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掲載日:2021.04.12

【獣医師監修】犬のジャンプは危険?愛犬のジャンプをやめさせる方法は?

犬はなぜジャンプをするのでしょうか?犬のジャンプは良いか悪いか、ジャンプによってどのような悪影響がおよぶか、ジャンプをやめさせる方法など、犬のジャンプについて詳しく解説します。知識を得て、愛犬の健康的な生活をサポートしてあげましょう。

犬はなぜジャンプする?ジャンプ力は犬種によって違う?

犬はなぜジャンプする?ジャンプ力は犬種によって違う?
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犬は上手にジャンプをする動物です。
元来、狩猟の際に人間をサポートする役割を担ってきた犬は、獲物を追いかける時や、獲物に飛びかかる時にジャンプをする必要もありました。
現在はアジリティーやディスクなどのドッグスポーツや、災害救助などの仕事で、犬はジャンプ力を活かしています。

家庭犬として暮らす現代の犬たちがジャンプをするタイミングとしては、ソファやベッドに飛び乗る時が多いのではないでしょうか。
そのほか、興奮した時にジャンプをする犬が多く見られます。
たとえば、お散歩前に飼い主さんが手に持つリードに、あるいは、大好きなおもちゃやボールに向かってジャンプするケースも少なくありません。
室内に設置されたゲートやサークルから、飼い主さんに近づこうとして、その場でジャンプをすることもあるでしょう。

ジャンプ力は、犬種の骨格構成や筋肉のつき方によって違ってきます。
たとえばシー・ズーやパグなど、仕事上、ジャンプをする必要のなかった生粋の愛玩犬は、あまりジャンプ力がありません。
トイ・プードルは愛玩犬ですが、水猟犬で運動神経が抜群のスタンダード・プードルを小型化した犬種なのでジャンプ力があり、アジリティーなどで活躍しています。
また、ボーダーコリー、ウィペット、グレイハウンド、ベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノア、オーストラリアン・ケルピーなどは、すぐれたジャンプ力を誇る犬種として知られています。

犬がジャンプするのは健康に悪い?

犬がジャンプするのは健康に悪い?
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犬のジャンプは、健康に悪影響をおよぼすこともあるので注意が必要です。

足腰に問題のない健康な犬が、ドッグスポーツなどでバーを飛び越えたり、フリスビーをキャッチしようと前方に向かって走る姿勢の延長でジャンプをするのは問題ありません。

健康を害する恐れがあるのは、垂直方向へのジャンプです。
ゲート前やサークル(ケージ)内でピョンピョンと後脚で飛び跳ねることを繰り返すと、下半身に負担がかかります。
特に、骨や筋肉が未発達な子犬が頻繁に垂直方向へのジャンプをするのは、発育への悪影響となるほか、骨折や関節を傷めるなど怪我をするリスクもあるので危険です。

ジャンプが原因で起こる可能性がある病気は?

ジャンプが原因で起こる可能性がある病気は?
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犬がジャンプをすると、以下の病気のリスクが高まります。

ジャンプのリスク① 椎間板ヘルニア

椎間板が脊髄を圧迫する病気です。
遺伝的にミニチュア・ダックスフンド、フレンチ・ブルドッグ、ウェルシュ・コーギーなどがかかりやすいことが知られていますが、垂直方向へのジャンプで腰に負担がかかると、すべての犬種で発症しやすくなるので要注意。
重症化すると後肢を引きずったり、下半身に麻痺が起こります。
温存療法や外科手術による治療が行われます。

ジャンプのリスク② ケガ(骨折など)

ジャンプそのものではなく、着地の瞬間に骨折する危険性があります。
トイ・プードルやイタリアン・グレーハウンドなどの骨の細い犬種では、特に注意が必要です。
硬い地面に、前足から着地した場合は前肢の骨を、垂直ジャンプで後足から着地した場合は後肢を骨折することが多いでしょう。
バランスを崩した姿勢で着地して、そのまま転んでしまい、家具などに身体をぶつけてケガをするケースもあります。

ジャンプのリスク③ 膝蓋骨脱臼(パテラ)

小型犬に多い、簡単に表現すれば膝のお皿がはずれてしまう関節疾患です。
遺伝的な素因も関係すると言われていますが、滑る床での生活やジャンプが発症や悪化のリスクを高めます。
膝蓋骨脱臼は軽症から重症まで4段階に分類され、グレードが高い場合は外科手術による治療を行うのが一般的です。
すでに膝蓋骨脱臼を発症してしまった愛犬との生活では、ソファなどに上るためにジャンプできないような環境を整えることも重要です。

犬のジャンプをやめさせるには、環境整備としつけが大切!

犬のジャンプをやめさせるには、環境整備としつけが大切!
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愛犬に、垂直ジャンプが危険な理由を口で説明することはできません。
愛犬のために、まずは愛犬がジャンプによって健康を害さない環境を整えましょう。

サークル内で愛犬がジャンプをする場合、サークルの天井がなかったり網目状になっていたりして、飼い主さんの姿が天井部から見えやすくなっているケースが少なくありません。
サークルの天井部を布で覆ってしまえば、飼い主さんと上部で目も合いにくくなり、注意を引こうとして飛び跳ねなくなるでしょう。

ソファやベッドにジャンプをすることが多い愛犬には、それらに設置できる犬用のステップ(クッション状の階段)を用意してあげるのもおすすめです。
特に、老犬になると筋肉が衰えてくるので、ソファに上ろうとしてもジャンプを失敗するようになります。
愛犬がシニア期以降、日常生活で次第にジャンプをしなくなったと感じることが増えたら、ぜひ犬用ステップを設置してあげてください。
なお、ソファやベッドなどへのジャンプは、飛び降りる際がもっとも危険です。
愛犬の着地点には、弾力性のあるマットや座布団などを置いておくのが安全です。
そうすれば、足腰への負担も軽減させられます。
滑りやすい床での生活は、愛犬の関節に悪いので厳禁です。

おもちゃ、散歩用リード、飼い主さんの姿などを見て興奮してジャンプをする愛犬には、ジャンプではない行動に置き換えるトレーニングをするのがベスト。
教え方は簡単で、おもちゃ遊びをする際、最初は「オスワリ」と指示して愛犬が座ったら「よし!」と言っておもちゃを渡すようにします。
そのうち、愛犬が自発的に座ったら、おもちゃをあげるというルールを家族で徹底させます。
間違っても、ジャンプをしている愛犬におもちゃを渡さないようにしましょう。
室内ゲートの前でピョンピョンと飛び跳ねる愛犬や、リードに飛びつく愛犬にも、同様の方法でしつけてください。
愛犬が座ったら、飼い主さんがゲートを開けたりリードを装着したりします。
ジャンプをしていても自分の願いはかなわず、ジャンプではない行動(オスワリやフセ)をすると欲しいものが手に入るということを愛犬に覚えさせるのがポイントです。

まとめ

まとめ
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犬のジャンプで危険なのは、垂直方向へのジャンプです。
足腰に負担をかけるので、垂直ジャンプはさせないようにしましょう。
ジャンプして飛び降りる際にバランスを崩したり、着地点が硬かったり滑ったりすると、骨折などの怪我をする恐れがあります。

ハード面では環境整備、ソフト面ではトレーニングによって、愛犬の危険なジャンプをやめさせるようにしてください。

愛犬が健やかな日々を長く過ごせるように、飼い主さんがしっかり管理してあげくださいね。

ライター:臼井 京音 Kyone Usui
監修者:箱崎 加奈子(獣医師)

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