北海道の原生林を流れる阿寒川
北海道・道東エリアの主要観光地の1つであり、アイヌ文化が残る土地としても知られる阿寒湖温泉周辺。その中心にある阿寒湖から流れ出す阿寒川(あかんがわ)は、周囲を豊かな森に囲まれた渓流釣り場です。
植生はトドマツやアカエゾマツなどの針葉樹とミズナラやダケカンバなどの広葉樹が重なる混生林。10月の声を聞く頃になると、それらの中の広葉樹が赤や黄色に色づき鮮やかなタペストリーを描きます。
阿寒川は北海道では数少ない地元の漁業協同組合が管理する川になっていて、ルアーフィッシングやフライフィッシングによるキャッチ&リリースが義務化されています。同時に川にアプローチするための遊歩道なども整備されているため、北海道外から訪れる釣り人にも釣り場がわかりやすいといった特徴があり、北海道ならではの良型のニジマスを誰でも狙うことができます。
なお、釣りは川を流れる落ち葉の量が多くなるとしにくくなるので、季節は10月から11月前半までがおすすめ。詳しくは現地の状況を確認してからお出かけになってください。
フィッシングランド阿寒
- 住所:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目5-10
- ウェブサイト:フィッシングランド阿寒
歴史ある温泉郷を流れる箒川
本州にも紅葉を眺めながら渓流釣りを楽しめる河川があります。宮城県の荒雄川(あらおがわ)、栃木県の箒川(ほうきがわ)、群馬県の神流川(かんながわ)などがありますが、なかでも釣り場が広く、ダイナミックな景色の中でサオを振れるのが箒川です。
箒川は那須塩原市の塩原温泉地内を流れており、2014年からニジマスのキャッチ&リリース区間を設けていて、大型のニジマスを定期的に放流しています。釣り方はやはりルアーフィッシングまたはフライフィッシングになりますが、周辺は紅葉の名所としても知られているエリアで、例年、10月下旬から11月中旬にかけて紅葉の見頃を迎えます。釣りは紅葉シーズンはもちろん、そのあとも楽しめます。
釣りを終えたあとは、開湯1200年の歴史を誇る塩原温泉に入るのも楽しみの1つ。夏目漱石や谷崎潤一郎といった文人墨客が訪れたことでも知られる由緒あるお湯をぜひ楽しんでみてください。釣りの詳しい情報は塩原漁協のウェブサイトで確認できます。
塩原漁業協同組合
- 住所:栃木県那須塩原市中塩原310
- ウェブサイト:塩原漁業協同組合
秋以降もアマゴが釣れる物部川
高知県の東部を流れる物部川は、全国的に珍しい紅葉シーズンにアマゴ釣りが楽しめる川です。通常、アマゴ、ヤマメ、イワナといった日本産の渓流魚は、産卵期が秋のため、10月以降は禁漁になります。しかし物部川の上流部では、これまで試験的に特別採捕の形で秋も釣りが許可されており、その効果が検証されてきました。
その結果、秋から冬にかけても、禁漁にするより釣りを許可したほうが、釣り人が川に入ることでカワウによる食害などを予防できるといった知見が得られ、ルアーフィッシングやフライフィッシングによるキャッチ&リリースで、アマゴ釣りができるようになっています。
なお、高知の紅葉シーズンは本州に比べると遅く、例年、11月上旬から下旬にかけてが見頃です。また、物部川で秋から冬にかけてのアマゴ釣りが楽しめるのは、本流および桑ノ川・則友川の定められた区間になります。釣り場の詳しい案内は、物部川漁協のウェブサイトに掲載されていますので、事前に確認のうえお出かけになってください。
物部川漁業協同組合
- 住所:高知県香美市土佐山田町山田1865番地
- ウェブサイト:物部川漁業協同組合
協力:つり人社
- 記載の内容は2025年10月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
