
氷上のレジャーランド
冬のレジャーとして昔も今も、北海道の人々に親しまれている氷上ワカサギ釣り。近年はツアーの人気アクティビティとして定着し、観光客がサオを持つ光景も珍しくなくなった。
厳寒期になればあちこちに銀盤が広がる北海道には、数多くの氷上釣り場があるとはいえ、安心して楽しめるのは漁業組合などが管理しているフィールドだ。そのひとつが、特別天然記念物のマリモが有名な阿寒湖。
何といってもワカサギの魚影が濃いうえ、ビニールハウスやテントの貸し出し数が多く、気軽に釣りを満喫できる。さらにバナナボートや四輪バギー、スノーモービルなどアトラクションが豊富なのも魅力的。冬の氷上はまさに一大レジャーランドといった雰囲気だ。
レンタルテントが並ぶポイントの周りは、ホテルが建ち並ぶ道内有数の温泉街。釣りの前後に観光スポットを探索するのもよいだろう。阿寒湖のある道東エリアは冬でも晴天の日が多いのもうれしい。

近年の開幕は遅れ気味
通常の遊漁期間は1月1日~3月31日。しかし近年は暖冬の影響などで、残念ながら元旦から氷上に乗れる年は少ない。氷の厚さにより閉幕も早まるので、事前に確認してから訪れたい。
釣れるワカサギは6㎝以上のサイズが中心。好釣果が望めるのはシーズン前半とはいえ、産卵を控えたワカサギがねらえる後半も面白い。産卵間際のワカサギは卵をびっしり抱えている。卵のほどよいあまさとプチプチ感はクセになる旨さだ。
手ぶら派におすすめなのは「ワカサギ釣りセット」。釣り具一式(テント、椅子、サオ1本、リール、仕掛け、エサ)と遊漁料込みで1,650円。レンタルテントもビニールハウスも釣り穴は開けられていて、すぐに釣りを始められる。



釣果を上げるコツ
エサのサシを付けたら仕掛けをするすると穴から落とす。ワカサギ釣りの基本はオモリを底に着けて誘う底釣り。オモリが底に着いたら少しリールを巻き、イトを張った状態でアタリが来るのを待つ。イトを張るとアタリが明確にサオ先に出る。ピクピクと小気味よいアタリが伝わったら、間髪入れず軽くサオをあおって合わせる。あとはリールを巻いてワカサギと対面するだけ。朝などアタリが頻発する時間帯なら、この釣り方で数が伸びるだろう。
しかし、日中はワカサギの食いが渋く、アタリがあるのにハリ掛かりしないことも……。そんな状況になったら、底にオモリが着いた状態でイトをたるませるとハリ掛かりしやすくなる。イトがたるんでいる分、エサが口の奥まで入りやすいと考えられる。
釣果を上げる一番のコツは、まめにエサを替えること。ハリに付けたサシをハサミで半分ほどに切り、体液のエキスでワカサギを寄せるのも効果的な方法だ。



夜も盛り上がる
釣りセットには、釣った魚を天ぷらにしてくれるサービスも含まれている。綺麗な湖水育ちのワカサギをぜひ味わってみたい。
氷上は夜もにぎやかだ。例年2月1日~3月2日、東北海道を代表する冬のイベント『阿寒湖氷上フェスティバルICE・愛す・阿寒』が開催(2020年は中止)。期間中は毎夜花火が打ち上げられ、各種アトラクションが実施される。
最低気温が氷点下20℃近くになることも珍しくないが、熱気に包まれた冬の北海道を体験していただきたい。



バナナボートや四輪バギーなど、子どもも楽しめるアトラクションが充実している


シマフクロウの大雪像がメインステージに鎮座する氷上フェスティバルも見逃せない
この釣り場へのアクセス

たんちょう釧路空港からレンタカーを使用し約1時間で阿寒湖
釣り場情報
〈阿寒湖/ワカサギ〉 冬季の遊漁規則
遊漁期間 | 1月1日~3月31日(氷の状況により変動あり) |
遊漁時間 | 日の出~日没 |
遊漁料 | 日券1,100円 |
備考 | 手釣・サオ釣1人2本以内、採捕数制限ワカサギ2㎏以内(大きさの指定なし) |
問合先 | あいすランド阿寒 TEL:0154-67-2057 ※2021年シーズンはコロナ対策がとられているので、その指示にしたがってください |
- 釣り場情報は2021年1月現在のものです。