1.安全目標
ANAでは、安全管理システム(Safety Management System: SMS)における、安全の達成すべき状態を年度計画に安全目標として設定しています。年度毎の目標および実績については、ANAグループ安全報告書にて公表しております。
2.安全指標(Safety Performance Indicator)による測定
ANAは安全パフォーマンス(実行能力、実績)を監視することで安全リスクの状態を把握します。安全目標の達成度を評価するために安全指標および安全目標値を設定して安全パフォーマンスの推移の把握、安全パフォーマンスの改善を実施しています。なお、それらの手順を安全管理規程付属書に定めています。
3.ANAグループ航空安全・航空保安活動方針
ANAグループでは、航空安全・航空保安に関する活動方針を定め、安全推進活動を行っています。
2025年度は、以下の重点テーマを定め、安全推進・保安強化活動を行います。
1.積極的な安全文化(Positive Safety Culture)・保安文化の醸成
ANAグループ社員一人ひとりの具体的な安全行動につなげるため、積極的な安全文化・保安文化を醸成します。
特に「公正な文化」*¹「報告の文化」*²の醸成にフォーカスし、安全に関する情報提供を奨励し、各人が安全に関する情報を躊躇なく報告できるよう継続的な取り組みを行います。
- *1.公正な文化:誰が関与したものでも、不都合な要因が潜んでいても放置されることなく真摯に対応できる文化
- *2.報告の文化:良いことも悪いことも安全に関する情報を誰もが躊躇なく積極的に組織へ報告できる文化
2.安全を支える伎倆の維持・確保
基本品質を実現する一人ひとりの技倆に着目し、各部門・各職場にて、教育・訓練や日常業務、組織風土・マネジメントに関する安全/基本品質堅持に向けた取り組みを進めます。
特に安全に関する他者の事例を、社員一人ひとりが自分事として捉え行動につなげられる取り組みや、適切な指導やアサーションを行えるよう心理的安全性を高める組織づくりに取り組みます。
3.変更管理の強化・定着
変更管理*³の強化・定着により、リスクマネジメント力を強化していきます。会社全体で変更管理が「もれなく」「確実に」「効率的に」実施されている状態を目指します。
- *3.変更管理:業務環境の変化、新たな仕組の導入、手順の変更などにより発生するハザードや安全上のリスクを特定・評価し、必要な予防対策を実施するための手法
4.安全リスクマネジメントの進化
グローバルスタンダードを踏まえたリスクマネジメント手法の検証をすすめ、自社の安全情報だけでなく国内外の安全情報から問題を特定することで、未然防止型・未来予測型のリスクマネジメント手法を構築します。
また、国や各エアラインと連携しながら、業界全体で安全性向上を図る管理体制の構築を目指します。
5.国際標準的な保安管理体制(セキュリティマネジメントシステム)の構築
国際情勢の不安定化に伴うリスクの高まりを受けて、保安管理体制のグローバル化ならびに機能強化を推進します。また、航空機の安全運航に資する「航空サイバーセキュリティ」活動を推進し、様々な脅威への対応を強化します。