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掲載日:2021.03.30

初心者でも渓流魚に会える「テンカラ釣り」入門【後編】

CAが秋田県米代川の支流でテンカラにチャレンジ

羽田空港から約1時間。
秋田県の大館能代空港周辺には、多くの川が流れています。
アウトドア派で釣りにも興味津々の2人のCAが、
海外でも人気が高まっている「テンカラ(和式毛バリ釣り)」に挑戦。
キャストの練習を終えて、後半はいよいよ川へ。
美しいヤマメをねらいます!

渓流の歩き方と魚の居場所

上流に向けて釣り進む

草地でのキャスト練習を終え、いよいよ川に入った山田CA、庄村CA、石垣先生の3人。澄んだ水が何より心地よい空間です。

渓流釣りでは「釣り上がり」といって、川を遡るように釣りをしていきます。

ヤマメやイワナなどの渓流魚は、上流に頭を向けて泳いでいます。そして、昆虫などの流れてくるエサを待っていますが、同時に自分を襲う可能性のある、鳥などの気配には敏感です。

魚の後ろ側から近付くことで、まず気付かれにくくなります。また、エサを待っている魚の前まで毛バリを流すうえでも、下流から上流に向けてキャストし、着水した毛バリを自然に流すほうが、全体の操作がやりやすいというメリットがあります。

川を遡るように釣りをしていきます(写真は右が上流)
毛バリを上流の流れにキャストする。これができれば、渓流魚との出会いはもうすぐです

魚はどこにいるのか?

テンカラを含む渓流の釣りでは、ヤマメやイワナがいそうな場所に毛バリやエサを流します。多くの場合、魚は「いるかいないか、まだ分からない」状態で、ある程度やってみて、ダメなら次の場所をねらうという繰り返しです。

とはいえ、ビギナーならどこに魚がいそうか判断がつかないもの。まずは「周囲よりも少し深くなっている場所」をねらってみましょう。目安として、膝くらいまでの深さがあれば、充分に深い場所と言えます。そしてキャストした毛バリが、ほどよく流れに紛れ、自然に流れ下ったり、漂いそうなところが有望です。

対岸の少し深くなっている場所に毛バリをキャストする山田CA。時折り現われるこんな場所が有望スポットです

毛バリの流し方とアタリ

流す時間は一度に3秒

「テンカラはテンポが大切な釣りです。しばらく釣ってダメなら粘らず、どんどん新しい場所をねらっていってくださいね」と、山田CA、庄村CAに声を掛ける石垣先生。

具体的には、以下のような方法で釣りをしていきます。

石垣先生流テンカラの基本

  1. 1回の流しは3秒。3秒たったらピックアップしてキャストをし直す。
  2. 魚が釣れる時は、1回目の流しで釣れることが多い。粘り過ぎはよくない。
  3. 同じ場所を3回流して反応がなければ、すぐに別の場所をねらう。

「3秒」を「3回」をキーワードとして覚えておきましょう。大切なのは、毛バリが本物のエサと同じように自然に流れることです。あまり長い時間欲張って流そうとすると、毛バリの動きがだんだん不自然になってきます。そこで、6秒間毛バリを流しっぱなしにするよりは、たとえば上流側と下流側に2分割して、それぞれ3秒間ずつ流すほうがいいのです。

先生のアドバイスに従って毛バリを流しているとヒット!
釣り人の間では「渓流の女王」と呼ばれるヤマメ。鮮やかな藍色の模様(パーマークといいます)が特徴で、体の中心にはうっすらとしたピンク色も見られます
「本当に釣れました!すごくきれいな魚ですね」と笑顔の庄村CA

アタリの見方

ところで、魚が毛バリに食いついた瞬間は、どう判断すればよいでしょうか?

テンカラでは、ドライフライと呼ぶ、浮かぶタイプの毛バリを使うこともありますが、今回を含め、一般的には沈む毛バリを使います。つまり、キャストしたあと、毛バリ自体は見えません。

実際には、水面近くのラインの先端を見ます。水中を流している毛バリを魚がくわえると、ラインもそれまでに自然に流れ下っていたものが、瞬間的にふと動きを止めます。

この違和感を察知したら、手首を返してサオ先を跳ねあげ、アワセを入れれば魚が掛かってグンと手に重さが伝わります。

キャストしたあと見るのは水面に出ているラインの先端。今回使用した「テンカラBBキット」では、ラインの先端が緑色のマーカーになっているので、ここの動きを見ていれば大丈夫です
山田CAも待望のヒット。魚がハリに掛かったら、あとはラインが途中で緩まないようにサオを掲げ、あせらず疲れた魚が足もとに寄ってきたところでランディングネットですくいます
20cmほどのきれいなヤマメです

周囲の自然を楽しむ

豊かな命が息づく水辺

2人ともアウトドアで遊ぶのが元々好きという、山田CAと庄村CA。石垣先生の「テンポよく!」というアドバイスもあって、習うより慣れろ、キャストもどんどん上達していきます。

上空に枝が茂っている所なら、しゃがんで毛バリをキャストするのも手です
毛バリを振る立ち姿はすっかり経験者

少し余裕が出てきたら、ぜひ渓流で見つけられる、周囲の自然にも目を向けてみましょう。ヤマメやイワナといった魚のほかにも、水のきれいな流れだからこそ出会える生きものがいます。

澄んだ清流を棲み処にするカジカも渓流を代表する小魚。少し大きな石をめくるとその下や隙間に隠れていて、実は食べても非常に美味しい魚です
カジカは擬態の名人。どこにいるか分かるでしょうか?
河畔で見つけられる桑の実は甘酸っぱい渓流のおやつ。赤色のものが熟れて紫(赤黒)色になったものが食べ頃です
山菜は多くが春に旬を迎えますが、夏の水辺でも簡単に見つけられて美味しいのがミズ(ウワバミソウ)です。食べるのは茎。折ってから表面の薄皮を取り、さっと茹でてから冷水にさらしてお浸しにすると独特のぬめりとシャキっとした食感が楽しめます

釣ったヤマメをいただく

シンプルな塩焼きが一番

ヤマメやイワナは食べても美味しい魚です。近年は「キャッチ&リリース(釣ったら放す)」も広がっていますが、自分が美味しく食べきれる分はぜひ味わってみましょう。もちろん、それ以外の魚は元気に川に帰してやることで、また大きくなって釣り人を楽しませてくれます。

この日も、数尾はキープして、地元の恵みを味わうことにしました。協力してもらったのは、地元の釣り名人の九嶋貴文さん。

ヤマメの塩焼きはなんとっても屋外での炭火焼きが一番。遠赤外線の効果で、ぜんたいにじんわりと熱が入り、水分が適度に飛ばされ旨みが凝縮されます。

ヤマメの塩焼きをはじめ、ミズの和えものなど自然の恵みに舌鼓
炭火でじっくりと焼き上げたヤマメの塩焼き。食べる直前にトントンと指で叩いて適度に塩を払い落としたら、思い切ってかぶりつきます
九嶋さんら地元の釣り仲間が春に釣りあげた米代川産のサクラマスの刺し身。脂が乗った身は旨みも濃厚

青空の下で美味しい食事も満喫したCA2人は、秋田での時間を惜しむようにもう一度川へ。

石垣先生に先導されなくても、自分たちで「次はあそこが釣れるかな?」と積極的にサオを振っていけるまでに上達しました。

残り時間を惜しむように緑の回廊を歩きます
2人の生徒の成長ぶりに石垣先生もびっくり
山田CAにはイワナも釣れました
ベテランはもちろん、入門者も楽しめるのがテンカラ釣りの魅力です

秋田県で渓流魚が釣れるのは規則により9月20日までですが、毎年、6月頃からは雪解けも終わり、各河川で渓流釣りが存分に楽しめます。また、渓流のある管理釣り場なら一年を通じて練習もできます。ぜひ、チャレンジしてみてください。

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  • このコンテンツは、2019年7月の情報をもとに作成しております。

テンカラ釣り入門

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