コンテンツへ

    掲載日:2025.06.18

    淡水魚の宝庫。琵琶湖で楽しめる夏の釣り

    日本で最も大きな湖で、アユ、ホンモロコ、コイ、タナゴ、ハス、ナマズなど、多彩な淡水魚が暮らす滋賀県の琵琶湖。湖の本湖や流入河川では、季節に応じたさまざまな釣りが楽しまれています。その魅力を紹介します。

    琵琶湖の釣りの奥深さ

    ひとくちに琵琶湖といっても釣り場はさまざま。見られる景色も大きく変わる

    日本一の湖として、多くの方にその名が知られる琵琶湖。滋賀県の6分の1を占める広さを持ち、世界でも有数の古代湖であることから、長い年月をかけて海と隔絶された環境と生態系を育んで来ました。淡水魚は54種が確認されており、そのうち44種が在来種、さらにそのうちの15種が琵琶湖の固有種です。

    そんな琵琶湖は、その広さゆえにさまざまな顔も持っています。たとえば南側の南湖の東岸は、ほとんどの場所が護岸整備されていて足場がよく、そこを見ただけなら人工的な湖と映るかもしれません。一方で北湖の西岸を訪れた方ならば、背後に迫る比良山脈、澄んだ湖水と白い砂浜など、緑に恵まれたのどかな景色に強い印象を受けるでしょう。釣りをする場所も本湖だけでなく、流入河川や周辺の田園地帯の水路での釣りも含めて「琵琶湖の釣り」と言います。一度訪れただけではとても体験しきれない、豊かな水辺を有しているのです。

    初夏から釣れるコアユ

    琵琶湖のコアユ。小さいから「小鮎」と書くことも、「湖鮎」と書かれることもある

    コアユは琵琶湖のアユ(鮎)です。日本の各地に生息するアユは、本来、川で生まれて海に降り、再び川に遡上して成長するという生態を持っています。琵琶湖のコアユはこのアユが陸封されて進化したもので、湖を海に見立てて流入河川との間を行き来し、一生を淡水で暮らします。他の地域のアユが最大で30cmほどに育つのに対し、コアユは成長しても15cmほど。ただし、コアユも他の河川に放されると、他のアユと同じように大きく育つことが知られており、なおかつナワバリ意識も強いことから、昔から「湖産アユ」として各地の川でアユの友釣りの対象魚にもなっています。

    コアユの天ぷら。サイズを問わず美味しく食べられる

    釣りは夏がハイシーズン。春になると湖の沖合から流入河川の河口に集まって来て少しずつ遡上するようになり、初夏が大きさも数も期待できる釣りのベストシーズンになります。コアユはとても美味しく、特に天ぷらは東京の高級専門店で人気の種(たね)になるほどです。また、滋賀県では山椒煮が湖国料理として伝わっています。

    川のコアユ釣り

    流入河川のコアユ釣り。地元ではとても人気のある釣りだ

    コアユの遡上は雨が降ったあとに顕著に増えるという特徴があります。川のコアユ釣りもそれを見計らって楽しむのがベスト。ただし、そのタイミングは投網でねらう方も増えるので、雨が止んだ直後や、翌日の早朝にポイントに入れればチャンスです。とはいえ、川に十分な数のコアユが遡上したあとであれば、特別なタイミングでなくても釣りは楽しめます。

    群れに当たればこんなサイズが次々に釣れることもある

    釣りはノベザオを使い、浅い流れに寄せえさ(まきえさ)を付けたサビキ仕掛けを乗せて流し、ウキでアタリを取ります。目の前に一度コアユが集まってしまえばチャンス到来。次々とアタリが出ます。最も釣れやすいのはやはり雨後の増水気味の時ですが、その濁りが落ち着く頃に突如として大きな遡上が起きることもあります。そんな時に川に入れると思わぬ入れ食いが味わえます。

    本湖のコアユ釣り

    本湖でのコアユ釣りは砂浜で行う。しっかりとした釣り座を構える方も多い

    本湖の釣りも季節は同じですが、こちらはコアユが接岸してきたところをねらいます。本湖の釣りの場合、サオはノベザオの方もリールザオの方もいます。ノベザオの場合、サオの長さは4m以上欲しく、理由は人の気配を察したコアユはやや沖に出る傾向があるためです。リールザオの場合はキャストできるのでそうした心配は要りませんが、仕掛けが絡みやすいので多少の慣れが必要です。また、本湖での釣りは川での釣りに比べると誘いやアワセが必要になり、釣りの難易度が少し上がります。ウデの差が出やすいぶん、こちらの釣りを好んでやるという方もいます。

    ハスはコイ科のフィッシュイーター

    近年ファンが増えているのがルアーでのハス釣り。きれいに色づいた魚がねらえる

    ハスはオイカワを大きくしたような見ためですが、口がへの字、もしくはアルファベットのNのように曲がっているのが特徴です。体長30cm前後まで成長する立派な魚で、日本のコイ科の魚では珍しく、小魚をエサとして食べるフィッシュイーターです。そのためルアーでねらうことができます。

    琵琶湖のハス釣りは梅雨から夏がハイシーズン。流入河川やその河口にペアリング・産卵のために成魚の群れが集まって来ます。秋も釣れますが、琵琶湖の流入河川はホンモロコの産卵保護のため釣り禁止になるところが多いので、立ち入り禁止ではない浜からだけの釣りになります。

    焼く際にひと工夫しておくとハスも美味しく食べられる

    ハスは食用にもされる魚ですが、小骨がやや多いので、骨切り包丁を入れて塩焼きにすると美味しく食べられます。その際、内臓の周辺はコイ科特有のにおいが若干あるので、お腹に味噌を詰めて焼くのがおすすめです。

    ルアーを使ったハスの釣り方

    ハスが遡上してくるのはこんな川。釣りをするのは本湖からすぐのところも多い

    釣りをする時期は夏の前後で、なおかつハスが集まる川や河口は砂地底なので、サンダル履きのカジュアルな服装でも楽しめます。サオは小型のルアーをキャストしやすいトラウトロッド、メバルロッドなどがおすすめ。ライトなバスロッドでも大丈夫です。ルアーはスプーン、スピナーが定番ですが、小型のミノーやトップウオータープラグにアクションを付けて使うのもおすすめ。フローティングミノーを巻くだけの「タダ巻き」で釣れることもあります。

    流入河川の場合、群れが入っていれば橋や土手の上から姿が見つけられる

    近年、ルアーでねらうハス釣りが人気になっていることもあり、タダ巻きだけだとルアーを追っては来ても最後に食いつくまでは至らないような時は、「ポーズ(止め)を入れる」「巻くスピードを速くする」「ルアーの種類を変える」といった対策が有効です。渓流用のシンキングミノーのトゥイッチやリフト&フォール、小型ペンシルベイトを使った高速のドッグウォークアクションでもよく釣れます。派手な婚姻色をまとったハスが猛然とルアーに襲い掛かって来る姿を見たら、きっとその面白さに夢中になるでしょう。

    流入河川だけでなく、シーズン中はこうした浜の前にもハスの群れが回遊している

    季節ごとの多彩な釣りが楽しめる琵琶湖。なお、琵琶湖の釣りのルールについては、滋賀県の水産課が公開している「遊漁の電子手帖」も目を通しておくと役立ちます。また、地元の釣具店には今釣れいてる魚の情報なども出ているので、ぜひ気軽に訪れて釣りを楽しんでみてください。

    滋賀県農政水産部水産課「遊漁の電子手帳」

    • 記載の内容は2025年6月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。

    協力:つり人社

    ANAからのおすすめ

    早めの予約でおトクなプランをご紹介。旅に出かけよう!

    もっと世界へ、もっと羽田から。

    「てのひらANA」すべてのシーンでお客様のモバイルデバイスがお客様をサポート!

    戻る
    進む

    この記事に関連するおすすめ

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    •    
    •    

                                                             

    戻る
    進む
    ×

    「いいね!」で記事へリアクションできるようになりました。