
アクセス至便になった「鳥も通わぬ島」
東京から南へ290km。かつては「鳥も通わぬ島」と詠われた伊豆七島最南の八丈島には現在、ANAの飛行機が就航していて、羽田空港から1時間弱のフライトで降り立つことができる。黒潮洗う伊豆諸島の島々の中で、考え方によっては最もアクセスが容易といえる。朝イチのフライトを利用すれば、8時30分には島に着けるのである。
島はひょうたん型をしていて、八丈富士と三原山のふたつの火山からなる。島内にはヤシやシダなど亜熱帯の植物が多く、冬場でも気温10℃を下回ることは滅多にない。瀟洒な観光ホテルもあり南国ムード満点だ。
磯釣り、沖釣りともに盛んでオナガメジナ、イシダイ、ヒラマサ、カンパチ、シマアジなどが人気ターゲット。そして、これらすべてにおいてトロフィーサイズがねらえるといっていいほどポテンシャルは高い。具体的にいうと、オナガメジナ60cm超、イシダイ10kg超、ヒラマサ・カンパチ20kg超、シマアジ10kg超などは、過去に何度も釣りあげられている。
ただし、黒潮がまともに島を洗うため、潮の差し方によって海況は大きく変化し、釣果の波も大きい。夢のような大釣りを堪能できる日もあれば、辛抱が必要な日もある。




写真は大里地区

八丈町の花でもあり、秋から春が見ごろになる


釣りだけでなく観光も充実
釣りだけで渡島するなら、釣り宿を利用するのがおすすめ。釣り宿の主人に釣りたい魚を伝えれば、的確なアドバイスをもらえる。空港までは宿のクルマで送迎してくれ、地磯や堤防からサオをだす場合は、現地まで案内してもらえるか、場所を教えてもらえる。クニノミチ、石積、南原千畳敷など、ポイントは豊富だ。本格的な磯釣りファンは、八丈島から渡船を利用して、島の周りに点在している沖磯や、西方5kmほど沖合に浮かぶ八丈小島に渡る。島周りで有名な沖磯は、大根、横瀬、御正体根、神子様など。八丈小島の周りにもカンナギ、中根、一の根、平根、小地根といった沖磯があり、いずれも潮は川のように流れる。また、小島本島にもシモダテやコウダテなどの一級ポイントがある。先述したメジナ、イシダイ、ヒラマサ、カンパチ、シマアジは八丈島周りの磯、堤防問わず、どこからでも可能性があると思って間違いない。

一方、船釣りも人気があり、メインターゲットはカンパチ、ヒラマサ、シマアジ、オナガダイなど。ただし、それらは魚の回遊や水温に釣果を左右されやすく、ウメイロ、ヒメダイ、アオダイといった手堅いターゲットをねらう五目釣りで、まずはお土産を確保し、2日目にじっくり大ものねらいという計画を立てる人が多いようだ。
八丈島には温泉が6ヵ所あり(足湯も入れると7ヵ所)、八丈富士のトレッキング、ダイビング、サイクリングなど、釣り以外の楽しみ方も豊富。江戸時代から脈々と受け継がれる伝統の織物「黄八丈」をはじめ、くさや、島焼酎、島寿司など、観光にも事欠かない。観光ホテルに泊まって、釣り+島内周遊というプランもおすすめだ。










この釣り場へのアクセス

羽田空港から八丈島空港まで直行便で1時間弱。毎日3往復している。島内の移動はレンタカーが便利だが、釣り宿の送迎などもある。
釣り場情報
〈八丈島〉
シーズン | 通年(台風などにより釣りが不可能な日もあり) |
問合先 | 釣り宿 フィッシングハウス伊藤 (http://blogs.yahoo.co.jp/fhiokami) 観光ホテル 八丈ビューホテル (http://www.hachijo-v.co.jp/) |
- 釣り場情報は2015年1月現在のものです。