
食、美容、エンタメ、どのジャンルもトレンドが目まぐるしく変わるソウル。街全体がアップデートし続けているから、いつ訪れても"新しい一面"に出合うことができます。今回は「ととのう旅」をコンセプトに、街中を駆け巡りながらキレイを磨く2泊3日プランをご紹介します。
ソウルを縦横無尽に奔走する「アクティブプラン」
新陳代謝が早くエネルギーあふれるソウルの街は、アクティブ派の方との相性が抜群。否が応でもアドレナリンが放出してしまいます。
ディープな市場巡りにナイトショッピング、お手軽ハイキングと、街中を駆け巡りながらキレイを磨く旅。せっかくの旅行だからこそパワフルに動きたい方は必見です。
1日目:熱気あふれる市場巡り(京東市場〜東大門)
ANAのソウル便は羽田空港~金浦空港間で毎日3便運航。朝一番のANA861便に搭乗すれば金浦空港に11時過ぎに到着するので、午後からたっぷり活動できます。
ホテルに荷物を預けたら、いわずと知れたソウル最大の繁華街、明洞(ミョンドン)へお出かけ。レートのいい両替所が多く並ぶ明洞で両替を済ませたら、明洞らしい"絶景"を拝めるカフェでひと休みしましょう。
2024年にオープンした「pines(パインズ)」は広々としたテラス席を有する景観自慢のカフェ。正面に「明洞聖堂」、遠くに「Nソウルタワー」を望むパノラマの風景は眼福の一言。到着早々旅のギアが一気に上がります。

さて、ソウルらしい景色にパワーをもらったところで、ソウル最大の市場「京東市場(キョンドンシジャン)」に向かいます。その規模は「ここでそろわないものはない」と言われるほどで、広さは東京ドーム2個分!食材をメインに扱う「在来市場」と韓方を扱う「薬令市場(ヤンニョン・シジャン)」に分かれていて、「在来市場」には精肉、水産物、青果などのお店が数えきれないほど並びます。飲食店もたくさんあり、ローカル感を存分に味わえる新館地下1階の地下食堂街や、気軽にサクッと食事できる新館3階のフードコート「ソウルファミリー」がおすすめです。

さらに、よりディープな買いもの体験をするなら、韓国最大の韓薬剤市場「薬令市場」へ。「祭基洞(チェギドン)駅」2番出口を出て左手に見えてくる門をくぐれば、そこが「薬令市場」。どこからともなく韓方の香りが漂います。
美容上級者に人気なのが、韓国伝統の韓方(漢方)パック用のパウダー。美白・保湿ケアのため、さまざまな素材の粉を水やヨーグルトで溶きまぜ顔に塗布する昔ながらのパック法でしたが、近年SNSで再び注目されることに。コスメショップのシートマスクは一通り試した…という美容マニアの方は一度トライしてみてはいかがでしょうか。
そうそう。京東市場に来たら、旧館3階の「STARBUCKS COFFEE 京東1960店」に立ち寄るのもお忘れなく。
1960年代にできた廃劇場をリノベーションして2022年にオープンした店舗で、劇場の雰囲気をそのまま生かしたレトロな内観がオープン直後からたちまち話題に。売り上げの一部が市場のために使われるので、利用することで市場の活性化に貢献することができます。

夜の帳がおりたら、いよいよ買いものモード全開。眠らない街、東大門(トンデムン)のナイトショッピングに向かいます。東大門は国内外のバイヤーでにぎわう問屋市場だから、深夜から明け方までが最もにぎわう時間帯。「DOOTA MALL」や「ミリオレ 東大門店」など巨大ファッションビルが何棟も立ち並び、小売店もあるので観光客も夜通しショッピングが楽しめます。
なかでもぜひ行ってほしいのがアクセサリー卸売の人気店「NYUNYU東大門店」。イヤリング、ピアス、ブレスレット、ネックレスなどのアクセサリーが壁一面にズラリとディスプレイされる女子垂涎のスポットで、何時間でも滞在できてしまうパラダイスです。ほとんどのアイテムがオリジナルデザインで、取り扱う商品数はなんと2万点以上!毎日入荷があるので、行くたびに心ときめくアクセサリーとの出会いがあるはずです。

東へ西へと遊びつくしたら、ホテルに帰ります。アクティブに滞在する今回のプランで、エネルギッシュな滞在をさらに後押ししてくれるホテルが「RYSE, Autograph Collection Seoul by Marriott(ライズ オートグラフ コレクション ソウル バイ マリオット)」です。
このホテルが立つ弘大(ホンデ)はソウル市西部、麻浦区(マポグ)に位置する若者に大人気のエリア。芸術や音楽、ファッションなどのカルチャーのトレンド発信地です。ソウル観光の拠点として一般的に便利なのは明洞や東大門などの繁華街エリアですが、2度目以降のソウル旅や、ソウルの"今"を肌で感じたいなら、滞在拠点を王道からちょっと外してみるのもいいかもしれません。
ロンドンの建築事務所Michaelis Boydが内装を手掛けた「RYSE, Autograph Collection Seoul by Marriott」はピンクの床やコンクリート打ちっぱなしの壁などが個性的で、館内に飾られたモダンアートが映える造りになっています。スイート14室を含む全客室にも韓国内外のアーティストによるアートが配されていて、感性を刺激する滞在になること間違いなしです。

pines(パインズ)
- 住所:ソウル特別市中区明洞キル73, 3F
- 73, Myeongdong-gil, Jung-gu, Seoul
- Instagram:pines(パインズ)
京東市場(キョンドンシジャン)
- 京東市場(キョンドンシジャン)
- 住所:ソウル特別市東大門区古山子路36キル3
- 3, Gosanja-ro 36-gil, Dongdaemun-gu, Seoul
- ウェブサイト:京東市場(キョンドンシジャン)(韓国語)
NYUNYU東大門店(ニュニュ トンデムンジョム)
- 住所:ソウル特別市中区馬場路34, 1~3F
- 34, Majang-ro, Jung-gu, Seoul
- Instagram:NYUNYU東大門店(ニュニュ トンデムンジョム)
RYSE, Autograph Collection Seoul by Marriott(ライズ オートグラフ コレクション ソウル バイ マリオット)
- 住所:ソウル特別市麻浦区楊花路130
- 130, Yanghwa-ro, Mapo-gu, Seoul
- ウェブサイト:RYSE, Autograph Collection Seoul by Marriott(ライズ オートグラフ コレクション ソウル バイ マリオット)
2日目:心と体を解放する絶景ハイキング(駱山公園)
ソウルの街から遠くを眺めると、大小さまざまな山に囲まれていることに気が付きます。市街地から気軽に行ける距離にハイキングに適した山々があるからか、ソウルの方々にとって登山やハイキングは身近なアクティビティ。標高もそこまで高くないので、観光客にもトライしやすいのが魅力です。
とはいえ、専用の装備が必要なコースは準備も大変なので、今回は標高125mの駱山(ナッサン)に整備された「駱山公園」を散策してみましょう。
さまざまなドラマのロケ地としても登場する「駱山(ナッサン)公園」は、山の形が駱駝(ラクダ)のこぶに見えることからこの名前が付けられました。夜のライトアップも美しく、ソウルの方々のデートスポットとしても有名です。公園内にはかつての城郭が残されていて、この城郭沿いを歩けるトレッキングコース「漢陽都城(ハニャントソン)キル」が設けられているので、本格的に歩いてみたい方はぜひチャレンジしてみてください。「駱山公園」が含まれるコース、駱山(ナッサン)区間は高低差も少なく歩きやすいのでおすすめです。

公園散策で心地よい疲労感を得られたら、カフェで休憩を。公園から徒歩10分ほどの場所にある「TERTRE CAFE(テルトゥルカペ)」は高台からソウルの街並みを望む展望カフェ。大きなガラス張りのお店の正面には「Nソウルタワー」と先ほど訪れた漢陽都城の城郭の景色が広がり、何枚でもシャッターを切ってしまうほど。余計なものを削ぎ落した無機質なインテリアが、窓から見える景色の美しさを引き立てます。自家製のクロワッサンやロータスのあんバターサンドを頬張りながら、しばし絶景に見惚れましょう。

いよいよ2泊3日の最後の夜。気分を盛り上げるべく、韓国らしさ全開のサムギョプサルの人気店へ向かいましょう。「ととのうソウル旅」でサムギョプサルとは趣旨から外れているのでは…?と疑問の声が上がりそうですが、弘大入口(ホンデイック)駅から徒歩5分ほどの「プルトゥンヌンテジ」でいただけるのは、"ミナリサムギョプサル"。ミナリとは韓国語で芹(セリ)のことで、束になった芹を焼けた三枚肉にぎゅうぎゅう押しつけて爽やかな香りを肉に移します。三枚肉だけど、大量の芹とともに食べるからヘルシー。罪悪感もゼロです。
人気店で行列必至なので、覚悟のうえお出かけを。お店があるのは弘大の近くの注目エリア、延南洞(ヨンナムドン)なので、ウェイティング登録したら街を散策してみるのもいいかもしれません。

駱山公園(ナッサンコンウォン)
- 住所:ソウル特別市鐘路区駱山キル54
- 54, Naksan-gil, Jongno-gu, Seoul
TERTRE CAFÉ(テルトゥルカペ)
- 住所:ソウル特別市鐘路区 駱山5キル46
- 46, Naksan 5-gil, Jongno-gu, Seoul
- Instagram:TERTRE CAFÉ(テルトゥルカペ)
プルトゥンヌンテジ
- 住所:ソウル特別市麻浦区 東橋路32キル7
- 7, Donggyo-ro 32-gil, Mapo-gu, Seoul
- Instagram:プルトゥンヌンテジ
3日目:肌管理の後はご褒美ショッピング(狎鴎亭~江南)
いよいよ最終日。帰国前にしっかり体の中からととのえるため、朝食選びにこだわりましょう。牛筋、胸肉、内臓、そして牛の骨を使って煮込んだコムタンスープは、体をいたわりたい時や二日酔いの時に食べる韓国の定番メニューです。
狎鴎亭(アックジョン)駅から徒歩10分の「味南屋(ミナモン)」は食通で知られる歌手ソン・シギョンさんのYouTubeで紹介され、注目を集めた実力派のお店。名物のコムタンスープは見た目からは想像できないほど奥深い味わいで、食べ進める手が止まりません。それもそのはず。使用する牛肉は韓牛の最高ランクである1++や1+のみなので、肉そのもののおいしさが別格。パワーをつけたい時には、通常メニューにたっぷりの薄切り肉を追加するオプションもあり、「あっさり」でも「ガッツリ」でも、どんな使い方もできるお店です。

最終日のToDoの最重要項目といえば、コスメショッピング。時間がない時は「オリーブヤング」などに駆け込むのもいいですが、せっかくなら心と体がととのう、こだわりのコスメをセレクトしたいものです。カロスキルにある「AROMATICA」は韓国発のビーガン&サステナブルコスメブランド。健康な土壌で育った植物から抽出したエッセンシャルオイルを原料に使ったスキンケアアイテムは、肌や体、心のバランスまでもととのえると評判です。

スキンケアアイテムを入手したら、「アクティブに動いてととのう旅」を締めくくるにふさわしい美容スポットへ。「バラギ韓薬局」は伝統美容「韓方」をモダンに生まれ変わらせた韓方薬局。2021年のオープン以来美容通の間で話題になっています。

カウンセリングによるオーダーメイドの処方薬を調合してもらうこともできますが、ハードルが高いと感じる方のために"冷え症"、"美肌"、"睡眠改善"、"ダイエット"など、目的に合わせた天然原料の韓方薬をラインアップ。韓方材を煎じた韓方茶や飲みきりサイズの韓方エキスもあるので、生活にさまざまな形で取り入れることができます。
ソウル旅で購入した"ととのいアイテム"で帰国後もメンテナンスすれば、旅疲れも即解消できるはず。そして再び日常に疲れを感じ始めたら、肌管理のため、心をととのえるため、再びこの地を訪れたくなるに違いありません。
味南屋(ミナモン)
- 住所:ソウル特別市江南区彦州路153キル12
- 12, Eonju-ro 153-gil, Gangnam-gu, Seoul
AROMATICA(アロマティカ)
- 住所:ソウル特別市江南区江南大路162キル41-4
- 41-4, Gangnam-daero 162-gil, Gangnam-gu, Seoul
- ウェブサイト:AROMATICA(アロマティカ)(韓国語)
バラギ韓薬局
- 住所:ソウル特別市江南区鶴洞路81ギル9
- 9, Hakdong-ro 81-gil, Gangnam-gu, Seoul
- ウェブサイト:バラギ韓薬局(韓国語)
伝統とトレンドが混じり合う街で、多彩な楽しみを見つける
羽田から約2時間半で行けるソウルは、行く気にさえなれば国内旅行感覚で行ける最も身近な隣国。それでいて、日本とは全く異なる食や芸術、美容体験ができるから、誰もがヤミツキになるのです。長い歴史が培った伝統的な文化の魅力を、今を生きる韓国の方々が再認識し、それを斬新なセンスで新たな息吹を吹き込む…。ソウルには、新陳代謝し続ける街ならではの面白さが詰まっています。
旅行者のスタンス次第で、エネルギッシュな滞在も、スロウな滞在も叶う街で、あなたはどんな過ごし方をしますか?
今回のプランを参考に、今どんな旅をしたいのか心の声に耳を澄ませてみてください。多面的な魅力を持つソウルだからこそ、十人十色の発見があるはずです。
- 記載の内容は2025年4月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
コーディネーター・画像提供:KLTLAB(Kim min young)