2026年7月17日
ANAの航空機運航における環境に対する改善の取り組みについてご紹介いたします。
航空機の運航にあたっては、機内化粧室の使用時などに水を必要とするため、出発空港において規定化された水量を搭載しています。
デリー空港の担当者は、日本から航空機が到着した際に、恒常的に一定の水量が残っていることに気づきました。そこで検証期間を設けて到着便の残水量を計測し、データを取得をしたところ、搭載する水の量を減らしても、航空機の運航やサービスに影響がないことが確認できました。
そこで、デリー空港から最新の水の使用量データを日本の責任部署に報告し、基準となる水搭載量の見直しを提案しました。基準値を策定する責任部署の担当者は、この提案を検討し、基準値の変更を行いました。
この取り組みにより、デリー・羽田の片道で30ガロン(約113リットル)の搭載水量を削減することができます。そして搭載する水の量を削減することによって年間で約20トンのCO₂排出量*1 を削減することができます。
搭載水量の軽量化30ガロン(約113リットル)削減によるCO₂排出削減量(試算値)
ANAでは2026年6月現在、東京・インド間において、羽田・デリー線、成田・ムンバイ線を就航しています*2。この2つの路線は、飛行時間もほぼ同じであり、搭載する水量は元々同じ値を使用するよう設計されています。このため、デリー線でおこなった搭載水量の削減をムンバイ線においても適用できないか検討し、結果としてこの2路線において搭載水量の削減が可能となりました。
提携他社運航によるコードシェア便を除く
担当者にこの取り組みに込めた想いをうかがいました。
デリー空港で給水関係の機体システム不具合で水の搭載ができない不具合が発生しました。その際に、タンクに給水できないならペットボトルの水を使って就航に求められる搭載水量を搭載する処置を取ろうとしました。しかしながら急に準備はできず、どう対応するべきか対応に苦慮しました。この時は、最終的に水を搭載できない不具合は解消できたため、ことなきを得ました。
このような事態が発生し、同様の不具合が発生した時にどう対応するかを考えたのがきっかけです。基準となる搭載水量が多いとそれを満たす水量をすぐに準備することはできません。基準となる搭載水量が適正であれば準備も可能。同様不具合が発生した時にどれだけ水があれば就航できるかその基準を持っておきたいと考えました。日々の実績データを元に基準となる水量がもっと少なくてもよいことがわかり、それを基準値にすることで、搭載燃料と機体重量を削減することができ、また環境改善につながる施策となりました。
ほんの小さな工夫や見直しが、業務の進め方に驚くほど大きなプラスの影響を与えることがあります。だからこそ新しいアイデアが浮かんだときは、いつもチームの仲間と共有し、みんなで意見を交わし合うことが大切だと思います。「課題をみんなで解決していこう」という前向きな姿勢があれば、仕事はずっとスムーズになりますし、それが結果として、組織が目指す目標を達成するための原動力になると信じています。
「現状をいつも観察する。」「変化を見る。」「影響を考える。」ということを心がけています。安全・環境・コスト・快適性を考えて。そして、スタッフ全員が言いたいことをいつでも遠慮なく言えるようにしたい。率直に誰もが言える、そしてそれを聞いたスタッフ誰もが素直に対応するようにできることを心がけています。
今後も安全を第一に堅持しつつ、お客様への影響を最小限に、および環境への配慮にも心を配って、ANAデリー空港のスタッフ一同で力を合わせて、変革にむけたチャレンジをしていきたいと考えています。
ANAグループは、規定概念にとらわれず、社員の小さな気づきを大切にしながら環境改善にむけた取り組みを進めてまいります。