豊富な淡水魚
琵琶湖は滋賀県の6分の1の広さに相当する日本最大の湖。また、400万~600万年前に誕生したといわれ、ロシアのバイカル湖やタンザニアのタンガニーカ湖と肩を並べるほど古く、世界的にも貴重な古代湖だ。琵琶湖水系では絶滅した種を含め、50種以上の固有種が確認されている。代表的な魚類には、サケ科のビワマス、ナマズ科のビワコオオナマズ、そのほか「鮒ずし」の材料でもあるニゴロブナ、さらにヘラブナの原種であるゲンゴロウブナをはじめ、小魚にはホンモロコ、ビワヒガイなどが挙げられる。
おすすめは米原・長浜エリア
地元で愛好される釣りといえば、小もの釣りのひとつである、春のホンモロコ釣りやコアユ釣りが代表的。これに加えて、近年はタナゴ釣りの人気が高まっており、特に琵琶湖の中でも風光明媚な米原市から長浜市にかけての湖北エリアに好釣り場が集中している。湖北エリアは『平成の名水百選』に選ばれた、長浜市の「堂来清水(どうらいしょうず)」や米原の「居醒の清水(いさめのしみず)」に代表される湧き水が豊富な場所。長浜では街中に巡らされた水路やU字溝でさえ清い水が流れ、たなびく水藻を伝わるようにタナゴたちが泳ぎ回る姿を目にすることもできる
鮮やかな婚姻色に見とれる
日本全国に生息するタナゴ類のうち、湖北エリアで釣れるタナゴはヤリタナゴ、アブラボテ、カネヒラ、シロヒレタビラの4種。なかでも秋はカネヒラが対象魚になる。この時期、カネヒラのオスは全身がブルー&グリーンのグラデーションカラーに覆われ、腹ビレと尻ビレはピンク色の見事な婚姻色に染まり、釣りあげるたびに1尾1尾に見惚れるほど美しい。また、透明度が高い琵琶湖水系では、1尾のメスのカネヒラを数尾のオスのカネヒラが追いかけ回す「恋の争奪戦」を観察することもできる。琵琶湖本湖の漁港周りのほか、流入河川や水路群ではカネヒラに加えてアブラボテやヤリタナゴも釣れ、そのほかにオイカワやヌマムツ、モツゴ、スゴモロコなどの小魚も釣れるから、魚図鑑を手に家族連れで楽しむとよいだろう。
城下町ぶらり
釣りを終えたら、羽柴秀吉が初めて一国一城の主となった長浜の町をぶらりと遊んでみたい。日が暮れてから旧家の古びた佇まいが建ち並ぶ長浜駅周辺を散策するのが面白く、湖北の家庭料理「焼きサバそうめん」や滋賀県の名物「鮒ずし」に舌鼓を打つのも旅の楽しみだ。
この釣り場へのアクセス
中部国際空港から名古屋鉄道で名鉄名古屋駅(JR名古屋駅に隣接)まで行き、東海道新幹線の米原駅からレンタカー利用が便利。レンタカーなしの場合は米原駅でJR北陸本線に乗り換え長浜駅などで下車。そのほかの空港からマイカー利用の場合は、北陸自動車道・長浜ICを降りて右折。そのまま道なりに走ると琵琶湖に出るので、湖畔沿いに走り各水路へ。
釣り場情報
〈琵琶湖〉
シーズン |
春から初冬にかけて |
問合先 | タックルベリー北びわ湖長浜店(長浜/釣具店。http://www.tackleberry.co.jp/shop/news/index.cgi?cid=109) |
※釣り場情報は2014年度のものです。