2022年5月26日
ANAブランド全運航便の運航管理・ダイヤ管理を行うANAオペレーションマネジメントセンター(以下、OMC)では、一便一便の飛行実施計画の作成やイレギュラー時の運航方針策定などを主な業務とし、その名のとおり、ANAのオペレーション全体を一元的にマネジメントしています。その中で、運航の安全性・定時性を確保しながら環境に配慮し、「どの機材」で「どの路線」を運航すると環境への負荷が少なくなるのかという視点で、日々細やかな機材調整を実施し、運航全体の消費燃料を抑制することでCO₂排出量の削減に取り組んでいます。
OMCは羽田空港の第一ターミナルで、1日あたり1,000便近くにのぼるANAブランド全運航便を、24時間体制で管理しています。すべての運航を常時モニターし、悪天候や機材不具合によるイレギュラーが発生した際の運航方針の策定や、その後のダイヤ修正などを行っています。
OMCの業務風景
その中で、OMCのダイヤ管理部門が中心となり、低燃費機材を最適な路線に割り当てる機材調整を行うことで、CO₂の排出削減に取り組んでいます。日々のオペレーションの結果、機材と路線の組み合わせは、変更の連鎖により変化し続けていきます。その中で、ある意味自然に決まった組み合わせのまま飛ばすことも可能で、その方が仕事としてはシンプルですが、CO₂を極力排出しない地球環境に優しいオペレーションができるよう、OMCでは翌日以降の機材と路線の組み合わせを都度見直し、低燃費機材の優先稼働を実施しています。同じコンフィギュレーション(同じ席数・同じ配列)内での機材変更のため、お客様には座席変更のご不便をお掛けすることなく、CO₂排出量の削減に貢献することができます。
ボーイング777やボーイング787のように、機種や型式が異なれば、同じ距離を飛行しても消費燃料に差があることは知られていますが、実は同じボーイング777-300ER型機でもエンジンの燃料の流れや機体が受ける抵抗は一機ごとに違いがあり、燃費性能に差があるのです。一般的には、使用年数や累計航行距離が長い機材ほど燃費は悪くなりますが、エンジン内部を洗浄するウォーターウォッシュ作業やエンジンそのものの交換を実施することで燃費性能の改善につながり、それぞれの機体の燃費性能には、常に差があります。
この機体ごとの燃費性能は毎月の飛行データから算出され、一便一便の適切な搭載燃料量が飛行実施計画に反映されています。OMCではこの燃費性能の差を活用し、低燃費の機体を優先的に稼働させたり、より長い路線に割り当てることで、CO₂の排出削減に取り組んでいます。
例えば、羽田空港発ニューヨーク行きの便と羽田空港発ロサンゼルス行きの便があり、同じボーイング777-300ERの機材を使用するとします。ロサンゼルス行きの便に低燃費の機材が割り当てられている場合、より長距離のニューヨーク行きの便と機材を差し替え、ニューヨーク行きの便に低燃費の機材を割り当てることで、全体としてのCO₂排出量が削減できるのです。
機材変更によるCO₂排出量の削減を示した図
この使用機材と路線のアサイン最適化により、国内線では年間約1,300トン、国際線では年間約2,000トンのCO₂排出量削減に貢献しています。
ANAオペレーションマネジメントセンター オペレーションマネジメント部の森田さんにお話をうかがいました。
何がきっかけでこの取り組みを始めたのですか?
2020年にコロナ禍が始まった頃、計画減便により、これまでの正面業務であったイレギュラー対応やダイヤ修正の業務量が激減し、業務環境が大きく変化した事がきっかけです。
この取り組みで日々どのような困難がありますか?
時に、航空のオペレーションは生き物に例えられることがあります。人がいくら先を読んでいても、天候はそれを嘲笑うかのように、人の予想・予測をいとも簡単に超えることがあり、まるで別の「生き物」のように、人間にコントロールが出来ないことがオペレーションにはあるということの例えです。
この取り組みについても、その点は例外なく不可避です。機材と路線をベストに組み直した次の瞬間に、その組み合わせを変更せざるを得ない状況(悪天候に起因するダイヤの遅延回復や、整備計画のための機材変更など)が発生することも多々あり、この計画とおりに運航できる確率(打率)は6~7割といったところです。計画とおり飛べなかった3~4割を無駄な調整と思わず、モチベーションを高く保ち、ひたむきに努力し続けることが大切だと思っています。この取り組みは、一度調整して終わりではなく、24時間365日のシフトの中で回し続けなければ成果が出ないものですので、そういった「姿勢」「マインド」を持ち続けられるかがポイントになると考えています。
今後の展望を教えてください。
将来的には、航空機が環境に優しい乗り物であることを、世の常識にしたいと思っています。コロナ禍以前の2019年度における日本全体のCO₂排出量(約11億800万トン)のうち、運輸部門が18.6%(約2億600万トン)を占め、そのうちの5%に当たる約1,049万トンが航空業から排出されています(全体に占める割合は1.0%)。「飛び恥」という言葉が生まれる背景には、まだまだ航空機は環境に良くない乗り物だというイメージがあると思いますし、事実、鉄道など他の公共交通機関と比べれば、輸送量あたりのCO₂排出量は多くなっています。このような現実とイメージを変えていくには技術革新も不可欠であり、一朝一夕には成し得ませんが、CO₂削減に待ったなしの今、「すぐにできる」地道な努力をこの記事でより多くの方に知っていただき、航空業界のみならず産業・家庭部門においても、削減の「輪」が広がればと思います。2020年から2030年の10年間が、この先の地球環境の未来を分けるターニングポイントになると言われている中、航空会社として少しでも多くのお客様と地球に優しい運航をこれからも一便一便積み重ねていきたいと思っています。
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・ANA独自の相互利用可能空港(福岡/北九州/佐賀、広島/岩国)は2026年5月18日をもちまして終了となります。
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