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掲載日:2025.05.19

MPC(モバイル・パスポート・コントロール)アプリでアメリカの入国審査を快適に

海外へ行くときに必ず必要になるのが入国審査。審査待ちの行列に並ぶのが通例ですが、最近では多くの国で混雑緩和のためのさまざまな施策が講じられています。今回はアメリカ入国の際におすすめのMPC(モバイル・パスポート・コントロール)というアプリをご紹介します。

アプリで簡単手続き。専用レーンが利用できる「MPC(モバイル・パスポート・コントロール)」

みなさんは「MPCアプリ」をご存知でしょうか?実は年に1〜2回はアメリカ出張をしている筆者も知らなかったのですが、このアプリがあるとアメリカ入国の際の入国審査で専用レーンを通れるので、待ち時間を大幅に軽減することができるのです。無料でダウンロードでき使い方も簡単なので、次の渡航にはぜひご利用することをおすすめします。

「今のところまだ(MPCアプリの)専用レーンを利用している方は少ないので、スムーズに入国できている印象があります」(サンフランシスコ空港 運送マネージャー 飛田さん)

入国審査ではおなじみの風景。この行列がなかったらと何度想像したことか…

MPCとは、モバイル・パスポート・コントロールの略称で、入国や税関審査に必要な情報をアプリ上で事前登録することで、アメリカ到着時、MPC専用の入国審査レーンを利用することができます。入国プロセスが簡単になり、待ち時間も軽減できる便利なアプリです。

本サービスは、2023年12月にビザ免除プログラム旅客まで対象が拡大され、ESTA認証※による渡航が2回目以降の方であれば、どなたでも利用することができます(ESTAは別途申請が必要です)。始まって間もないこと、また日本語版に対応したのも2024年ということもあり、このシステムが日本において広く知られるのはこれからのようです。

  • ESTA認証とは、ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program/VWP)を利用する際、事前にオンラインで申請し、認証を得るシステムのことです。日本を含む対象国の方が90日以下の短期商用・観光の目的で渡米する際に申請が義務付けられています。

手続きの流れ

Step1:出発前にMPCのアプリをダウンロード

Step2:出発前に渡航に関する基本情報を入力(詳しくは操作ガイドを参照)

Step3:アメリカ到着後に自分の顔写真を撮影して登録(詳しくは操作ガイドを参照)

Step4:専用のレーンで入国審査を受ける

空港によってはいつも数時間並ばなければならない入国審査カウンターまで、かなり早く到達することができます。乗り継ぎのある方、旅行や出張で少しでも時間を確保したい方には最適です。

家族旅行など、複数人で旅行する場合は代表者がまとめて申請することができます。出発前、時間がある時にStep2まで入力が完了していれば、現地到着後は全員分の顔写真を登録するだけ。もちろん日本語の指示に沿って入力すればよいのでとてもスムーズです。

MPCアプリで入国審査を受ける最大のメリットは、長蛇の列になりがちなアメリカの空港でとにかく時間の節約になることです。筆者も入国の時の、あの長い列によって到着日当日のアクセスや予定が大きく変わってしまったことが何度かあるので、このMPCには心から期待しています。

注意する点としては、使用できるのがESTAの申請が2回目以降の方であること、アプリにはアメリカ入国の都度、情報を入力すること、到着後すぐに通信環境を整える必要があること(空港のWi-Fiや用意したSIMに切り替えるなど)、があります。また、専用レーンに掲げられるMPCの案内表示やカウンターの位置は空港によって違いがあり、場所によっては誘導の係員がいるそうですが、わからないときにはその他の係員に確認します。

ご出発前に入力方法を詳しく解説した操作ガイドをどうぞご覧ください。

コラム:ビジネスなどアメリカへ行く頻度が高いは「Global Entry」もおすすめ

もうひとつ、アメリカ入国をさらにスムーズにする方法として「Global Entry」があります。こちらは、米国国境警備局(CBP)が提供する入国手続きと税関検査の簡略化・迅速化を図るための事前承認プログラムで、所定の審査(面接)を経て、承認されると5年間有効となります。事前の面接や発行手数料120USD(現在)はかかるものの、承認を得られると入国審査時間の大幅な削減が見込まれます。

さらには、米国運輸保安局(TSA)が提供する「TSA PreCheck®」プログラムも利用が可能となります。アメリカの空港から出発する場合、保安検査場での靴、ベルト、薄手の上着の着脱が不要になるほか、ノートパソコンをバッグに入れたまま保安検査を通過できるので、煩わしさが一気に解消されます。

何度もアメリカに渡航される方、特に一秒たりとも無駄にしたくない忙しいビジネスマンには非常に有効です。

アメリカといえば定番のハワイ、ロサンゼルスやNYから乗り継ぎで国立公園やリゾート、テーマパークへ。よりスムーズな入国審査を利用して、これを機に新たな場所にも訪れてみませんか? 

  • MPCもGlobal Entryも予告なくサービスの内容が変わる場合があります、ご注意ください

MPCアプリの操作手順を確認しよう

ここからはMPCアプリの具体的な操作手順を説明します。

渡航前に済ませておくべき作業は「5:税関申告書の記入」まで。アメリカの空港に到着した後、残りの1ステップを行う流れです。難しい作業はなく、所要時間も数分なので、ぜひやってみてください。

1:MPCアプリのダウンロード

渡航時に持参する、自身のスマートフォンまたはタブレットにApp StoreまたはGoogle PlayからMPCアプリをダウンロードします。

アプリを開いて案内画面に従い操作を続けます。「旅行情報を保存する」は後からでも保存できるので、ここでは「スキップ」を選択して構いません。最後に免責事項を確認し、「同意する」をタップしたらホーム画面が表示されます。

アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる
アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる

2:ホーム画面から入国港の選択まで

ホーム画面で「新たな提出」をタップします。次の「米国への入国方法は?」は「飛行機」を選択。続いて「ご利用のCBPポートは?」はプルダウンから利用予定の入国港を選択し(例えばホノルルならHNLを選択)、「進む」をタップします。

アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる

3:入国者の情報を入力

続いて、「どなたと一緒に旅行されていますか?」ではご自身の情報をアプリ上に保存します。同行者がいる場合は、情報をまとめて保存することもできます。

パスポートが手元にある場合とそうでない場合で入力方法が異なるので、分けて説明します。

パスポートが手元にある場合の入力方法(自動入力)

「どなたと一緒に旅行されていますか?」で「人物を選択する」をタップ。新たに開いた画面で「プラスマーク」をタップ。

「新たな人物の追加方法を教えてください。」のページで選択部分をタップし、「文書をスキャンする」を選択。続いて「スキャナーを開く」をタップすると、カメラが起動するので、ご自身のパスポートの顔写真が入ったページを読み込みます。

自動で情報が読み込まれるので、「名前」「性別」「生年月日」が正しく入力されていること、また「渡航文書」にパスポートが追加されていることを確認したら「完了」をタップ、最後にPIN(数字4桁)を設定したら保存完了です。

(もしスキャンが上手くできない場合は手動で入力してください)

アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる
アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる

パスポートが手元にない場合の入力方法(手動入力)

「どなたと一緒に旅行されていますか?」で「人物を選択する」をタップ。新たに開いた画面で「プラスマーク」をタップ。

「新たな人物の追加方法を教えてください。」のページで選択部分をタップし、「最初からやり直す」を選択。手動でご自身の「ファーストネーム」「苗字」「性別」「生年月日」を入力します。

次に「渡航書類を追加」をタップ。選択画面から「マニュアル入力」を選択すると、パスポート情報を入力する画面になるので、手動で入力します。(「種類」は「パスポート」を選択、「書類番号」の欄には「パスポート番号」を入力してください)

入力が完了したら「保存」をタップ。「渡航文書」にパスポートが追加されていることを確認したら「完了」をタップ、最後にPIN(数字4桁)を設定したら保存完了です。

アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる
アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる

4:そのほかの確認事項(同行者の追加、渡航目的の確認)

登録が完了したら「どなたと一緒に旅行されていますか?」の画面に戻り、同行者がいる場合は同様の方法で登録します。登録が完了したら「進む」をタップ。「セキュリティに関する通知」のページで内容を確認し「同意する」をタップ。

「渡航目的はなんですか?」では、選択部分をタップすると「娯楽」と「ビジネス」が表示されるので、観光の場合は「娯楽」を選択し、「進む」をタップ。

アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる

5:税関申告書の記入

次の「何か申告することはありますか?」では、6つの税関の質問に答えます。特別なことがない限り「いいえ」となる内容です。

すべての質問に答えたら「何も宣言することはない」をタップ。「提出を再確認」のページで内容を確認し、チェックボックスにチェックを入れて「CBPフォームを保存」をタップ。

ここまでが渡航前の準備で、残りの作業はアメリカの空港到着後になります。

アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる

6:空港到着後の手続き

アメリカの空港に到着後、自身のスマホまたはタブレットのデータ通信をON、またはWi-Fiに接続し、アプリを開くと「◯◯Airportに到着しましたか?」と表示されるので、「はい、今すぐ提出します」をタップ。

「旅行者の写真を撮影」に記載の「撮影の注意事項」を参考に、準備ができたら「カメラを開く」をタップ。写真を撮影し、OKであれば「写真を使用」をタップ。

同行者がいる場合は、続いて同行者の写真も撮影します。

アプリの画面を映したスマートフォンの画像が3枚並んでいる

撮影が完了すると「MPC領収書」が発行され(4時間有効)、「MPCレーンに進んでください」と表示されます。MPC専用レーンに進み、パスポートと領収書の画面を提示して手続き完了です。

アプリの画面を映したスマートフォンの画像
  • 記載の内容は2025年3月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
ライター:森井ユカ
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