2024/03/15更新

整備士がパイロット訓練生の成長を実感する時

直接教育をしない立場の整備士がパイロット訓練生の成長を実感することがあるの?と思われるかもしれませんが、実はあります。

ANAウイングスでは、2013年頃まで下地島空港でQ400のパイロットの実機訓練を実施していました。
訓練期間中、機体を整備する整備士も交代で入れ替わりながら下地島空港に駐在していました。

訓練中の機体は、タッチアンドゴー(※)など通常とは異なる飛び方をするため、通常よりタイヤの減りが早く、整備士は頻繁にタイヤ交換を行います。
特に訓練初期は訓練数が多いこともあり、タイヤの減りが特に早くなります。
訓練後半になってくると訓練回数も落ち着くため、タイヤ交換の頻度が落ち着いてきます。
整備士は、タイヤを点検しながら「今日は結構訓練したな」「訓練が順調そうだな」「もう少しで訓練も終わりか」と感じることができるのです。
※タッチアンドゴー:滑走路に着陸しても減速せず、再度滑走路から離陸する訓練

また、訓練期間だけ下地島に機体が駐機するため、下地島空港の部品の在庫数には限りがありました。
現在では下地島には宮古島から橋がつながっていますが、当時は宮古島からフェリーで向かう手段しかなく、機体不具合が起こると交換部品が手に入るまで丸2日掛かる状況でした。
そのため、不具合が発生すると訓練に影響が出てしまうため、特に気を付けて点検をしていました。

その後、無事にパイロット訓練生が審査に合格し、副操縦士として定期便で操縦している姿を見て、少しだけお役に立てたかなと親心を感じる整備士がいたわけです。

※写真は2010年の下地島空港での訓練時の写真です。

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