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掲載日:2021.03.30

初心者でも渓流魚に会える「テンカラ釣り」入門【前編】

CAが秋田県米代川の支流でテンカラにチャレンジ

羽田空港から約1時間。
秋田県の大館能代空港周辺には、多くの川が流れています。
今回は、アウトドア派で釣りにも興味津々の2人のCAが、
海外でも人気が高まっている「テンカラ(和式毛バリ釣り)」に挑戦。
東北地方の豊かな自然に囲まれながら俊敏で美しい魚たちに出会います。

今回チャレンジしたCA

山田CA
山田CA

東京都出身。友人と出かけた魚釣りが予想以上に面白く、今はもっといろいろな釣りに挑戦したいと興味が湧いているところ。第1回の海上釣り堀では、マダイのほかに大きなマハタもキャッチ。キャンプや川遊びも大好き

庄村CA
庄村CA

福岡県出身。小さい頃からガールスカウトでキャンプや山登りに親しみ、スポーツも得意。第1回の海上釣り堀ではたくさんのマダイのほか、大きなカンパチも釣りあげた。今回は海と違う川釣りの魅力を知りたいと楽しみに

教えてくれたのは?

石垣尚男先生
石垣尚男先生

愛知県在住。スポーツビジョンの専門家として大学で教鞭をとりながら、テンカラ釣りを愛好。「テンカラ大王」の愛称で、長年にわたりビギナーにも分かりやすいスクールを各地で開催している

「渓流」ってどんなところ?

「澄んで冷たい水が流れる山間の清流

日本には3万本を超えるといわれる川があります。その大きな理由は「山」に恵まれているから。海に囲まれ、多くの山をいただく日本列島は、その土地ごとの峰に雨雲が湧き、地上に落ちた水滴が無数の川となって斜面を下っています。

渓流とは、川の中でも山に囲まれた上流部にある清冽な区間。人の多い平地を流れる中・下流部に比べ標高も高いため、水温が低く、水の透明度も高いのが特徴です。

幾重にも重なった山々と田園地帯に囲まれた米代川本流。釣り場はここから少し山側に入った渓流域です

川魚の中でも、こうした環境を好むのがヤマメ、アマゴ、イワナといった渓流魚です。川で生まれ海に降り、再び川に戻るサケの仲間ですが、氷河期に海が凍って海に降りられなくなった時、一生を冷たい川の上流部で過ごすようになりました。

東北地方は、この渓流魚の生息数が他の地域に比べても非常に多いといえます。豊かな森が残り、釣り人の密度も他の地域に比べれば低いといった恵まれた条件が、そのような環境を生み出しています。そして、姿形も美しい渓流魚を、毛バリ1つでねらえるのがテンカラ釣り(テンカラ)です。

澄んだ水を好む渓流魚が釣りの相手。写真は川底の石に紛れるように泳ぐイワナ
エサは使わず、こんなシンプルな毛バリ1つで魚を釣りあげます

まずは遊漁券を購入

釣りをする時は「遊漁券」が必要

テンカラを含む渓流釣りをする時、必要なものに「遊漁券」があります。海外でも川で釣りをする時は、多くの国で州政府などが発行するフィッシングライセンスが必要ですが、日本も同様に、ほとんどの川ではその川の漁業資源を管理している漁業協同組合(漁協)の遊漁券(入漁券、遊漁証などとも言います)が必要です。

釣りが盛んな地域に行くと、釣具店はもちろん、コンビニなどに「遊漁証取り扱い」などのノボリがあるので捜してみましょう。地域やねらう魚の種類にもよりますが、ヤマメやイワナなどの渓流魚の場合は1日券(日釣券)で1000~2000円くらいの場合が多いです。ちなみに、アユの場合はもう少し高くなります。

今回、川の近くのコンビニで購入した日釣券。購入するとその日の日付が書きこまれる
購入後は外から見えやすい場所に取り付けて携帯します

必要な服や道具類は?

おすすめはライトスタイル

自然の川で渓流釣りをするには、まずは川を歩ける靴や服を用意する必要があります。

渓流釣りのシーズンは、一般的に春から秋。3月もしくは4月から9月頃までのところが多く、秋田県なら9/20までです。これは秋が渓流魚の産卵期にあたるため、資源保護のためにルールとして決められています。

その間、時期を問わずよく用いられるものにウエーダー(胴付きのゴム長靴)がありますが、近年人気となっているのが、より軽快なライトスタイルです。

ライトスタイルに着替えた山田CAと庄村CA。今回は釣り具のほか、ウエア類もフィッシングメーカーのシマノのものでそろえました
足もとはウエーディングシューズという、底がフェルトで石の上でも滑りにくい川歩き専用のものを履きます。なお、ビギナーは川を歩く時、かかとでなくつま先から足を下ろすように心掛けると転びにくいので覚えておきましょう

ライトスタイルでは、速乾性のある上下のアンダー(ロングスリーブとアンダータイツ)を着用し、さらに上半身はポロシャツ、下半身はショートパンツを組み合わせます。そして、足もとは靴ずれのしにくい厚手の靴下を履いたうえで、川を歩くのに適した釣り用のウエーディングシューズを履きます。

川に入ったあとは、ある程度は水に濡れることが前提ですが、夏場など充分に気温の高い季節ならむしろ快適。また、ウエーディングシューズ以外はキャンプなどのアクティビティーにもそのまま使える格好なので、外遊びが好きな人なら、ファッショナブルかついきなりウエーダーを購入するよりハードルが低いというメリットもあります。

テンカラの釣り道具はシンプル

そして肝心の釣り道具ですが、テンカラはそろえるものがシンプルなのが特徴です。基本は「サオ(テンカラザオ)」「ライン(テンカララインとハリス)」「毛バリ」の3つだけ。

ビギナーの場合、テンカラザオは3.3~3.6mくらいの短めのタイプがおすすめですが、あとはそこに少し太めで色の付いたライン、透明なハリス、毛バリを結べばすぐに釣りができます。

当日のタックル
今回は必要なものがすべてセットになった「シマノ テンカラBBキット」を使用
ハリスは予備を用意。途中で切れるなどトラブルが起きたら付け直します(フロロカーボンの1号)。毛バリも10個くらいは用意しておきたく、自分で巻くのも楽しいほか、インターネットなどでも購入できます

キャスト練習をしたら川へ!

タックルをセット

テンカラ釣りの基本は、しなやかなサオを振ってラインを動かし、その先に結んだ毛バリをねらった場所にキャストすることです。毛バリが着水したら、そこから数秒間水中を流します。すると、渓流の河畔林には小さな羽虫や甲虫(アリなど)が思いのほかたくさんいて、ヤマメやイワナはこれらをエサにしているので、毛バリに食いつくのです。

道具が用意できたら、まずはキャスト(キャスティング)を練習しましょう。いきなり川に入ってしまうと、つい目の前の流れに夢中になって、基本的なキャストの練習がしにくくなります。これはかえって遠回り。また、石垣先生も「誰でも絶対にできます」というとおり、テンカラのキャストは最低限のコツを押さえれば、けっして難しくありません。

キャスト練習は草地や芝生の上がやりやすい。最初に道具をセットする
サオを伸ばす前に穂先にラインを結ぶ。この時、折れやすい穂先は外に出さず、先端のリリアン部分だけを節から出して作業。その後、一節ずつサオを伸ばして行きます
キャスト練習の時も毛バリは結びます。実際の釣りをする時と同じように、毛バリの重さや空気抵抗がある状態で練習するほうがよいからです

キャストは12時⇔2時の振り幅で。 リズムは「イーッチ、ニ」の変則2拍子

キャストはリラックスして練習します。ただし、ある程度は動きにメリハリを付けたほうが上手くいきます。基本は

  1. サオをしっかり後ろに振り上げる(ラインをサオで上空に跳ねあげるイメージ)
  2. そのまま一瞬ポーズを取る(ラインが後ろでまっすぐ伸びるのを待つ)
  3. 続けてサオを前に振り下ろし、毛バリを前方のねらったところに落とす

の3ステップです。

この時、大切なのはサオをしならせることで、そのためには、サオを動かす幅は逆にコンパクトにします。具体的には自分が大きな時計の文字盤の前に立っていると仮定して、サオを後ろに振り上げる時は腕が90度になる12時の位置まで。そして、前に倒す時は時計の文字盤で2時(反対向きなら10時)までです。慣れて来ると、実際には手首の動きだけでこのサオの動かし方ができるようになります。

まずはキャストを楽しむつもりで練習しましょう
サオを後ろに振り上げる時は12時の位置。後ろに倒しすぎないのがコツ
前に振り下ろす時も下げすぎない2時を目安にするとよい

あとはリズム。「前後に腕を動かすので、基本は2拍子なのですが、実際は後ろがしっかりサオを振り上げて一瞬待つので強めの“イーッチ”、前はそのままスッと下ろすので“ニ”という感じになります。変則的な2拍子と覚えましょう」というのが石垣先生のアドバイスです。

ラインが前に伸びるようになってきた庄村CA

キャストはある程度事前に練習したら、いきなり完璧を目指す必要はありません。この日も空港から車で30分ほど走った渓流に到着したあと、お昼から1時間ほど練習し、あとは夕方までさっそく川に入ることにしました。

魚を釣り上げて網ですくいます
キャスト練習のあと釣りをしたのは入門者にも歩きやすい穏やかな渓相の小猿部川(おさるべがわ)。米代川の支流にあたります

初めてのテンカラ釣りで、CA2人はどんな魚に出会うことができるのか? ヤマメやイワナを釣るには、川の中のどんな場所をねらえばいいのか? 続きは後編をお楽しみに。

  • このコンテンツは、2019年1月の情報をもとに作成しております。
写真:浦壮一郎

テンカラ釣り入門

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