2024年9月12日
ANAは、世界で初めてボーイング777型機の貨物専用機(以下、フレイター)と旅客機の両方に、ルフトハンザ テクニック社とBASF社が共同開発したリブレット加工フィルム:「AeroSHARK」*1フィルムを導入し、運航を始めます。
ルフトハンザ テクニック社とBASF社が共同開発したリブレット加工フィルムの機体への実装技術
2024年9月2日の貨物定期便より「AeroSHARK」を機体胴体の広範囲に導入した初号機であるボーイング777型フレイター(JA771F)が初めて就航します。
来春からは2号機目として旅客機(JA796A)が国際線にて就航する予定です。
ANAグループは、「航空機の運航で発生するCO₂排出量を2050年度までに実質ゼロにする」という長期環境目標を掲げています。この技術の導入により、運航時における機体表面に発生する空気抵抗を低減し、年間約250トンの燃料消費量と800トンのCO₂排出量の削減が期待されます。*2
ANA年間平均飛行時間を基にルフトハンザ テクニック社が算出した最大予測効果
リブレットとは、サメ肌をモチーフにした形状のことをいいます。サメの皮膚の表面は水中を泳ぐためにザラザラに進化し、水中の摩擦抵抗を低減しより少ない力で泳ぐことを可能にしていると言われています。
サメ肌を生体模倣したフィルムを機体に貼り付けることにより、気流の影響による空気抵抗を低減し、エネルギー効率を上げることが可能となる技術です。
ANAでは、2022年10月より順次、持続可能な社会の実現を目指す「ANA Future Promise」をテーマとした特別塗装機「ANA Future Promise Jet/Prop」(B787型機2機/DHC-8-400型機1機)の運航をしています。これらの機体に株式会社ニコン(以下、ニコン)が開発したリブレットフィルムを部分的に試験装着し、耐久性等の技術評価を行なっています。ニコン製リブレットフィルムの機体広範囲への実装に向けても並行して引き続き検討を進めていきます。
今回は、現時点で実装可能な「AeroSHARK」の技術の早期導入を図りました。今後、ANAグループ保有の飛行機における燃費改善とCO₂排出量削減を加速させていきます。
「本「AeroSHARK」改修は、Lufthansa Technik社をはじめ社内外の多くの方の協力を得ながら遂に就航を迎えることができました。今後は、その効果を丁寧にモニターし適用機材の拡大を検討していきたいと思います。航空機の運航により多くのCO₂を排出しているエアラインとして、その排出量を少しでも減らすべく我々が実施できることは積極的に進めていきたいと考えております。」
ANAグループはこれからもさまざまな取り組みを通じてCO₂排出量削減に尽力していきます。
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