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    掲載日:2024.06.26

    四国の夏旅:アクティブ派なら吉野川の川遊び、のんびり派は豊島の離島ライフがおすすめ

    夏の四国は、アクティブに楽しみたい方も、ゆったりとした時間を過ごしたい方も、それぞれの理想をかなえられる旅先です。今回は、険しい山間地を流れる吉野川での川遊びを中心にした過ごし方と、静かな時間が流れる瀬戸内海の豊島(てしま)での、のんびり離島ライフをご紹介します。

    吉野川(高知県と徳島県):激流から清流までさまざまな表情を持った川遊びの聖地

    暑い夏、涼しさを感じつつアクティブに過ごすなら、川遊びを中心にした旅のプランはいかがでしょうか。四国には日本三大清流の一つである四万十川、水質日本一で屈指の透明度を誇る仁淀(によど)川、古くから「四国三郎」と呼ばれ日本の三大暴れ川の一つである吉野川など日本有数の大河川があり、毎年夏になると水辺のアクティビティを求め多くの方たちが訪れます。

    中でも全長194km、高知県と徳島県をまたぐ四国最大の河川である吉野川は、流域によってさまざまな表情を持つため、大人から子供まで多様な楽しみ方ができる、川遊びにぴったりの川です。今回は、高知龍馬空港から車で約1時間(電車で約2時間)、吉野川流域の大豊町を拠点に自然アクティビティのガイドをする、ハッピーラフト代表の桂川輝彦さんに、吉野川の川遊びやおすすめの過ごし方についてお話を聞きました。

    山間地の美しい渓谷の風景も吉野川の見どころの一つ
    写真:ハッピーラフト

    子供からシニアまで楽しむことができるラフティング

    ワイルドな川遊びの代表といえば、ボートに乗って激流を下るラフティングでしょう。ですが「ちょっと怖いかな」「子供には無理かも」と心配する方もいるかもしれません。でも、ご安心ください。吉野川には多様性に富むコースがあり、子供からシニアまで幅広い世代がラフティングを楽しんでいます。

    長いものでは5時間ほどかけて下るコースも。吉野川は水質・水量・迫力ともに世界最高クラス
    写真:ハッピーラフト

    世界中の川でラフティングをしてきた桂川さん。その桂川さんがほれ込んだ吉野川とはどのような場所なのでしょうか。「吉野川はラフティング世界大会が開催された日本唯一の川です。日本全国どこを見ても、ここほどラフティングに向いた川はないと思います。流域の豊かな自然はもちろん、1年を通して水量が豊富です。川を下ると、さらにその魅力がわかります。激流の後には必ず穏やかに流れる"トロバ"があり、そのおかげで、初めての方から上級者まで、テンポよく安全にラフティングを楽しむことができます」

    トロバと呼ばれる緩やかな流れと激流を繰り返すテンポの良さも吉野川がラフティングに向いている理由の一つ
    写真:ハッピーラフト

    ラフティングの途中、流れの穏やかな場所ではボートから川に飛び込むなどの遊びも楽しむことができ、特に子供たちに人気です。「最初、川に飛び込むのを怖がっていたお子様も同じ歳くらいの子が楽しんでいると、いつの間にか一緒になって楽しんでいるんですよね」と桂川さん。家族や仲間たちと楽しむ吉野川のラフティングは、生涯忘れられない思い出になることでしょう。なお、ラフティングが楽しめるのは3月~10月とのこと。

    ハッピーラフトでは3歳から参加できるコースも用意している
    写真:ハッピーラフト

    吉野川をとことん遊び尽くす

    ラフティング以外にも、さまざまな楽しみ方ができるのが吉野川。自然散策が好きな方は吉野川渓谷を歩き、時には泳ぐキャニオニングを楽しむことができます。桂川さんのおすすめは霧石渓谷でのキャニオニング。「昔は"大蛇が出る"といわれ、地元の方すら近づかなかった秘境です。ここでは自然にできた地形を使ったアクティビティが楽しめます。例えば10mのほぼ垂直なスライダーを滑り降りることもあり、非常にエキサイティングな体験ができますよ」

    渓谷を自分の体一つで下っていくキャニオニング。夏の暑さを忘れさせてくれる
    写真:ハッピーラフト

    未経験者だけでは決して訪れることのできない秘境も、土地をよく知るガイドの方たちとなら安心です。「お客さんたちが安全に楽しめるように、スタッフがしっかりサポートします。安全を確保しながら楽しむことができるので、ぜひチャレンジしてみてください」。キャニオニングは自然と一体になりながらスリルを楽しむアクティビティ。シーズンは、この地域では7月~9月です。夏だけの特別な体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。

    周辺の里山を散策すれば豊かな自然を感じることができる
    写真:ハッピーラフト

    吉野川流域の豊かな自然を思う存分楽しむ

    桂川さんたちが拠点とする大豊町周辺は、日本の原風景ともいえる里山が広がっています。「本当に美しい場所です。最近では外国からのゲストにも人気ですね。リラックスできるのでしょう。長期滞在して、自然を満喫しているようです」

    吉野川を見下ろすハッピーラフトの待合所。川からの涼しい風が心地よい
    写真:ハッピーラフト

    大豊町から少し足を延ばせば、他にもダイナミックな自然を感じることができるスポットがたくさんあります。少女時代の美空ひばりさんが「日本一の歌手になれますように」と願をかけた「杉の大スギ」(樹齢3,000年)、シラクチカズラを編み連ねて作られた「祖谷(いや)のかずら橋」、ユニークな名前とはうらはらの存在感の大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)など、大自然と人の営みが交差する場所に身を置いてみてはいかがでしょうか。

    国の重要有形民俗文化財に指定されている「祖谷(いや)のかずら橋」

    ラフティングや自然を楽しんだ後は、急いで帰らずにぜひゆっくりと過ごしましょう。大豊町産のジビエを使った料理を食べられるお店など地元ならではのグルメを楽しむもよし、近くの大歩危峡には大歩危祖谷温泉郷もあるので、たっぷり遊んだ後は温泉で疲れを癒すのも忘れずに。それぞれの旅のスタイルで吉野川流域を満喫してください。

    山の上にある人気のカレー屋「永渕食堂Shanti(シャンティー)」。地元産のジビエ(鹿肉または猪肉)を使ったカレーも食べられる
    写真:永渕食堂Shanti
    「峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか」は大歩危渓谷を臨む立地。日帰り温泉もあり
    写真:峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか

    ハッピーラフト

    永渕食堂Shanti(シャンティー)

    • 住所:高知県長岡郡大豊町永渕548

    峡谷の湯宿 大歩危峡まんなか

    豊島(てしま)(香川県):心落ち着く昔ながらの島暮らしを体験できる島

    日常から離れ、心落ち着く時間を求めるなら、静かな瀬戸内海の島でのんびり過ごす旅はいかがでしょうか。瀬戸内海には大小700余りの島々があり、アートの島として有名な直島やオリーブの栽培で知られる小豆島など、国内外の旅行者にも人気です。そのなかでも離島らしい、静かでのんびり過ごすことのできる島として今注目されているのが香川県の豊島です。

    高松空港から高松港へ車で約45分(空港リムジンバスもあり)、高松港から高速船に乗れば30分ほどで、豊島の家浦港に到着します(他にも岡山県の宇野港からのフェリーなどもあり)。美しい瀬戸内海に囲まれ、山や森がのびのびと広がる様子は、豊島が昔ながらの風景を残していることを物語っています。今回は豊島の魅力を国内外に発信する豊島観光協会の槇さんと生田さんに、この島ならではのおすすめの過ごし方を聞きました。

    昔ながらの街並みが残る豊島

    島暮らしを彩る、人・食・アート

    豊島は人口約800人の島。「大きすぎず小さすぎず、人の営みにはちょうど良い規模感の島です。島を散策していると、道行く島の方から話しかけられることも多いです。優しい方が多く、観光客にとても親切にしてくれますよ」と槇さん。

    島中央の檀山(だんやま)からは湧水が出ていて、古来より人々の生活や農業を支えてきました。「壇山の湧水が育む豊かな農作物は、他の島にはない豊島ならではの魅力の一つです。景観としても美しい棚田には、夏はトマト、オクラ、ピーマン、ナス、カボチャなどの夏野菜が実ります。豊島の野菜は本当に美味しいです」

    豊島では瀬戸内海で獲れる海産物も豊富だそう。「瀬戸内海では通年タイが獲れますし、タチウオやタコ漁も行います。新鮮でおいしい魚をたくさん食べてもらいたいですね」と漁師もされている生田さん。

    島の豊かな農作物を育む棚田。夏は青々として美しい景色を見せる

    また、忘れてはいけないのがアートの存在。豊島は直島と並び、瀬戸内国際芸術祭の会場の一つでもあり、芸術祭会期中以外もいくつもの現代アートが公開されています。自然とアートが融合された作品が多く、訪れる方々に特別な体験を提供しています。アーティストの内藤礼と建築家の西沢立衛による「豊島美術館」は、その有機的な形をした建物の中に入って作品空間も含めて鑑賞する美術館。訪れた方の記憶に"新しい体験"として刻まれることでしょう。

    豊島美術館
    写真:森川昇

    豊島には、ゆっくり過ごすことのできる宿泊施設もたくさんあります。高松港からの船が発着する家浦港、小豆島行きの船が出る唐櫃(からと)港周辺に宿泊施設が多いので、旅の行程に合わせて拠点となる宿泊施設を決めておくことをおすすめします。

    家浦港からほど近い場所にある「結-ISHIYA」は石造りの日本庭園が迎える日本家屋の宿
    写真:結-ISHIYA

    レンタサイクルで島のスポット巡りへ

    面積約14平方km、周囲約20kmの豊島巡りはレンタルサイクルが快適でしょう。夏は気温が高いものの、海からの風が気持ちよく吹き抜けます。行きたい場所を決めたら、いざサイクリングに出発です。家浦港と唐櫃港周辺にはレンタサイクルがあるので事前の予約をしておきましょう。ほとんどが電動自転車なので、多少の高低差は心配ありません。

    豊島美術館近くの道路。島内には眼下に広がる美しい海を見ながら走れるポイントが多数

    槇さんのおすすめは壇山からの景色だそうです。豊島には家浦(いえうら)、硯(すずり)、唐櫃(からと)、甲生(こう)などの集落があり、島の中央に位置する檀山(340m)の山頂は、それら集落を見渡すことができる絶景スポット。小豆島、直島、犬島など瀬戸内海に浮かぶ島々の景色も圧巻です。

    壇山山頂からの早朝の景色。向こうに見えるのが小豆島
    写真:豊島観光協会

    山頂から唐櫃港方面に下りたらぜひ行ってほしいのが「島キッチン」。島で採れた野菜など、島の豊かな食材を使った料理を楽しむことができます。夏休み期間中はオープンスペースでワークショップなども開催しているので、事前にチェックしてみてください。

    島キッチンのオープンスペース。島の方たちとのコミュニケーションの場にもなっている
    「島キッチン」建築:安部良 Photo:Osamu Nakamura

    島キッチンの周辺では、槇さんおすすめの、フランスを代表するアーティストのクリスチャン・ボルタンスキー氏による作品「ささやきの森(檀山中腹)」や「心臓音のアーカイブ(王子ヶ浜)」を見ることができます。また、前述の豊島美術館も島キッチンから自転車で5分ほどの距離にあります。

    クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」
    写真:久家靖秀

    豊島を拠点に別の離島へ足を延ばしてみる

    豊島にはのんびりとした不思議な「豊島時間」が流れていると槇さんは言います。「都会ではすれ違う方と挨拶をしたり、立ち止まって話し込んだりはしませんよね。しかし、豊島ではそれが普通です。きっと島の方は皆さんを放って置かないでしょう(笑)。アートやおいしい食事が楽しめるのが豊島の魅力です。ですが、それだけでなくのんびり過ごすことができるのが私は一番の魅力だと思うんです。豊島美術館でアートをのんびり見る。神子ヶ浜のビーチで夕焼けを見る。島の方とお話をする。なんでもいいんです。普段とは違う島に流れる時間に身を任せて過ごしていただきたいですね」

    長めの休みをとって、島暮らしをゆっくり楽しみたい

    もし時間があるなら、豊島からアクセスの良い周囲の島々を回っても楽しいでしょう。現代アートの美術館や家プロジェクトなど、自然とアートが融合した独特の雰囲気の「直島」、廃墟となった銅製錬所の遺構を改修・活用した「犬島精錬所美術館」がある「犬島」、国内栽培発祥の地のオリーブ園や映画「二十四の瞳」の舞台であり絶景スポットも多く自然と文化が調和した「小豆島」など、魅力的な島々があります。この夏、豊島や周りの島々を巡る旅を計画してみてはいかがでしょう。

    直島、犬島、小豆島のちょうど真ん中にあり、どの島にも行きやすい

    豊島観光協会

    豊島美術館

    • 住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
    • ウェブサイト:豊島美術館
    • 要予約

    結-ISHIYA

    • 住所:香川県小豆郡土庄町豊島家浦2163
    • ウェブサイト:結-ISHIYA

    島キッチン

    • 住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃1061
    • ウェブサイト:島キッチン

    ささやきの森

    • 住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃1771
    • ウェブサイト:ささやきの森

    心臓音のアーカイブ

    どちらの旅も土地の魅力に触れるチャンス

    2つの四国の旅のご提案はいかがだったでしょうか。ラフティングを子供から大人まで楽しめるアクティブな吉野川の旅。時間を気にせずのんびりと瀬戸内で過ごす豊島の旅。アクティブとのんびりは対局のようですが、どちらの旅もその土地の魅力を堪能する旅であることに違いはありません。そして、どちらの旅を選択しても人生の大きな思い出になることでしょう。さて、皆さんはどちらの旅がお気に入りですか。ぜひ、ご家族やご友人(もちろん一人旅でも!)とともに旅立ってみてはいかがでしょう。

    • 記載の内容は2024年5月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
    ライター:井上英樹

    取材協力:ハッピーラフト、豊島観光協会

              

                                                             

                                                             

                                                             

                                                             

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