
シンプル&カジュアルな釣り
「タイラバ」は、漁具系ルアーとも呼ばれる和製ルアーの一種です。「エビでタイを釣る」という言葉がありますが、タイラバはエサが必要ありません。海底までハリを沈めるためのヘッドと呼ぶオモリ、海中でヒラヒラと揺れてマダイを誘う飾り(ネクタイやスカートと呼ばれます)、魚を掛けるハリが一体になっていて、これ1つでマダイがねらえます。
釣り方は非常にシンプルで、タイラバを海底まで沈めたら、あとは一定の高さまでリールで巻き上げるだけです。もちろん、上手な人ほど実際にはこだわる部分がさらに出てきますが、釣りのベテランも魅了する楽しさを秘めている一方で、誰にでも始めやすい釣りであるため、今や全国で人気の釣りの1つとなっています。
ヘッドの重さは、釣り場の水深と流速によって変わります。水深100mなら100gを目安に、潮の流れが速ければ少し重くし、遅ければ軽くします。色は赤やオレンジが基本で、反応しなければ色を変化させます。巻き上げ回数は、船長が「何メートル上まで」と指示を出してくれるのでそれに従うほか、自分で「着底状態から30回転」と決めておく方法もあります。ビギナーであれば、まずは「30回巻いたら再び海底まで落とす」を繰り返すので良いでしょう。
あとはその中で、ヘッドの重さ、色、巻き上げ回数、巻き上げ速度などを調整していきます。いずれにしても、マダイは海底付近にいることが多いため、タイラバは「しっかり着底を確認」「そこから一定の高さまで巻き上げる」という操作が基本。その際、巻き上げ速度はゆっくりで、急に速くしたり遅くしたりという変化を付けない、一定速をキープするのがコツになります。
工夫を楽しむ気持ちが大切
タイラバを楽しむには釣り船(遊漁船)に事前に予約し、天気が変わる場合もあるので、出船前日にはもう一度確認をします。当日はお客さんが揃い次第出港することもあるので、余裕を持って集合場所に到着するようにします。
船釣りでまず気を付けたいのは寝不足です。寝不足は船酔いの一番の原因になるので、前日はしっかり眠るようにしましょう。あとは心配であれば酔い止め薬を飲みます。
船長は当日の海や潮の状況を見つつ、経験や勘も働かせて良さそうな釣り場に向かいます。とはいえ、釣りは自然が舞台で相手は生きものです。すぐに釣れる日もありますが、なかなか思うように釣れない日もあります。
その時に大切なのが、「魚がいないからダメ」と考えるのではなく、「魚はいるけれども、簡単には食わない状況なのだろう」と考えることです。すると、たとえばヘッドの重さや色を変えてみたり、リールを巻く速さを変えてみたり、タイラバというシンプルな釣りの中でも、何かを試してみようという前向きな気持ちが生まれます。