社外取締役インタビュー

社外取締役 山本 亜土

当社の経営方針や取締役会での議論について印象をお聞かせください。

 ANAホールディングス(株)の取締役会では、毎回活発に議論が交わされています。投資や提携、財務などの案件ごとに意見や質問が飛び交い、社外の取締役・監査役も疑問点については必ず指摘するなど、グループ全体の経営方針と目標を定めるための議決監督機関としての機能がしっかり確立されていると思います。会議で提示される議題は、成長戦略を主軸として意欲的なものが多いと評価しており、この社風を維持しながら、何事にもチャレンジする経営を続けていただきたいと願っています。
 取締役会で取り上げられる課題やテーマには、鉄道会社との共通点が多いように感じます。運輸業界において「安全」を第一に、安心で安定的な輸送サービスを提供することは社会的使命であり経営の基盤ですが、私はANAグループの様々な事業所で「安全」をしっかりと担保する体制が築かれているか、大きな関心を持っています。社外取締役に就いてから、いくつかの現業ライン部門に赴き、業務説明を受けましたが、どの職場の役職員も自らの仕事に誇りと自信を持っているのが感じられ、ANAグループの「安全」の原点を見た気がしました。
 今後の事業展開などについて取締役会で議論する際には、折に触れて私たちの経験を伝えることで、今後の経営の参考にしていただけるのではないかと考えています。

コーポレートガバナンス・コードの策定を受けて、どのようなことに留意していくことが大切だとお考えでしょうか。

 ANAホールディングス(株)は持株会社体制に移行する前から独立性のある複数の社外取締役・監査役を選任しており、その進取の精神が現在も引き継がれているため、コーポレートガバナンス・コードの趣旨に沿った経営体制が着実に整いつつあると理解しています。また、中期経営戦略の発表、IR活動を通した「株主」との対話、社外取締役と社外有識者が過半数を占める「報酬諮問委員会」の設置など、公正かつ公平で透明性を意識した経営にもしっかり取り組んでいると思います。
 ガバナンスとしては社外取締役に女性を選任するなど、ダイバーシティの観点が反映されており、すでに一定程度充実した体制が整っています。今後はそれをグループ社員にも浸透させていくとともに、株主をはじめとするステークホルダーの皆さまにも広くご理解いただくように努めていくことが重要だと思います。

2015年1月に発表した「長期戦略構想」の実現に向け、ANAグループへ期待することについてお聞かせください。

 経営環境がめまぐるしく変化する中、10年後を見据えた「長期戦略構想」により、国際線事業の拡大をドライバーとしながら成長戦略を追求する明確な経営ビジョンを打ち出すことができたと思います。いまやANAグループは日本における航空業界のリーディングカンパニーとなりましたが、海外エアラインとの競争はますます激しくなります。今後も持続的な成長を続けていくためには、持株会社であるANAホールディングス(株)が全体をリードしながら、グループ各社が一丸となって目標に向かって挑戦し続けることが大切です。
 そのためには、将来を見据える経営としての幅広い視野と、社員の皆さんの努力が前提となります。経営がいかなる困難にも果敢に挑戦する強い意志をグループ全体に示すとともに、社員がスピード感を持って経営の意思を実践していくことが重要です。
 航空事業以外でも将来の収益源となるパイロット訓練事業や航空機整備事業(MRO)などの新しいビジネスの育成に取り組んでおり、このような社風を社外取締役の立場から評価しています。これからも世界に飛躍するANAグループの成長に期待しています。