道産子アングラー注目の西の果て
北海道本島の最西端、せたな町。世界自然遺産で知られる知床はアイヌ語のシリエトク(大地の突端を表わす)が語源なのは有名だが、東の地の果てが知床だとしたら、西の地の果てはせたな町である。オホーツク海と日本海の違いはあれど、どちらの地の果ても透明度が高く、自然豊かな海があることで共通する。そんなせたなの海岸は札幌や函館から3~4時間かかるが、季節を問わず多くの釣り人が訪れる。
特に人気が高いのは春、サーフからサクラマスやアメマスをルアーでねらう海での釣りだ。同町には、国土交通省が毎年発表する清流日本一に最多選出されている道南屈指の大河・後志利別川を始め、釣りはできない保護水面だが須築川、太櫓川、臼別川など渓流魚の魚影が濃い河川が多数流れ込んでいる。それらの河川から降海した魚(鱒)が回遊する海岸が熱いのも当然だろう。サクラマス、アメマス用のタックルは、9~11フィートのシーバスロッド、3000~4000番のスピニングリール、PEライン1号程度、ショックリーダー20ポンド前後が標準だ。
ちなみに、同町の北の隣町・島牧村は海のアメマス釣りのメッカ、南の隣町・八雲町熊石は海のサクラマス釣りのメッカ。せたな町は2つの有名釣り場に挟まれた土地だが、サクラマス、アメマスともに釣果実績は隣町と比べても遜色ない。
磯のロックフィッシングも熱い
サーフの主役が鱒類としたら、磯の主役は根魚だ。せたな町の海岸線は岩場がとても多い。しかも、その険しさは日本海側でも屈指。その証拠に、海岸沿いの道道740号の北檜山区と大成区の境界付近は2013年3月まで未開通だった。起伏が激しく、巨岩がゴロゴロ転がり、足もとから急に深くなる磯も多く、それらは大型根魚の好ポイントになっている。
かつて、根魚ねらいといえば投げ釣りが中心だったが、今はワームを使うルアーフィッシング、いわゆるロックフィッシングが人気。足場の悪い磯を歩くことを考慮すると、携帯する道具が少なく、より身軽なスタイルで臨めるロックフィッシングはマッチしたスタイル。対象魚はソイ類とアイナメが双璧。30~45cmクラスが平均サイズとはいえ、どちらも50cmオーバーも夢ではない。さらに、北海道ならではのホッケが入れ食いになることもある。
ソイは沖の深場にいることが少なくないので、タックルは遠投して広範囲を探れるものが好ましい。ロッドは9~10フィートでルアーウエイトMAX28~60gの、シーバス用、ショアジギング用、ロックフィッシング用など。スピニングリールは3000~4000番の中型。ラインはPE1号前後、ショックリーダーはフロロカーボン16~20ポンド。シンカーやジグヘッドは10~28g、ワームは3~6インチのシャッド系やカーリーテール系が多用されている。
なお、大型の根魚のほか、5月以降はヒラメ、ブリも掛かるので玉網は必携。また、ヒグマの生息地を通ってエントリーするポイントもあるので、クマよけの鈴を付けるなど対策は万全を期したい。
この釣り場へのアクセス
函館空港からレンタカーを利用。R227、R229でせたな町大成区まで約3時間。または新千歳空港から道央道経由、国縫ICで下車後、R230で同町北檜山区まで約4時間。
釣り場情報
〈せたな沿岸/アメマス、サクラマス、ソイ類、アイナメ、ホッケ〉
シーズン | アメマス、サクラマスは12~6月だが、サクラマスの最盛期は3月~4月下旬。なお、海のサクラマス釣りは河口規制に注意が必要。釣りができない場所もある。詳細は北海道水産林務部が発行する『フィッシングルール』などで確認できる。根魚は4~7月、10~12月 |
問合先 | インパクト(釣具店/北斗市/海のルアーフィッシングに詳しい。http://fs-impact.com/) |
- 釣り場情報は2018年2月現在のものです。