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冬の味覚の代表格として、多くの方が思い浮かべるのがカニ。タラバガニ、ズワイガニ、毛ガニの三大ガニが揃う旅先といえば北海道です。北海道では、地域によって旬や漁の時期が異なるため、通年でカニが味わえるのも魅力です。オホーツク海や日本海などで漁獲され、ぎっしり詰まった身は食べ応え抜群です。
広大な北海道ですが、冬の大自然を体感する旅なら、道北や道東（オホーツク海側）へ。礼文島や利尻島、稚内、網走、紋別などでは、雪と氷がつくり出す雄大な景観に出会えます。一方、札幌や小樽のある道央、函館のある道南では、雪まつりやイルミネーション、夜景など文化的な冬の魅力が満載です。

上越・中越・下越、そして佐渡。エリアごとに異なる魅力を持つ新潟は、雪景色の美しさと日本海の恵みを味わえる旅先です。なかでも冬の海の幸を味わうなら佐渡へ。島の冬の風物詩といえば、寒ブリです。ブリは成長するほど、そして冬になるほど脂がのり、旨みが増します。その脂ののりは回遊ルートによっても違い、北の寒流域まで回遊するブリほど脂質が多いと言われています。佐渡では、11月から1月にかけて最もおいしい時期を迎えます。日本海側では、雪が降る前に鳴り響く雷を「雪起こし」と呼び、佐渡ではこの雷を「ブリ起こし」というそうです。この雷鳴こそが、寒ブリ漁の始まりの合図で、冬の訪れを告げる音でもあります。

日本屈指の豪雪地帯として知られる秋田。白銀の世界に包まれた温泉で体をあたため、静かな時間をゆったりと過ごす、そんな冬ならではの贅沢が楽しめる場所です。

雪深い秋田を訪れたなら、ぜひ味わいたいのが郷土料理「きりたんぽ鍋」。秋田と聞いて真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。炊いたごはんをすり潰し、棒状にした「たんぽ」を香ばしく焼き上げ、ゴボウや長ネギ、セリといった野菜、鶏肉などとともに煮込む鍋料理は、外の寒さを忘れさせてくれるようなほっこりさがあります。発祥の地は大館・鹿角地方といわれ、今も地元の味として多くの方に親しまれています。

本州最西端に位置し、瀬戸内海と日本海の2つの海に面する山口県。幕末から明治維新にかけて多くの志士たちを輩出し、日本酒「獺祭」が育まれる地としても知られています。海の幸にも恵まれ、歴史と文化が息づく風景にも出会えます。

そんな山口県の冬の味覚といえば、下関のフグを思い浮かべる方も多いと思いますが、実は全国有数のアンコウの水揚げ地でもあります。アンコウの旬は11月から3月頃。冬は産卵期に向けて栄養を蓄えるため、肝が大きくなり、身にもほどよく脂がのるそうです。アンコウは、体のほとんどを余すことなく食べられる魚。一般的に「柳肉（身）」「皮」「肝」「えら」「ひれ（トモ）」「卵巣（ぬの）」「胃袋」の七部位を「あんこうの七つ道具」と呼び、それぞれ異なる食感と旨みが楽しめます。

都会のにぎわいと自然のやすらぎがバランスよく共存し、訪れる方を食の豊かさで迎えてくれる福岡。玄界灘で水揚げされる新鮮な魚介や、博多のもつ鍋、明太子など、活気あふれる食文化が旅の主役になることも。

寒い季節に恋しくなるのが、心まであたたまるもつ鍋です。ぷりぷりのもつに、甘みを増したキャベツやニラがよく合い、食欲をそそります。締めには、旨みが凝縮したスープに太めの麺を入れて味わうのが定番だそう。県内には、個性豊かな名店が数多くあり、寒い夜に湯気の向こうで笑顔がこぼれる、そんなひとときを楽しめます。

坂の町・長崎は、冬になると港を彩るイルミネーションがきらめき、異国情緒あふれる街並みがいっそうロマンチックに映ります。トルコライスや長崎ちゃんぽん、皿うどん、佐世保バーガー、カステラなどの名物も豊富です。

近年はトラフグの全国有数の養殖地としても知られる長崎県。淡白ながらも旨味がぎゅっと詰まったトラフグは、刺身や唐揚げなど、さまざまな料理でそのおいしさを楽しめます。なかでも寒さが深まる冬に恋しくなるのが、心まであたたまるフグチリ鍋。フグや旬の野菜を楽しんだら、旨味が染み込んだ雑炊で締めくくる。そんな一椀から、長崎の海の恵みを感じることができます。

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