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© München Tourismus Werner Boehm

掲載日:2025.07.14

ビールの祭典「オクトーバーフェスト」を通してドイツ・ミュンヘンの魅力を味わい尽くす

世界最大規模のビールの祭典「オクトーバーフェスト」は、毎年600万人近くが来場する、ドイツ・ミュンヘンの一大イベント。知っておきたい基本情報や、ドイツを代表するビールやグルメ、フェスト周辺の観光スポットなど、オクトーバーフェストとミュンヘンの魅力をご紹介します。

オクトーバーフェストの基本情報

東京ドーム9個分の広さを誇る会場。最寄り駅から会場までは徒歩圏内

毎年9月下旬から10月初旬にかけて約2週間続く「オクトーバーフェスト」は、ドイツ・バイエルン州の州都ミュンヘンで開催されます。

フェストが行われる会場は、市中心部にある広場「テレージエンヴィーゼ」。会場から徒歩圏内には複数の最寄り駅があり、地下鉄(U-Bahn)やトラムで簡単にアクセスできます。

オクトーバーフェストの入場は無料ですが、伝統的な民族音楽や舞踊が楽しめる「オイデ・ヴィーズン」エリアへの入場は4ユーロが必要です。“古き良きオクトーバーフェスト”という名のとおり、伝統文化が息づく、趣あふれるエリアです。

14の大型テントと21の小型テント、観覧車などの遊戯施設が設置される会場

会場には、地元のビール醸造所が手掛ける「ビアツェルト」と呼ばれる14の大型テントが並び、それぞれで異なる雰囲気と料理が楽しめます。

代表的なテントのひとつが、「ハッカー・フェストツェルト」。会場最大級の規模を誇り、「バイエルンの天国」と称されるほど華やかな装飾が印象的です。ほかにも、名物の牛の丸焼きが味わえる「オクセンブラートライ」や、伝統的なバイエルン文化に触れられる「オイデ・ヴィーズン」内の「フェストツェルト・トラディション」など、個性豊かなテントがそろっています。訪れるたびに新しい魅力を発見できるのも、オクトーバーフェストの大きな魅力です。

人気のテントは入場待ちが発生することもあるため、公式サイトを通じた事前予約がおすすめです。

ほかにも、予約なしでも入りやすい小型テントや、メリーゴーランドやジェットコースター、観覧車など遊園地さながらの遊戯施設なども充実。お酒を飲まない方やお子様連れでも楽しめるのが、オクトーバーフェストの魅力のひとつです。毎週火曜はファミリーデーとなっており、19時までは乗り物や食事の一部が割引されたり、特別料金で提供されます。

レーダーホーゼンを着た男性客とディアンドルを着た女性客
© München Tourismus, Tommy

ドレスコードはありませんが、せっかくならバイエルン地方の伝統衣装で参加してみてはいかがでしょう。男性は肩紐付きのハーフパンツの「レーダーホーゼン」、女性はエプロンがついた膝丈のドレス「ディアンドル」が定番スタイル。現地の雰囲気により一層なじみ、写真映えも抜群です。

また、フェストが開催される時期のミュンヘンは、日中こそ過ごしやすいものの、朝晩は冷え込むこともあります。体温調整しやすい上着やストールなど、防寒対策も忘れずにご準備ください。

フェスト開幕日に行われる、ビール醸造所による馬車行進
© München Tourismus, Jan Saurer

開幕日には、各ビール醸造所が装飾を施した馬車で会場入りする行進が行われます。その後、ビアテント内で開幕を告げるオープニングセレモニーが開催され、フェストの幕が正式に上がります。

また、最初の日曜日には、華やかな伝統的な衣装を身につけた数千人の参加者たちによるパレードもあります。華やかさと誇りを感じられる、見ごたえたっぷりのイベントです。

オクトーバーフェスト(Oktoberfest)

  • 住所:Theresienwiese
  • 開催時期:2025年9月20日(土)〜10月5日(日)
  • 開場時間:月〜木曜10:00〜23:30、金曜10:00〜深夜、土曜9:00〜深夜、日曜9:00〜23:30 ※
  • アクセス:地下鉄(U-Bahn)U4・U5線で「Theresienwiese」駅下車。トラム(Straßenbahn)18・19番線で、「Holzapfelstraße」または「Hermann-Lingg-Straße」停留所下車。
  • ウェブサイト:オクトーバーフェスト(Oktoberfest)(英語)
  • 一部エリアにより異なる

オクトーバーフェストの歴史

フェストが開催されるバイエルン州は、ドイツで最もビールの消費量が多い地域
© München Tourismus Tommy Loesch

オクトーバーフェストの起源は、1810年に開催されたバイエルン王国のルートヴィヒ1世とテレーゼ妃の結婚を祝う競馬大会にあります。この祝典で市民にビールがふるまわれたことが始まりとされ、その後、祭典は毎年10月に開催されるようになりました。19世紀末には現在のような「ビールの祭典」として定着し、今では、約600万人もの方が世界中から集まる、200年以上の歴史を持つ世界最大級の一大イベントとなっています。

開催地ミュンヘンは、長い歴史を誇るビール醸造の本場。何百年と続くビール醸造の技術が受け継がれており、濃厚で香り高いビールが楽しめます。ドイツのビール純粋令に基づき、大麦麦芽100%とホップ、水で醸造されるのが特長です。

オクトーバーフェスト期間中の注意点とマナー

ライトアップされ、にぎやかな夜の会場

開催期間中に注意したいのが、スリや置き引きといった盗難被害です。人が多く集まる会場内では、荷物から目を離さないよう、しっかりと管理することが大切です。被害に遭った場合には、警察、必要に応じて在ミュンヘン日本国総領事館へ連絡しましょう。

また、オクトーバーフェストは世界中から多くの方が集まる大規模なイベントであることから、テロ対策も強化されています。会場内には、テロ対策のため、20cm×15cm×10cmを超えるリュックやカバンなどの大きな荷物は持ち込めません。会場周辺にはコインロッカーや手荷物預かり所もありますが、混雑や高額な料金が予想されるため、必要最低限のものだけを持ち、身軽なスタイルで訪れるのがおすすめです。

朝から夜までビールが楽しめる、会場全体が明るくにぎやかな雰囲気に包まれます。楽しいひとときを過ごすためにも、飲みすぎには気をつけてくださいね。貴重品の管理や周囲への心配りを忘れずにいれば、きっとより心地よく、思い出に残る時間を過ごせるはずです。

味わうべきドイツを代表するビールとグルメ

醸造所ごとのビールを楽しめるのもフェストの醍醐味
© München Tourismus, Tommy

オクトーバーフェストでは、ミュンヘンを代表する6社のビール醸造所が参加します。市内で最も古い歴史を持つ「アウグスティーナー」や、日本でも馴染み深い「ホフブロイ」、バイエルン州最大の醸造所を持つ「パウラーナー」など、世界でも名の知れた醸造所のビールを各テントで味わうことができます。それぞれの醸造所がフェスト限定で提供する「オクトーバーフェストビール」にも注目です。

注文は、テント内の席に着いた後、スタッフにオーダーするスタイルです。ビールは通常1リットルのジョッキ(マース)で提供されます。ビールのほかにも、ワインやカクテル、ノンアルコールのドリンクなども用意されており、お酒が苦手な方でも安心して楽しめます。

ハムやディップ、パンなどがセットになっている前菜の盛り合わせやサラダなどの料理もある
© München Tourismus, Tommy Loesch

ビールとあわせて、ドイツの伝統的なグルメも楽しみたいところ。ドイツと言えば、プレッツェルやヴィーズン・ヘンドル(チキンの丸焼き)が有名です。そのほかにも、ヴァイスヴルスト(白ソーセージ)やシュヴァインスハクセ(豚の軟骨に煮込み)といったお肉好きにはたまらない料理が多数そろいます。メインの肉料理は1人前でもかなりのボリュームがあるため、何種類かを注文して数人でシェアして食べるのがおすすめです。

ミュンヘン周辺の観光スポット

オクトーバーフェストの熱気を楽しんだ後は、ミュンヘンの街も堪能してみてはいかがでしょうか。歴史ある建築物や美しい公園など、見逃せない観光スポットが存在しています。

ニンフェンブルク城

「妖精の城」の意味を持つニンフェンブルク城。増改築が繰り返され現在の姿になった
©München Tourismus/Werner Böhm

ドイツ各地には中世以降に建てられ、その歴史と文化を現代に伝える貴重な遺産として一般公開されている城が多くあります。ミュンヘン郊外にある「ニンフェンブルク城」もそのひとつ。17世紀、バイエルンを統治したヴィッテルスバッハ家の夏の離宮として建てられました。豪華な宮殿と広大で美しい庭園を有する20ヘクタールという壮大なスケールを誇ります。

なかでも見逃せないのが、ルートヴィヒ1世が愛した36人の美女の肖像画が並ぶ「美人画ギャラリー」。そのほか、本城に描かれた天井画や色鮮やかな花や鳥の絵が描かれた陶磁器のコレクションなど、時間にゆとりを持って訪れたい、静かな感動に満ちたスポットです。

ニンフェンブルク城

  • 住所:Schloß Nymphenburg 1, 80638 München, ドイツ
  • 開館時間:9:00〜18:00(10月16日〜3月31日は10:00〜16:00)
  • 定休日:なし
  • 入場料:10ユーロ〜 ※
  • ウェブサイト:ニンフェンブルク城(英語)
  • チケットにより異なる

ミュンヘン新市庁舎

仕掛け時計「グロッケンシュピール」はマリエン広場から見られる

ミュンヘン中央駅から徒歩15分、マリエン広場北側にそびえるのが「ミュンヘン新市庁舎」。1867年から1909年にかけて建てられたネオ・ゴシック様式の建物は、壮観な見た目でミュンヘンの象徴的な存在です。

見どころは、ドイツ最大の仕掛け時計「グロッケンシュピール」。毎日午前11時と正午に(3~10月は17時も)カラクリ人形のショーが始まり、約10分間のパフォーマンスを楽しめます。市庁舎内は無料で見学することができ、地上85メートルの高さにある展望台(有料)からはミュンヘン市内を一望できます。

ミュンヘン新市庁舎

  • 住所:Marienplatz 8, 80331 München, ドイツ
  • 開館時間:10:00〜20:00
  • 定休日:祝祭日
  • 入場料:無料。展望台は大人7ユーロ、7~18歳は3ユーロ

アルテ・ピナコテーク

テーマや国ごとに部屋を分けて作品が展示されている
©DZT/Dagmar Schwelle

バイエルン王家ヴィッテルスバッハ家の美術コレクションを所蔵するドイツの国立美術館「アルテ・ピナコテーク」。世界6大美術館のひとつに数えられ、ラファエロやルーベンス、レオナルド・ダ・ヴィンチといった、14〜18世紀のヨーロッパ絵画の名作が数多く展示されています。

「アルテ」は「古い」、「ピナコテーク」は「絵画館」を意味し、隣接する「ノイエ・ピナコテーク※」では18〜20世紀初頭の作品を、また「モダン・ピナコテーク」では近現代アートを中心に展示。時代を超えて芸術の流れを体感できる、ミュンヘン屈指の文化スポットです。

  • 2025年6月現在改修工事のため閉鎖中

アルテ・ピナコテーク

  • 住所:Barer Str. 27, 80333 München, ドイツ
  • 開館時間:10:00〜18:00、火・水曜は10:00〜20:00
  • 定休日:月曜
  • 入場料:9ユーロ、18歳未満は無料
  • ウェブサイト:アルテ・ピナコテーク(英語)
  • 記載の内容は2025年6月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
ライター:武藤 美稀(minimal)
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