ルート66のロケ地や映画の舞台を巡って
オールドシカゴを満喫!

アメリカ・イリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまでを結ぶ“ルート66”。8つの州をまたぐ全長3755kmに及ぶ道路は映画のロケ地となり、今なおその舞台を訪れる観光客が後を絶ちません。近代的な高層建築やモダンアートが街を彩るシカゴ。その一方で、19世紀後半に建てられた古い建築物や高架鉄道が今も利用されており、新旧が融合した独特の街並みが印象的です。今回はオールドシカゴが色濃く残る、おすすめスポットをご紹介します。
マザーロード=母なる道、ルート66の起点はシカゴにあった!
イリノイ州シカゴからカリフォルニア州サンタモニカまでを結ぶ “ルート66”。イリノイ州、ミズーリ州、カンザス州など8つの州をまたぐ全長3755kmに及ぶ道路は、1926年に開通すると物だけでなく人や文化も運び、当時のアメリカンカルチャーを代表する存在となりました。州間高速道路(インターステート)の開通により1985年に廃止されましたが、今でもマザーロードという呼び名で親しまれており、当時の面影を追ってルート66を旅するアメリカ人も少なくありません。
実はシカゴとサンタモニカ、どちらが出発点でどちらがゴールかというのは決まっていないそう。ですがルート66を旅する場合、多くの人はシカゴから出発し、西へ向かいます。確かに荒野に延びる道路を夕陽を追いながら走り、辿り着いた終点に海がある…という方が旅情を誘いますよね。
というわけで、シカゴの街中にはルート66の出発点の看板があります。シカゴ美術館の向かいのAdams St.の交差点に立っているのですぐにわかるでしょう。

看板があるだけなので素通りしてしまいそうですが、ルート66の起点となる重要なポイントです。ぜひ記念撮影を。
ルート66ゆかりの朝食店でブレックファスト
シカゴにはいくつかルート66時代から利用されているレストランがありますが、最も有名なのが「ルー・ミッチェルズ・レストラン」です。創業1923年と、ルート66が開通する前から営業しており、全盛期にはとても賑わったそう。今でも当時を偲んで訪れる人が絶えません。

人気店のため朝食時は行列ができることもありますが、そんな待ち時間も名物おばあちゃんがレストランの歴史を語りながらドーナツをサービスしてくれるので退屈することはありません。ノスタルジックな店の雰囲気を感じながら待つひとときも楽しいもの。

看板メニューはパンケーキと卵料理。どちらもボリュームたっぷりでこれぞアメリカのブレックファストという感じです。

テーブルに置いてある自家製マーマレードはぜひ味見してみて。ほろ苦さと甘さのバランスが絶妙です。

さきほどのおばあちゃんに「美味しさの秘密はなに?」と訊ねると「新鮮な材料を使って、手作りしてるからよ。缶詰などの既製品は一切使わないの。あとは愛情よ」とにっこり。

シカゴの朝食でナンバーワンと言われるのも納得。話題の朝食店のように洗練されているわけではありませんが、素朴さに心もお腹も満たされます。
- ルー・ミッチェルズ・レストラン
Lou Mitchell’s Restaurant - 住所:565 W Jackson Blvd
- 電話:312-939-3111
- 営業時間:5:30~16:00(月曜5:30~15:00、土曜7:00~16:00、日曜7:00~15:00)
- URL:http://www.loumitchellsrestaurant.com/
あの有名な映画の階段はここ!全米有数の美しさを誇るユニオンステーション
ルー・ミッチェルズに来たら、ぜひすぐ近くにあるユニオンステーションまで足を延ばしましょう。ここは、ケビン・コスナー主演の映画「アンタッチャブル」のラストシーンの舞台となった場所。

日本人が、シカゴ=マフィアという印象を持ちがちなのは、1987年に公開された映画「アンタッチャブル」の影響を受けているからではないでしょうか。禁酒法時代のシカゴを舞台に、アル・カポネ(ロバート・デニーロ)を逮捕すべくアメリカ財務省の捜査官エリオット・ネス(ケビン・コスナー)や警官ジム・マローン(ショーン・コネリー)らが奮闘する様子がスリルたっぷりに描かれ、日本でも大ヒットしました。
特にラストシーン、乳母車が駅の階段をカタンカタンと落ちていく手に汗握るシーンはあまりにも有名です。そのシーンが撮影された階段が現在もシカゴのユニオンステーションに残っています。
ユニオンステーションは、シカゴを中心に、東はニューヨーク、南はニューオリンズ、西はサンフランシスコと全米約500の駅と結ばれており、ハブ駅としての重要な機能を果たしています。長距離鉄道のアムトラックとシカゴの近郊列車メトラが乗り入れており、鉄道マニアにはたまらないのですが、鉄道マニアでなくても、映画ファンでなくても、この美しい駅舎は一見の価値があります

メインビルディングは華やかなボザール様式。あの有名な階段があるのはこの脇です。

いざ目の前にするとやはり感慨深いものがあります。一通り見学を終えたら、待合室の椅子に腰掛けて目をつぶってみましょう。駅に鳴り響くオールドジャズ、階段を降りてくる女性のハイヒールの音…。狂乱と活気にあふれた1930年のシカゴにタイムスリップしたかのような気分になります。
高架鉄道に乗ってシカゴの鉄道の歴史を感じる
シカゴのダウンタウンでは1892年に開業した高架鉄道が今も現役で使われています。高層ビルの間を縫ってガタゴトと電車が走る光景はシカゴの名物のひとつ。

高架鉄道が囲むエリアをループといいます。南北900m、東西500mほどなので、歩いても回れる距離なのですが、せっかくなので高架鉄道に乗ってぐるっと一周してみましょう。補強、改修はされているものの当時のままの状態で使われている駅も多く味わいがあります。

現在の造りに比べて当時の駅間は短く、プラットホームの端に立てば次の駅が見えるほど近い区間もあります。

ハイライトはなんといっても、ループエリアから郊外へ向かうときに通る縦横無尽に交差する線路!複雑に発展してきたシカゴの鉄道の歴史を見てとることができます。

高架鉄道の乗車運賃は1回2.25ドル。観光ツアーよりもずっと手頃な値段で、シカゴの観光ができるのでとてもおすすめです。
ルート66の起点に始まるオールドシカゴ巡り、いかがでしたか?情緒あふれる街並みは、アメリカの歴史を偲びながら散策するのにぴったり。シカゴアンに交じって、新旧の文化が交錯する街の雰囲気を楽しんでください。