラブルなど

 

  航空法に基づき国に報告している「航空機の正常な運航に安全上の支障を及ぼす事態(事故、重大インシデント、安全上のトラブル)」の概要です。
  【2015年10月01日〜10月31日】
発生
運航社 機種 出発地 目的地 概要 原因 処置
2015/10/01 ANA DHC-8-402 福岡 伊丹 一部訓練未実施のまま運航管理業務実施 勤務計画時における訓練計画確認未実施。 勤務アサイン完成後の確認要領を設定した。
2015/10/02 AKX B737-500 宮古 那覇 危険物輸送について機長への通知を忘れそうになった。 当該作業申し送りの不足 危険物搭載確認連絡フローを業務実施要領に反映した。
2015/10/02 ANA A320-211 伊丹 新千歳 離陸滑走開始後、機体後方より異音がしたため 離陸を中止した。 右エンジン内部不具合 当該エンジンを交換した。
2015/10/03 AKX DHC-8-402 伊丹 新潟 離陸上昇中、衝突防止装置の不具合を示すメッセージが表示された。 衝突防止装置の不具合 当該衝突防止装置を交換した。
2015/10/03 ANA B777-300ER ヒューストン 成田 着陸後、右エンジン逆噴射装置が作動しなかった。 ロック機構の作動不良 当該部の修正を実施した。
2015/10/03 AKX B737-500 新潟 福岡 巡航中、機体後方から異音が発生し、左エンジン計器に変化が見られたため、同エンジンを停止、目的地を変更して関西空港に着陸した。 左エンジン燃料制御系統の不具合 燃料ポンプ、制御装置等の関連部品を交換した。
2015/10/03 ANA B737-800 東京 神戸 神戸空港到着後の点検において、鳥衝突による右エンジンファンブレードの損傷が認められた。 鳥衝突 当該エンジンファンブレードを交換した。
2015/10/04 AJX B767-300 ホーチミン 成田 離陸後、左電源系統の不具合により、ホーチミン空港に引き返した。 左エンジン発電機の不具合 当該発電機を交換した。
2015/10/04 AKX B737-500 福岡 成田 飛行規程に定める運用限界を超えた事態 高揚力装置角度毎に規定されているエアスピードの確認漏れ。 個人への教育指導、および全乗員への事例周知を実施した。
2015/10/06 ANA B787-8 シンガポール 成田 着陸時、管制用自動応答装置および衝突防止装置の不具合を示すメッセージが表示された。 制御装置の不具合 当該制御装置を交換した。
2015/10/07 AKX B737-500 福岡 中部 当該お客様は国際線乗換のため、福岡空港から中部空港へ到着。中部空港において受託手荷物から漂白剤が発見された。 受託時の確認不足 中部空港において廃棄させていただいた。
2015/10/08 ANA B737-700 関西 新千歳 着陸進入中 、対地接近警報装置の警報が発せられ、回避操作を行った。 注2参照 注2参照
2015/10/14 ANA B777-300ER 定時整備中 航空機用救命無線機の機能試験で、発信機能に不具合が認められた。 救命無線機アンテナの不具合 アンテナを交換した。
2015/10/14 ANA A320-211 岩国 羽田 離陸滑走中、左エンジンに鳥が衝突したため離陸を中止、ファンブレードを損傷した。 鳥衝突 ファンブレードを交換した。
2015/10/16 ANA B777-300ER 成田 ニューヨーク 巡航中、航空機衝突防止装置の回避操作に従い回避操作を行った。 注1参照 注1参照
2015/10/17 ANA B777-200 羽田 那覇 地上走行中、タイヤ圧の異常を示すメッセージが表示されたため引き返した。 タイヤ交換に伴う、圧力調整の誤り タイヤ圧を調整した。
2015/10/20 ANA A320-211 定時整備中 酸素マスクの作動試験において、一部のマスク収納扉が開かなかった。 扉解放装置の不具合 当該部品を交換
2015/10/21 ANA B737-800 那覇 伊丹 巡航中、対地接近警報装置の不具合を示すライトが点灯した。 対地接近警報装置の一時的な不具合 当該装置を交換した。
2015/10/22 ANA A320-211 新千歳 伊丹 降下中、航空機衝突防止装置の回避操作に従い回避操作を行った。 注1参照 注1参照
2015/10/22 ANA B767-300 中部 那覇 搭載貨物の重量不一致 通常手順とは異なるシステム操作を実施してしまった。 システム操作の再教育、機能の周知実施
2015/10/27 ANA A320-211 羽田 大分 後方出口表示ライトの一部不灯に対し、所定の手続きを実施せずに就航させた。 規程の誤認 到着地で不具合を修復した。
2015/10/29 AKX DHC-8-402 松山 伊丹 上昇中、客室高度の異常を示す警報が作動し、与圧システムの不具合を示すライトも点灯した。その後、回復操作を実施し正常作動となった。 制御装置の一時的な不具合 規程に基づき、システムの健全性を確認した。
2015/10/29 ANA B787-8 デュッセルドルフ 成田 降下中、航空機衝突防止装置の回避操作に従い回避操作を行った。 注1参照 注1参照
2015/10/29 ANA B767-300 広州 羽田 上昇中、航空機衝突防止装置の回避操作に従い回避操作を行った。 注1参照 注1参照
2015/10/31 ANA B787-9 パリ 羽田 降下中、航空機衝突防止装置の回避操作に従い回避操作を行った。 注1参照 注1参照
注1: TCAS(航空機衝突防止装置)は、周囲を飛行する航空機が定められた距離よりも接近する可能性がある場合、パイロットに危険を知らせ、回避操作を自動的に指示するものです。
TCASは、通常の管制指示に従った正常運航においても、相手機との位置や速度関係によって回避指示(RA:Resolution Advisories)が作動することがあります。
本件については、適切な回避が出来ており、深刻な事態につながるものはありませんでした。
注2: GPWS(対地接近警報装置)は、パイロットが気付かないまま航空機の高度が低下したり、山に異常接近した場合、警報を発する装置です。
GPWSは、通常の管制指示に従った正常運航においても、地上の障害物や地形の特性により、警報が発せられることがあります。
本件については、適切な回避が出来ており、深刻な事態につながるものはありませんでした。