高知の大自然が詰まった、天日塩づくり体験

高知県黒潮町の土佐湾に面した製塩所で、天日塩を製造する「土佐の塩丸」。こちらで塩づくり体験ができると聞いてやってきました。
出迎えてくれたのは2代目の吉田拓丸さん。
「自然の力を利用してつくる天日塩は手間がかかるので、じつは国内でも製造しているところは少ないのです。釜で一気に炊き上げる塩と違い、海水をじっくり結晶化するので、より多くのミネラル分を逃すことなく結晶化させることができます。そのため複雑な味がするんです」
特に高知県は、四万十川に代表されるきれいな川の水が海に流れ、日照時間も全国的に長いため天日塩づくりに適した土地なのだとか。

体験ではまず塩づくりの工程を教わりますが、その前に吉田さんから「海水に含まれる塩の割合、わかりますか?」との質問。正解は、約3%でした。私たちが想像する海の塩辛さよりも薄く感じられます。このことからも、自然の力で塩を抽出するのがいかに大変かがわかります。


一見シャワー室のようにも見えるこちら。「採かんやぐら」といって、上から流れているのは海水です。滴り落ちる海水は循環しており、繰り返し風や太陽の熱にさらされて少しずつ蒸発し、塩分濃度12%の「かん水」になります。

「かん水」はろ過され、次に「結晶ハウス」へと移されます。ここは塩を結晶化させるためのビニールハウスで、蒸発させながら撹拌(かくはん)作業を行います。撹拌は、塩の一粒一粒にミネラルをバランスよく行き渡らせるための重要な作業。湿度や気温、浜風など自然環境に合わせ、塩がおいしくなるように心を込めて作業します。

次に、結晶化した塩を集めて収穫、塩とにがりに分けるため脱水します。

脱水した後の塩は商品として袋詰めする前に、紛れ込んだ細かな異物を取り除く必要があります。見つけたのは、非常に小さな黒い石のようなもの。気の遠くなるような作業です。


また、にがりの副産物を使ったエステ体験もできます。にがりの沈殿物を手のひらに塗りひろげること2〜3分。水で洗い流してみると「すごい!手がツルツル」と思わず声を上げてしまいす。洗った後も手がつっぱることなく、しっとりとした仕上がりです。
ここまでで塩づくり体験は終了。最後に、吉田さんに塩づくりへの思いを聞きました。
「私たちは、一粒一粒に高知の気候や風土などの自然を丸ごと詰め込んだ塩をつくっています。ぜひ、この天日塩を食べて高知の自然を“丸ごと”感じてください」
- 土佐の塩丸 灘製塩所
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住所:高知県幡多郡黒潮町灘333
TEL:0880-55-3226
営業時間:9:00〜17:00 ※天日塩つくり体験は事前予約制(3日前まで)/不定休
ウェブサイト:【公式】土佐の塩丸|(有)ソルティーブ|自然が作る高知黒潮町の天日塩
開放感抜群な海辺のトレーラーハウスに宿泊

「ネスト・ウエストガーデン土佐」は「いつか黒潮町に戻りたくなる“NEST(巣)”でありたい」がコンセプトの海沿いのホテル。2021年7月にトレーラーハウス「ネスト グランピング プレイス“nokka”(nokkaはフィンランド語で「くちばし」の意)」が2棟オープンしたばかりです。なんと、ビーチから歩いて2〜3分という絶好のロケーションです。


今回、オープンしたばかりのトレーラーハウスを案内してくれたのは代表の山本祥平さん。「ぜひ黒潮町で、大切な人とかけがえのない時間を過ごしてほしい」と話します。そのために、トレーラーハウスには自然との距離を近く感じられるような工夫が施されているのだとか。言葉通り、デッキやルーフテラス、室内では自然の風景や音、風が感じられ、ゆったりとした時の流れに身を任せたくなりました。

夕食は「土佐佐賀カツオのシダープランク香草焼き」や「四万十ポークロースの自家製RAB焼」など、高知県の食材をふんだんに使用したバーベキューを楽しめます。季節のフルーツを使ったスイーツが大人気で、これを目当てに来るお客さんも多いというスイーツショップ「tutu」のデザート付きです。

潮風が心地いいルーフテラスは、視界の端から端まで太平洋と松林が広がる大パノラマ。目を凝らすと波に乗るサーファーの姿がちらほらと見えます。夜は街頭の光が届かないため、満天の星を独り占めできます。

客室はブルーを基調としたカジュアルな雰囲気。家族や夫婦、友人など気の許せる仲間と、暮らすように過ごせる空間です。

- ネスト・ウエストガーデン土佐
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住所:高知県幡多郡黒潮町入野184
TEL:0880-43-0101
ウェブサイト:ネスト・ウエストガーデン土佐
<参考>
- 新型コロナウィルスの影響によりサービスの提供中止・営業時間の変更が発生する場合がございます。詳しくは各施設の公式HPかお電話にてご確認ください。
- 記載の内容は2021年8月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
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