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    掲載日:2022.03.31

    プロペラ機DHC8-Q400(通称Q4)の旅で見つけた、心動く鹿児島の景色

    温泉で幕末・明治の偉人と目線を重ねる

    少し熱めの西郷どん湯。なかなかの名湯です

    鹿児島県民の英雄と言えば、幕末から明治初期にかけて活躍した西郷隆盛。鹿児島の人は敬愛する彼の名を、まるで親戚のおじさんのように「西郷(せご)どん」と呼びます。その西郷どんは、戦いの前になると、温泉に籠もりました。戦略を練り、鋭気を養ったのです。西郷どんが愛した温泉は鹿児島にいくつも残っています。

    鹿児島2日目の朝は日当山(ひなたやま)温泉にある、その名も「西郷どん湯」に向かいました。こちらは近郷の住民に親しまれた源泉掛け流し温泉です。体を洗い深い湯に。少し熱めの湯が体を包み込み、なんともいえない良い気分。西郷どんが見た温泉場の風景を体感した気分になりました。

    朝から地元客の普段使いで賑わっていた西郷どん湯

    目と舌で鹿児島を味わう、鉄板上のステージ

    料理長自慢の鹿児島県産黒毛和牛のヒレ肉

    「和牛」はいまや世界的なブランド。中でも鹿児島県産黒毛和牛は最上級のブランド牛です。きめ細かな美しい霜降りならではのまろやかなコクとうま味が特長なのだそうです。その鹿児島牛を味わうため「鉄板焼 楠」へ。席に着くと、木下泉料理長が「今日はいいヒレ肉が入っています。ぜひ、味わってください」と笑顔で迎えてくれました。手際よく、料理長が野菜を焼いていきます。惚れ惚れする無駄な動きのない美技です。野菜の次はヒレ肉。「常温に置くだけで脂が溶けてくる。これがおいしいお肉です」と、赤身の中にうっすらと霜が降る黒毛和牛の塊を見せてくれました。たしかに脂が少し溶け始めています。料理長は鉄板の熱い場所に肉をそっと移動します(本当に優しく食材を扱うのです)。ジューという肉の焼ける音とともに、室内に“おいしい匂い”が充満します。両面を焼いた後、ナイフで切り分け、さらに残った面に火を入れていきます。おいしい脂を閉じ込めているのだそう。お肉を頬張ると、噛み応え、香り、味など、食を構成するありとあらゆる要素が口の中に広がります。鉄板の上に、鹿児島のおいしさが詰まった風景が広がっていました。

    所作が美しい木下料理長

    暮らしの船窓を額縁に眺める、この地の象徴

    船が静かに出航します

    鹿児島に滞在中いつも風景の中には桜島がありました。活火山とともに生きる地域は地球上にたくさんあるでしょう。しかし、桜島は絶えず煙を出している火山です。鹿児島は世界から見てもかなり特殊な街ではないでしょうか。その火山があるからこそ、温泉をはじめ、景観、水はけの良い土地で作る農作物など豊かな自然の恵みを享受できるのでしょう。鹿児島の人は火山を愛し、火山は自然の恵みを人々に与える。鹿児島の人と火山は相思相愛に違いありません。

    桜島(桜島港)へは鹿児島港から約15分の船旅です。しかも、24時間運航で車でも乗船することができます。フェリーはまさに鹿児島市民の足。行く予定もなかったけれど、その気楽さから桜島フェリーに乗ってみることに。大げさな出港の合図もなく、フェリーは静かに桜島へと向かいます。

    船内はノスタルジックな雰囲気

    座席の窓から外を眺めます。街で見ていた桜島は大きな山でした。その大きな山が船に乗ると、さらに近づき大きく見えてきました。雄大な桜島を見ながら今回の旅を思い返します。Q4の窓から見た人々の営みや日本の起伏に富んだ風景など、Q4だからこそ体験することができた視点が、この鹿児島の旅で見える景色に変化を与えてくれたのだと思います。甲板に出ると、赤く夕日に染まった桜島が出迎えてくれました。

    夕日に赤く染まった桜島

    普段の旅に新しい視点を与えてくれるプロペラ機の旅。そのDHC8-Q400(通称Q4)の特徴や航路、機内で楽しめるコンテンツに関する情報はこちらのウェブサイトでご確認いただけます。

    スポット情報

    白熊菓琲(天文館むじゃき)

    • 住所:鹿児島市千日町5-8 天文館むじゃきビル1F
    • TEL:099-222-6904
    • ウェブサイト:天文館むじゃき

    西郷どん湯

    • 住所:鹿児島県霧島市隼人町内1462-2
    • TEL:0995-43-3870

    鉄板焼 楠(城山ホテル鹿児島内)

    • 住所:鹿児島県鹿児島市新照院町41番1号
    • ウェブサイト:鉄板焼 楠

    桜島フェリー(鹿児島港乗船券発売所)

    • 住所:鹿児島市本港新町4-1
    • TEL:099-223-7271
    • ウェブサイト:桜島フェリー
    • 記載の内容は2022年2月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。

    関連リンク

    ライター:Hideki Inoue
    フォトグラファー:Mina Soma

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