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写真:ヤマタ鳥取砂丘ステイション

掲載日:2025.06.24

夏の山陰・山陽:非日常を満喫できる「絶景」に滞在する旅

日本海と瀬戸内海に挟まれた自然豊かな山陰・山陽地方。今回は、広島、島根、鳥取3県で楽しめる「夏の絶景」をお届けします。滞在するからこそ味わえる絶景の世界。絶景が生み出す非日常の空気にじっくりとひたって五感を満たす山陰・山陽地方の旅です。

鳥取砂丘(鳥取):満天の星空に囲まれる砂丘で幻想的な夜を過ごす旅

鳥取がほこる名所・鳥取砂丘へは鳥取空港からバスや電車で約1時間。風によって描かれる砂の模様「風紋」の壮大な美しさにはじまり、らくだ乗り体験、砂丘を駆け巡るファットバイクにパラグライダーなど充実のアクティビティまで。国の天然記念物にも登録されている鳥取砂丘のその魅力は、誰もが知るところです。

そんな鳥取砂丘ですが、まだあまり広く知られていない、とっておきの絶景があります。それが、こぼれおちるような満天の夏の星空を楽しむ夜の鳥取砂丘です。

心揺さぶられるダイナックな満天の星空に出会える夏の砂丘

ステイするからこそ楽しめる夏の砂丘と夜空

「鳥取砂丘を訪れたら、ぜひ宿泊して夜の砂丘を体験していただきたいですね」と話すのは「ヤマタ鳥取砂丘ステイション」支配人の藤原さん。ヤマタ鳥取砂丘ステイションは2024年にうまれた砂丘の魅力を全身で体験できる宿泊施設。6棟のドーム型テントを有する鳥取砂丘グランピング GLAMP DOME"砂優(さゆう)"、個室とドミトリーを備えた鳥取砂丘ゲストハウス GUEST HOUSE"砂縁(さえん)"、快適なキャンプが楽しめる鳥取砂丘フリーサイトキャンプ CAMP VILLAGE"砂育(さいく)"と、3つの宿泊スタイルを楽しめます。

ステイションは砂丘のすぐそば。砂丘の奥に日本海も見える
写真:ヤマタ鳥取砂丘ステイション

砂丘に隣り合うようにあるこの施設からの眺めはとびきりスペシャル。

「鳥取は"星取(ほしとり)県"という異名を持つくらい星空がとても美しいんです。特にステイションは高台にあり、砂丘には電灯がまったくなくて、街あかりもほとんどないことから、星空がよく見える好条件がそろっているんです」と藤原さん。

砂丘が生み出す漆黒の世界が、まばゆく光る夏の星々の美しさを際立たせてくれるのです。ドームテント併設の露天風呂やドームテントからゆったりと壮大な宇宙を感じる天体観測をするのもおすすめ。

お酒を楽しみながら、非日常感あふれるドームで天体観測
写真:ヤマタ鳥取砂丘ステイション

真夏の夜の姿、朝日・夕日に染まる景色。砂丘の魅力に迫る

じつは砂丘は24時間出入り自由な場所。ステイションから飛び出して、真夏の夜の砂丘探索もできます。特に夏は、日差しのない夜のほうが暑さが落ち着いて過ごしやすいため、砂丘散策にぴったり。自然の脅威すら感じる夜の漆黒の砂丘。そこにあるのは、静けさに満ちた一面の砂丘と、漆黒の闇に浮かび上がるこぼれ落ちるような星空の世界。究極の非日常が楽しめます。

朝日や夕日の時間帯に砂丘が見せる表情もまた格別です。ステイションの高台からのぞむ砂丘の稜線。奥に広がる海の青と水平線。朝日や夕日に赤く染まる空。圧倒されるほどの、自然が織りなす雄大な絶景が体感できます。

人工物のない、自然が生み出す絶景だけが広がる

「ステイションに宿泊いただくなら、早めにチェックインして充実した施設で過ごしながら、夏の砂丘の移り行く1日の様子をゆっくりと楽しんでいただきたいです」と藤原さん。

半透明のグランピングドームは室内にいながらにして、星空、砂浜、豊かな森林、それぞれの景色を眺めて楽しめる設計。また、鳥取の名産品をバーベキューで味わう施設もあります。砂丘をとことん楽しむために作られた施設だから、焚き火や花火など夏らしい時間をのんびりと過ごしながら、砂丘の絶景を24時間追いかけることができるのです。

鳥取和牛、大山ウインナーなど、鳥取の名産品がずらり
写真:ヤマタ鳥取砂丘ステイション

砂丘をアグレッシブにとことん楽しみ尽くすアクティビティ

夏空のもと、さらに砂丘をもっと楽しみたい方は「山陰海岸国立公園 鳥取砂丘ビジターセンター」へ。鳥取砂丘のことを解説する展示や写真が豊富にあるだけでなく、砂丘を知り尽くしたガイドも常駐。砂丘の各種散策ツアーも開催されています。

夜の砂丘に個人で行くのが不安な方は「とっとり観光ガイドセンター」のミステリーツアーに参加するのがおすすめ。日本海に沈む夕陽、海に浮かぶイカ漁の漁火、暗闇に包まれた砂丘を小さな懐中電灯で照らして映し出される美しい風紋。広大な夜の砂丘に身をゆだねて大自然の神秘を五感で満喫できます。

また、砂丘をいかしたセグウェイ、サンドボード、パラグライダーなどのアクティビティも豊富。砂丘をたっぷりと楽しめます。

各種アクティビティは事前予約がおすすめ
クレジット:砂丘セグウェイアドベンチャーツアー
提供:鳥取砂丘ビジターセンター

さらにこの地ならではのおいしいものを求めるならば、「鳥取港海鮮市場かろいち」へ。日本海の魚介類が水揚げされる賀露(かろ)港のすぐ隣にあるこの市場には、新鮮な海産物を扱う鮮魚店をはじめ鳥取のソウルフードとうふちくわの店や、お土産店などがずらり。とれたての海の幸を購入したり、味わったりできます。夏は鳥取名物の白イカや岩ガキの最盛期。空港からも近く、帰りがけにお土産を買いに立ち寄るのに便利なスポットです。

鳥取砂丘がみせる夏の壮大な自然美。時間帯で変わる絶景を余すところなく目に焼き付け、雄大で神秘的な世界に身を置いて非日常を体験する。そんな夏旅を鳥取砂丘が叶えてくれます。

豊かな海の幸がギュッと集まった「鳥取港海鮮市場かろいち」
写真:鳥取港海鮮市場かろいち

ヤマタ鳥取砂丘ステイション

山陰海岸国立公園 鳥取砂丘ビジターセンター

とっとり観光ガイドセンター

鳥取港海鮮市場かろいち

尾道(広島):瀬戸内海をぐるり360度楽しむアートとカルチャーの旅

広島空港から電車で約1時間、車で約45分。尾道は広島県東部に位置し、島々が浮かぶ瀬戸内海に面する東西約20km、南北約35kmの細長い街です。尾道エリアとしまなみエリアの2つのエリアに大きくわけられます。海と山に挟まれた山肌に数々の歴史的な寺や住宅が建ち並び、それらを縫うように階段や路地が張り巡らされた尾道エリア。もうひとつが、尾道から今治を結ぶしまなみ街道沿いの、瀬戸内海に浮かぶ向島、生口島、因島などの島々がある、しまなみエリアです。

街の上をケーブルカーが走る尾道。尾道水道をはさんで向かい側が向島

尾道は多様な魅力が詰まった場所。「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」として日本遺産にも選ばれています。尾道三部作とよばれる名画の撮影地であり、鎌倉時代の建造物が趣深い歴史を感じさせ、路地裏や坂道では数多くの猫たちに出会い、海辺の潮の香りが漂い、どこかノスタルジックな街の生活の気配もそこにあります。360度どこを切り取ってもストーリーのある景色が続き、訪れる方を魅了する絶景の街なのです。

尾道の山手に石段が続く街並みは美しく、懐かしさがあふれる

文化の香りまとう街・尾道らしい宿で過ごす夏の日

「私たちの施設はふもとから100段ほど階段をのぼったところにあります」と坂の街・尾道らしく階段の段数で立地を教えてくれたのは、ホテルを有する施設「LOG」の支配人小林さん。

瀬戸内エリアは瀬戸内の島々を中心に3年に一度開催されている現代アートの祭典・瀬戸内国際芸術祭があり、さらに2025年からは「ひろしま国際建築祭」が3年に一度開催されます。瀬戸内・尾道はまさにアートの風が吹く場所であり、LOGはその象徴的な場所といえるでしょう。まさに滞在するだけでさまざまな美の景色を体験できる、異彩を放つ施設です。

尾道の山の中腹に建つLOG
写真:LOG

「世界的な建築家ビジョイ・ジェインさんが率いる建築集団スタジオ・ムンバイと共に、この地に元々あったアパートメントの改修と空間づくりを手掛けて生まれたのがこのLOGです。ただの宿ではなく、この地で暮らす方々と旅人が交差するような、開放的で大らかな場所であることを目指しています」と小林さん。

LOGが提供する空間はどこを切り取っても美しさをたたえています。日本・インドを中心に、多様な作家や伝統技術を持つ職人が手がけたアート作品や手仕事の数々が空間に散りばめられ、窓枠は景色を絵画のように映し出すフレームとして機能。建物の半分以上がオープンスペースで、風と光が通り抜ける空間になっています。LOGで過ごす時間は美との出会いに満ちているのです。

窓の景色は一枚の絵。差し込む光とその影も大切にされている
写真:LOG

LOGでいただく食事もまた、一皿ごとに美学が宿ります。素材と向き合い、その土地の食の魅力を引き出す料理家の細川亜衣さんが監修。人・食材・その土地を食でつなぎ、"瀬戸内らしさ"と"LOGらしさ"を追求した料理をいただけます。

瀬戸内の滋味あふれる食材をふんだんに使用した季節の料理
写真:LOG

尾道で楽しむアートと夏の絶景の数々

そのLOGから400段ほど石段を登ったところにあるのが千光寺公園です。ふもとから直接千光寺公園にアクセスする場合は、「尾道 千光寺山ロープウェイ」の利用がおすすめ。尾道の街並みの上をなでるように登りながら見えてくるのは、尾道水道、瀬戸内の島々が広がる景色。尾道らしさを象徴する絶景のひとつです。

さらにロープウェイ山頂駅から2分ほど歩けば「千光寺頂上展望台 PEAK」に到着。曲線と直線で構成される現代的なこの展望台は、国内外で数多くの建築物を手がける建築設計事務所「AS」の青木淳氏、品川雅俊氏の設計によるものです。曲線部分のらせん階段をのぼった先に、全長63mの直線の展望デッキがのびています。

尾道の街並み、尾道水道と、その先に浮かぶ向島をはじめとした島々、青い海と空がつながる様子は、「多島美(たとうび)」と表現される尾道の地形の特長をよく理解できる絶景ぶり。さらに、すぐそばに立つ尾道市立美術館を上から眺めることもできます。この尾道市立美術館は巨匠・安藤忠雄氏がリノベーションを手がけた建物。絶景が見られるだけでなく、著名な建築探訪もでき、アートや建築好きにはたまらない展望台なのです。

ぐるり360度の景色が眺められ、開放感あふれる展望台
写真:尾道市観光課

向島から見る尾道と、瀬戸内の夏がはじける景色

展望台から見えた向島は尾道から渡船でわずか3分の距離にあり、尾道に一番近い島です。通学する学生、出勤する方々、買い出しに出かけた島の方々、しまなみ海道をサイクリングする旅行客などを乗せ、尾道と向島の間を行き来する船。その姿は、尾道の日常を感じさせる景色です。

船で向島に渡って尾道のほうを見ると、それまで見ていた尾道とは違う景色がそこに。尾道水道の向こうに広がる市街地の街並み、千光寺と山肌を走るケーブルカー、美しい尾道三山の稜線。まさに「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」を描いた一枚の絵のような美観を目にすることができます。

向島から見た尾道。夏空の下に広がる尾道の全景を見渡せる

車があり、時間や体力に余裕がある方は、足を延ばして高見山展望台へ。四国の石鎚連山、因島大橋、瀬戸内海に浮かぶ島々。広々とした夏空と海、緑あふれる島々がつくる絶景を味わうことができる展望台です。また、向島は自転車で1周2時間ほどの大きさの島。瀬戸内海のおだやかな島の空気を感じながら、ゆっくりサイクリングするのも楽しみ方のひとつ。小さな浜で小休憩すれば、喧そうを忘れて島時間にひたることができます。自転車は向島でレンタル可能です。

向島から四国方面をのぞめば、石鎚連山の山並みが見える

「向島から尾道へ戻るときは"尾道渡船"に乗船すると、下船後に駅に向かいながら商店街を歩けて楽しいですよ」とツウな情報を教えてくださったのは、向島に住むLOG広報の大西さんです。

「向島・尾道間の航路は2つあるんです。尾道駅前桟橋と向島を結ぶのが駅前渡船。商店街の中心エリアと向島を結ぶ航路が尾道渡船です。駅前渡船ではなく尾道渡船で戻ると、駅に向かいながら新旧多彩な商店がひしめく尾道の商店街をぶらり歩きして帰れます」と大西さん。パン屋、お好み焼き屋、お寿司屋に、レトロな喫茶店。商店街はおいしい香りに満ちています。そんな商店街のなかにもアートスペースが点在しているのは、アートが身近にある尾道ならでは。

駅まで歩きながら、商店街で尾道らしいお土産を手に入れて

昔ながらの瀬戸内の街並みに、アートが溶け込んだ世界を楽しめる尾道。360度どこを切り取ってもユニークで美しい絶景を味わう夏旅をしたいなら、尾道は迷うことなく旅先候補第1位でしょう。

LOG

  • 広島県尾道市東土堂町11-12
  • ウェブサイト:LOG

千光寺頂上展望台 PEAK

宍道湖(島根):城下町の湖畔で絶景を見ながら過ごす歴史情緒あふれる旅

島根県・松江市にある宍道(しんじ)湖は、今も当時さながらの形をそのまま残す松江城とともに松江のシンボルです。戦国大名・堀尾吉晴が松江城を築城する際には、宍道湖や城下町が一望できるように城が作られたほど、街の中心として存在してきました。出雲空港から松江しんじ湖温泉駅まで高速バスで約40分のところにあります。

宍道湖は湖としても稀有な存在です。斐伊川から流れ込んできた水でできた湖ですが、中海を介して日本海にもつながっているため、海の水が混じった汽水湖という珍しい湖なのです。昔は宍道湖で豊富にとれるシジミ、スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、コイ、シラウオを宍道湖七珍とよび、この辺りの四季折々の豊かな食材を象徴するものとして大切にしてきました。生態系の変化もあってとりにくくなったものもありますが、今もなお全国一位の漁獲量をほこるのがシジミです。特に7月前後は、産卵を控えたシジミが旬を迎え、「土用シジミ」と呼ばれます。

汽水湖という特殊な環境のおかげで海と川の両方の魚がとれる宍道湖

宍道湖のほとりにある宿で、城下町の風情を満喫する夏

「宿泊するお部屋からも、朝日に染まった湖にシジミ漁の小舟が浮かぶ様子を眺めることができます。早朝、1人乗りの小さな船がいくつも湖面に浮かぶ眺めは今も昔も変わらぬ宍道湖らしい景色です」と話すのは「皆美館」支配人・大島さん。

1人乗りで、細長い形が特徴的なシジミ漁の船
写真:皆美館

皆美館は、創業137年の歴史ある旅館。宍道湖のほとりにあるので、逗留すれば宍道湖の美しい1日の移り変わりとともにゆったりと過ごせます。数部屋から始まった旅籠の部屋だったという皆美館は、創業当時から自慢の庭越しに宍道湖を眺められるお宿でした。

「多くの文人に愛されてきました。山陰地方に文士がくることになると皆美館に逗留するのがお決まりだったそうです。特に島崎藤村は"山陰みやげ"という随筆に皆美館の名を残すほどで、3泊の予定を5泊に延ばしたという部屋は今も残っています」(大島さん)

格調高い和室から端正な日本庭園と宍道湖の水面を眺める
写真:皆美館

こだわりの朝食で、松江や宿の名物を味わう

朝のシジミ漁を眺めたあとは、松江らしさが楽しめる名物の朝ごはんをいただきます。宍道湖のとれたてのシジミを使ったお味噌汁はもちろん必食の一品ですが、朝食から地元の味や伝承の味が詰まったメニューが並ぶのが皆美館の特長です。和定食は、釜炊きの炊きたてごはんに、「あごのやき」というトビウオのすり身を炭火で焼いたものや、「めのは」という板わかめを、茶道具をヒントにした「雪洞」という道具であぶっていただきます。

もうひとつが、名物である家伝料理「鯛めし」です。炊きたてご飯に鯛そぼろ、裏ごしした卵の黄身、みじん切りにした白身をのせ、わさび、大根おろし、のり、ねぎなどの薬味などを添えて、松江の醤油をきかせたかつおだしをかけていただく一品です。料理の由来は、茶の道を極め、大名茶人として名高い松江藩松平家7代藩主の松平治郷、通称不昧公(ふまいこう)が汁かけご飯を好んだことから、はたまた、出雲そばの薬味を好んでご飯にのせたのでは?などと諸説あるそう。由来はともかくとして、朝食に茶道具に着想を得た雪洞が使われるなど、松江の城下町、茶の街としての心意気が今もしっかり受け継がれているのを感じられる朝食の景色なのです。

明治21年初代板前長が考案し、今も受け継がれる伝承の味「鯛めし」
写真:皆美館

朝食を終えたら、自慢の庭へ。湖に面して作られた日本庭園は、アメリカの日本庭園専門誌の日本庭園ランキングで毎年上位入賞する実力派。樹齢が300年を越える名木を中心に仕立てられた枯山水式の庭園です。宍道湖を借景とした庭園を眺めているだけで時が飛ぶように過ぎてしまいます。

4階の「レイクビュースイートルーム」は宍道湖が見渡せる展望温泉風呂があるので、誰にも邪魔されないプライベート空間で宍道湖の絶景を独り占めできます。温泉につかりながら宍道湖を眺める。ゆったりとした特別に贅沢な時間です。

松江しんじ湖温泉の湯は無色透明で、美肌効果も抜群
写真:皆美館

城下町散歩で出会える、茶の街・松江の美しい和菓子の景色

宿の外を歩けば、そこは昔ながらの武家通り。松江城までは歩いてたったの10分ほど。お堀では、小舟で堀をたゆたう堀川巡りが楽しめます。茶人として活躍した不昧公様の影響は今も色濃く残り、幼稚園生からお茶を一服たてていただくほど、茶の文化が根づいている松江。街には和菓子屋さんがたくさんあり、京都・金沢と並んで日本三大和菓子処といわれています。

今も天守が現存する国宝「松江城」

過度な華美を嫌ったという不昧公が好んだものや好きそうなものをこの地では「不昧公好み」と呼びます。そんな「不昧公好み」の三代銘菓「若草」「山川」「菜種の里」のうち、「若草」を作っているのが「彩雲堂」。また、民藝にゆかりのある陶芸家・河井寛次郎が愛した「風月堂」では質実剛健な美を感じる逸品「八雲小倉」に出会えます。松江の和菓子屋さん巡りでは、小さな和菓子に詰め込まれた伝統や季節感あふれる景色に触れる旅が楽しめます。

彩雲堂の夏の和菓子「水の彩」。三瓶山の天然水を使用
写真:彩雲堂

あっというまに迎える夕暮れは、宍道湖がいちばん美しいとき。宍道湖に浮かぶ「嫁ヶ島」という小さな島に落ちゆく夕日がもっとも有名な夕暮れの景色です。きれいな夕日を絶対にその目におさめたい方は、宍道湖大橋を渡った県立美術館の少し先にある「宍道湖夕日スポットとるぱ」へ。宍道湖に沈む夕日をベストな環境で見るために作られた絶景ポイントです。

城下町に根づく清廉な武家文化と、城下町とともにずっとある美しく豊かな宍道湖。どちらも、今も変わらぬ抒情あふれる絶景を見せてくれます。

陽の光が宍道湖の水面を照らし、名残惜しい夏の夕暮れを印象づける

皆美館

  • 島根県松江市末次本町14
  • ウェブサイト:皆美館

彩雲堂

  • 島根県松江市天神町124
  • ウェブサイト:彩雲堂

風月堂

  • 島根県松江市末次本町97

宍道湖夕日スポットとるぱ

  • 記載の内容は2025年5月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
ライター:田中祐子
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