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    掲載日:2023.12.20

    週末ソウルの旅:拠点を決めて「したいこと」をじっくり楽しむ2DAYSプラン

    羽田空港から片道2時間半、時差もない韓国ソウルの週末旅が人気です。ソウル市内の各エリアの特徴をつかんで、自分の「したいこと」にフォーカスするプランを立てれば、週末の2日間でも十分満足できる旅となるでしょう。各ジャンルおすすめの、拠点エリアと土日のプランをご紹介します。

    拠点を決めて「したいこと」にフォーカスするのが週末旅のコツ

    羽田空港からソウル最寄りの仁川(インチョン)国際空港、金浦(キンポ)国際空港までは片道約2時間半。時差もなく、週末海外旅行が気軽に計画できる近さです。土曜の朝一番の便で発てば、昼前にはソウルへ到着できますし、ANAでは早朝から夜まで便の選択肢が多いので、金曜日の夕方または夜の便で出発し、土曜日は午前中から行動するプランも可能でしょう。

    独特な食文化や伝統文化、世界の最先端をいく美容、日本国内でも人気が高まってきている韓国ファッションなど、さまざまな魅力のあるソウル。満足度の高い週末旅をしたいなら、エリアの特徴と自分の興味を上手くマッチさせるプランを組むのがおすすめです。

    今回は拠点となるエリアを決めて、「したいこと」にフォーカスする週末(土曜日と日曜日)の旅のアイデアを「食」「美容」「韓国工芸」「ファッション」の4つのジャンルでご紹介します。

    今も昔も食の中心地、鍾路(チョンノ)拠点に韓国グルメ食べ尽くし

    朝鮮時代から商業で栄えた鍾路(チョンノ)は現在もビジネスマンや商人など、このエリアで働く人々でにぎわうソウルのメインストリート。通り沿いのビルにはたくさんの食べ物ののぼりや看板、路上では野菜の台車販売、屋台でスナックを売るお店など、鍾路(チョンノ)周辺を少し歩けばここがソウルの食の中心地であることがわかります。鍾路3街(チョンノサムガ)駅や鐘閣(チョンガク)駅周辺には老舗のレストランや食堂、屋台のほか韓国各地の有名店など、さまざまな飲食店が集まっており、幅広い食のニーズを受け止める懐の深さも。また、100年の歴史を持ち、人々の生活を支え続ける「広蔵市場(クァンジャンシジャン)」をはじめ、多くの市場が集まるエリアでもあり、鍾路(チョンノ)はソウルの食を思う存分楽しむにはうってつけの拠点といえるでしょう。

    地元の方や観光客でにぎわう「広蔵市場(クァンジャンシジャン)」

    そんな鍾路(チョンノ)で「食」を満喫する旅の初日、まずランチにおすすめしたいのが「韓定食」です。プルコギや焼き魚などメインとなる料理や、キムチやナムル、チヂミなどの副菜がずらりと並べられ、韓国の家庭の味を一度に味わうことができるので、味覚が一気に韓国モードに。グルメ旅のスタートを飾るにふさわしい食事になるでしょう。

    ディナーは「鐘路3街(チョンノサムガ)焼肉通り」で焼肉が王道。「味カルメギサル専門」などの人気店をはじめたくさんの焼肉店が軒を連ね、路地の雰囲気と夜風を感じながら食べる焼肉はソウルならではの食体験です。

    「韓定食」。お店によって出されるおかずの種類などはさまざま
    写真提供:韓国観光公社
    美味しい匂いが立ち込める「鐘路3街(チョンノサムガ)焼肉通り」

    鍾路(チョンノ)エリアの食が充実しているのは市場が近く新鮮な食材が手に入りやすいことが理由の一つだそうです。翌日は、そんなソウルの食の中枢、在来市場の中でも最も歴史のある「広蔵市場(クァンジャンシジャン)」へ行ってみましょう。まずその規模の大きさに驚くはずです。市場の楽しみはなんといっても食べ歩き。「ピンデトッ」(緑豆をひいた生地に野菜や肉などを入れて焼いた韓国版お好み焼き)、「カルグクス」(煮干しや牛、鶏などのダシに塩味をつけたスープにゆでた麺をいれたもの)、「コマキンパ」(甘辛なお肉や野菜が入った一口サイズの海苔巻き)など、目移りするほど魅力的な屋台飯の数々や、ユッケ専門店の集まる通称「ユッケ通り」などの専門街も。朝食、昼食などという概念は忘れ、お腹の許す限り楽しめるのは食べ歩きの醍醐味。気になったものは手当たりしだいいただきましょう。

    もちろん屋台だけではなく、食材の専門店も集まる広蔵市場(クァンジャンシジャン)には、魅力的な食材も豊富にそろいます。しぼりたてのごま油、ひきたての唐辛子粉、韓国海苔、干し鱈、棗(なつめ)などはお土産にもぴったり。帰りの飛行機の時間までじっくり市場を散策しましょう。

    ビジュアルから食欲を刺激する市場の食べ物

    韓国美容の最先端、江南(カンナム)を拠点に身も心も美しく整える

    韓国といえば美容、そんなイメージを持っている方も多いと思います。世界からも注目される韓国ビューティーをけん引するのが、今ソウルで栄えているエリアの一つでもあり、美容関連のお店やクリニックが集まる江南(カンナム)です。常に最先端の美の技術や情報が更新される江南(カンナム)を拠点に選べば、心も身体も美しく整える旅ができるでしょう。男性の美容への意識が高まっていることもあり、男性向けのサービスや美容アイテムも豊富にそろうので、夫婦やカップルの旅にもおすすめです。

    漢江(ハンガン)にかかる蚕室(チャムシル)鉄橋と江南(カンナム)の高層ビル群

    上質なリラクゼーションの時間を中心に韓国の美を体験する旅にしたいなら、スパやエステなどのサービスが充実しているホテルを拠点にするのが定石。江南(カンナム)には「JW マリオット ホテル ソウル」や「インターコンチネンタル ソウル COEX」、「パーク ハイアット ソウル」など、クオリティが高く、また信頼できるサービスを提供するホテルが集まっており、予算やプランに合わせた選択肢も豊富。旅の初日は、ホテルのサービスを中心に据え、心と体のリフレッシュに努める、そんな過ごし方はいかがでしょうか。例えば、韓国式マッサージで体をほぐしたあと、夕食はレストランでサムゲタンを。夜はサウナでじっくり体をあたためる……日頃の疲れを癒すフルコースを堪能しましょう。

    美容効果だけでなく、健康を意識した癒し効果も考えられている韓国エステ

    すがすがしい朝を迎えた翌日は、コスメなど美容アイテムショッピングに繰り出しましょう。江南(カンナム)の大通り、江南大路(カンナムデロ)の江南(カンナム)駅、新論峴(シンノニョン)駅の周辺には、「Olive Young」と「CHICOR」など人気のショップが。江南大路(カンナムデロ)をもう少し北へ新沙(シンサ)駅のほうまで足を延ばせば、今話題の「TAMBURINS」や「NONFICTION」があり、韓国コスメのトレンドを一挙に体験できます。コスメを自由に試せるコーナーも充実しており、時間を忘れて没頭してしまうこと間違いありません。日本未発売のブランドを発掘するもよし、お土産にかわいいパッケージの韓国コスメを選ぶもよし、さまざまなコスメの楽しみ方ができるのは、美容への関心が高い韓国だからこそでしょう。

    個性的なパッケージの韓国コスメはお土産にもぴったり

    伝統文化を残し伝える街、仁寺洞(インサドン)を拠点に韓国工芸の一品に出合う

    韓国の生活のなかで生まれた実用的なフォルム、素朴さのなかにも感じられる華やかさ、韓国の工芸品は日本でも根強いファンが多く、近年その関心は高まっていると聞きます。工芸に興味のある方におすすめのエリアは、明洞(ミョンドン)まで徒歩圏内とソウルの中心地でありながら文化地区として昔の面影を残し、韓国の伝統文化を現代に伝える街、仁寺洞(インサドン)です。古美術、書画、骨とう品や陶磁器など韓国の工芸をあつかう店が並び、博物館や美術館も豊富なエリア。通りから延びるいくつもの路地には伝統的家屋である韓屋(ハノク)が多く残っており、路地に入ったとたんに広がる別世界はまるでタイムスリップしたかのような感覚に。伝統が息づくこの仁寺洞(インサドン)を拠点に、韓国の歴史に触れつつ、韓国工芸の特別な一品を探す旅はいかがでしょうか?

    昔ながらの街並みが残る仁寺洞(インサドン)の裏通り

    旅の初日、街並みを散策しつつ、仁寺洞(インサドン)通りを抜けて目指すのは「ソウル工芸博物館」。2021年に開館した韓国で最初の公立工芸博物館で、高麗時代や朝鮮王朝時代から現代まで幅広い時代や分野の3万2千点余りの工芸品と工芸資料を収集・保有し、展示しています。工芸史や織物工芸に関する常設展示や伝統を受け継いだ現代の作家の作品も見ることができる、まさに工芸文化の復興を目指しソウル市が力を注ぐ旬のスポット。韓国工芸の全体像を知るとともに、明日の買い物に向けた予備知識もしっかりインプットしましょう。近所には、朝鮮王朝の4大王宮のうちの2つ、景福宮(キョンボックン)、昌徳宮(チャンドックン)があるので、まだ見たことがない方はそちらも回ってみるとよいでしょう。

    「ソウル工芸博物館」織物工芸の常設展示の様子。美しいポジャギ(大切なものを包んだり、包装などに使われてきた布)に心奪われる
    写真提供:ソウル工芸博物館

    翌日はいざ、韓国工芸を扱うお店やギャラリー巡りへ。博物館で養われた感性を頼りに、自分のための、特別な一品を探しに行きましょう。日常的な使いやすさと美しさを兼ね備えた若手作家による陶磁器、現代風にアレンジされたポジャギなど、伝統を尊重しつつも新しい価値観によって捉えられた作品も多く、ギャラリーやお店がひしめくこのエリアだからこそ出合うことができる作品もあるでしょう。仁寺洞(インサドン)には韓屋(ハノク)を改装した飲食店もたくさんあり、伝統茶が飲めるカフェなどで買い物途中のリフレッシュが楽しめるのもこのエリアならではです。

    若手作家の作品を中心に紹介している仁寺洞(インサドン)の人気のギャラリー「工藝 長生壺(コンイェ ジャンセンホ)」
    写真提供:공예 장생호

    ソウル工芸博物館(ソウルコンイェパンムルグァン)

    工藝 長生壺(コンイェ ジャンセンホ)

    トレンドをけん引する聖水洞(ソンスドン)を拠点に韓国最新トレンドショッピング

    海外コレクションへの参加も年々増え、世界的ブランドも生まれつつある韓国ファッション。素材やパターンにこだわり、シンプルで洗練されたものが多い韓国ブランドは、すんなりと日常に溶け込んでくれるので、日本国内でも年齢を問わず人気が高まっています。そんな韓国を代表するブランドが集まるのが聖水洞(ソンスドン)です。もとは製造業中心の工業地帯でしたが、再開発により工場や倉庫を改装したカフェやショップ、ギャラリーなどが作られていき、ファッションのみならず、今や韓国のトレンドをけん引するエリアに。ファッション、インテリア、雑貨、レストラン、カフェなど、感度が高いショップが集まる聖水洞(ソンスドン)を拠点に、韓国トレンドショッピングへ出かけましょう。

    コンテナで作られたショッピングモール「UNDER STAND AVENUE(アンダースタンドアベニュー)」。ファッション、インテリア、雑貨、レストランなどのお店が集まる

    初日は、気になっていたショップを目指してプランを組むのもいいですが、もし聖水洞(ソンスドン)を初めて訪れるなら、まずは「大林倉庫(テリムチャンコ)」と「LCDC SEOUL」へ行ってみましょう。精米工場をリノベーションして作られた「大林倉庫(テリムチャンコ)」には、カフェとギャラリーが併設され、店内にはたくさんのアート作品が飾られるなど、古い施設の雰囲気を活かして独特の空間を作り上げている聖水洞(ソンスドン)のランドマーク的存在。また「LCDC SEOUL」は自動車整備工場をリノベーションした、ファッション、雑貨、コスメ、カフェなどの集合体で、さまざまな人気ブランドを一挙に見ることができ、韓国トレンドを俯瞰できる複合施設。いずれも、聖水洞(ソンスドン)の旅の始まりにぴったりのスポットです。また、カフェ文化が盛んな韓国の中でも、このエリアは特に個性的なカフェやレストランが多いことでも知られており、ショッピングの合間の休憩や食事も存分に楽しむことができます。

    聖水洞(ソンスドン)のアイコン的存在「大林倉庫(テリムチャンコ)」
    10店舗以上の個性的なお店が集合する「LCDC SEOUL」
    写真提供:에스제이그룹

    2日目も続けてショッピングを楽しめるほど、見どころの多い聖水洞(ソンスドン)ですが、ゆっくりしたいなという人は、街の西側に広がる「ソウルの森公園」まで歩いてみるのもいいでしょう。芝生が広がる「家族広場」に、カフェでテイクアウトしたサンドイッチやコーヒーを持ち込んで地元の方たちに混じってピクニックもまた一興です。

    晴れた日にはピクニックも気持ちいい「ソウルの森」の「家族広場」

    LCDC SEOUL

    • 住所:ソウル特別市ソンドン区ヨンムジャン17ギル10
    • 서울 성동구 연무장17길 10
    • 10, Yeonmujang 17-gil, Seongdong-gu, Seoul
    • ウェブサイト:LCDC SEOUL

    プラスアルファでデパートに立ち寄れば、次の旅のヒントが見つかるかも

    「ロッテ百貨店(ペックァジョム)」、「新世界百貨店(シンセゲ ペックァジョム)」などの老舗から、2021年にオープンし人気観光スポットにもなっている「ザ・現代(ヒョンデ)ソウル」など、ソウル市内にはたくさんのデパートがあります。多くが駅から直結していてアクセスしやすく、「したいこと」にフォーカスしたプランのプラスアルファとしても立ち寄りやすいスポット。食べ物や美容関係、ファッション、雑貨などのお店がそろい、良質な商品をまとめて見ることができるので、お土産は百貨店で購入するという方も多いようです。少し時間に余裕があったら、ぜひデパートをのぞいてみてください。思いがけない出合いが次の韓国旅のヒントになるかもしれません。

    明洞(ミョンドン)のロッテ百貨店
    • 記載の内容は2023年11月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。

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