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掲載日:2023.09.28

福井県「セイコガニ」文豪が愛した日本海のカニを食す

都に豊富な食材を届ける土地として、古代から「御食国(みけつくに)」と呼ばれてきた福井県。目の前の日本海からは今も豊かな海の幸が水揚げされますが、冬は一年でも特別な食材が楽しめ、名だたる著名人も魅了してきました。

食通もうならせた日本海の冬の味覚

地域によりさまざまな名前で呼ばれるズワイガニ。その中でも「越前がに」は味のよさで知られる

日本海の冬の味覚といえば「越前がに」です。毎年11月に入ると漁が解禁になり、産地である福井県の漁港(越前漁港、三国港、敦賀港、小浜港など)は一斉に活気づきます。「越前がに」とは、オスのズワイガニのこと。この種はオスとメスでサイズが大きく違い、漁獲されている地域の多くでは、雌雄で別の呼び方がされています。

越前町の旅館「こばせ」で提供されている開高丼はセイコガニを使う

今回紹介するのはメスのカニです。こちらは福井では「セイコガニ」と呼ばれ、大きさはオスに比べて小さくなりますが、濃厚なミソ(卵巣・内子)と卵(外子)があり、オスにはない味わいを楽しめます。内子は甲羅の中にある卵巣内の未成熟な卵のこと、外子は腹に抱えられた粒状の卵のことですが、特に内子はセイコガニ最大の旨味の元といわれます。

セイコガニの漁ができるのは、例年11月6日~12月31日の2カ月間のみ。資源保護のためで、セイコガニは2月頃から産卵を始めるため、オスよりも先に禁漁になります。そして、このセイゴガニをこよなく愛したのが、『食の王様』などの著書があり、食通としても知られる文豪の開高健でした。

現在、開高丼はコース料理や他の料理と合わせてのみの注文となる

開高は福井で味わった、旬のセイコガニ(特にミソ)をたっぷりと使った丼を絶賛しました。その逸品は地元の老舗旅館「こばせ」のオリジナルで、今も「開高丼」として提供されています。現在はコース料理内や他の料理と合わせた注文のみですが、セイコガニの内子、外子、カニの身、すべてがたっぷりと盛られる贅沢な丼は圧巻。一度は味わいたいと全国から食通が訪れます。なお、開高丼は同店のオリジナルですが、「越前セイコガニ丼」は他の店舗でも提供があります。ただし、いずれも食べることができるのは、セイコガニの漁期に合わせた例年11月上旬~12月末までです。

ふるさとの宿こばせ

カニ漁を疑似体験できる「越前がにミュージアム」の人気シミュレーター

ちなみに現地で越前がに・セイコガニを味わったら、立ち寄ると面白いのが越前町の「越前がにミュージアム」です。越前がにの生態が大画面で見られるシアター、越前がにの漁を出船から帰港まで体験できるリアルなシミュレーターなど、ユニークな学び体験が用意されていて、大人はもちろん、お子様も楽しめます。

越前がにミュージアム

  • 住所:福井県丹生郡越前町厨71-324-1
  • TEL:0778-37-2626
  • 営業時間:9:00~17:00
  • 休館日:火曜日 ※
  • ウェブサイト:越前がにミュージアム
  • 夏休み期間中は無休、11月~3月は第2・4火曜日休館
越前海岸の漁火温泉から望む夕日。潮騒も聞きながらゆったりと湯につかれる

そして冬の福井で味わえるグルメは、越前がにだけではありません。越前かれい、若狭ふぐ、ハタハタ、ブリ、ヤリイカといった豊富な海の幸も、同じ時期に旬を迎えます。それらもじっくり味わうなら、日本海に沈む美しい夕日も眺められる、漁火温泉、三国温泉、波の華温泉などの越前海岸の温泉地に宿を取るとよいでしょう。

冬の福井で、ぜひ素敵な時間を見つけてください。

協力:つり人社

  • 記載の内容は2023年8月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
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