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ブルースとジャズの街
シカゴのライブハウスで生演奏を楽しむ方法

FEATURES - CHICAGO

ジャズと言えばニューオリンズやニューヨークを思い浮かべる方が多いかもしれません。実はシカゴは全米でも有数の音楽の街。特にジャズとブルースはシカゴ独自のスタイルを確立し、注目されています。街中には数多くのライブハウスがあり、日本に比べてミュージックチャージはとてもお手頃。地元の人ばかりでちょっと入りづらいのでは?と不安に思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。今回は初心者にもオススメのブルースとジャズのライブハウスとその楽しみ方を紹介します。きっとシカゴの夜が何十倍も楽しくなりますよ。

Text by
Naoko Sumita
Photo by
Masashi Yoshikawa

伝説のブルースマン、バディ・ガイの店「バディ・ガイズ・レジェンズ」

そもそもブルースって何?という方に少し説明しておくと、ブルースは19世紀後半に南部の黒人霊歌、労働歌から発展した音楽で、奴隷解放宣言後も変わらない境遇に対する不満、嘆きを歌にのせ、独特のリズムで歌い上げたもの。その音楽は共感を呼び、黒人音楽としてアメリカ各地に広まっていきました。初めはアコースティックギターの引き語りがメインでしたがシカゴに伝わるとバンド形式に発展。シカゴ・ブルースとして独自のスタイルを確立されました。

市内には数多くのライブハウスがありますが、初めての方にもおすすめなのがここ「バディ・ガイズ・レジェンズ」。

サウスループにある老舗ライブハウス
サウスループにある老舗ライブハウス

オーナーはブルース好きなら知らない人はいない、ブルースシンガー&ギタリストのバディ・ガイ。1958年からシカゴ・ブルース界で活躍し、80歳になった現在もときどきステージに登場します。

ライブはほぼ毎日行われており、スタートはだいたい21時から。スケジュールはウェブサイトで見ることができ予約も可能です。

ミュージックチャージは10ドル~ととてもお手頃。週末などは人気のステージは満席になってしまうこともあるのでウェブで予約しておくと安心です。クレジットカードで支払いを済ますと、メールでバウチャーが送られてくるのでそれをプリントアウトしておきます。

さて、訪れた日は土曜日とあって大盛況。入り口でバウチャーとパスポートを提示します。ライブハウスでは入場の際、パスポートの提示を求められることが多いので必ず持ち歩きましょう。

週末の夜ともなれば地元の人で満員御礼
週末の夜ともなれば地元の人で満員御礼

予約をしていても席は確保されていないので空いた席を探します。少人数で行くとたいてい相席になるので、席を見つけたら同席の人に「ここは空いている?」と尋ねてから席に着きます。ぎりぎりに行くと席を見つけるのに苦労するので、少し早めに訪れた方が良いでしょう。ハンバーガー、バーベキューバックリブ、チキンステーキなど結構きちんとした料理が用意されているので、なにか食べたければウェイターを待ってオーダーします。ただし料理がでてくるまで恐ろしく時間がかかるので、飲み物だけは自分でバーに行きオーダーする方がストレスがありません。バーはキャッシュオンスタイル。ローカルビールもあります。

さて、21時半をまわりいよいよライブスタートです。この日はPistol Pete という地元で人気のシンガー兼ギタリストで、最初から会場の盛り上がりがすごい。

ステージと席が近いので、最前列だとたまに汗も飛んでくるほどの臨場感
ステージと席が近いので、最前列だとたまに汗も飛んでくるほどの臨場感

ブルースの辛いところは、日常生活や政治への不満、家族の愚痴、恋愛の喜びや失望、反省などを、スラングと流行語で歌にするので、知識がないと笑いについて行けないところなのですが、Pistol Peteさんは音楽もさることがなら、表情や動きなどのパフォーマンスが非常におもしろいので、ところどころ歌詞が分からなくても十分に楽しめます。訪れた日は、いきなりスーパーマリオの音楽を演奏。なんのことかわからずぽかーんとしてしまったのですが、後でニュースを見て納得。アベマリオが世間を騒がせた日だったんですね。こんな風にブルースには時事ネタも盛り込まれます。

盛り上がってくると、地元の人達はその場で踊り始めたりします。気分が乗れば一緒に踊ってみてもいいでしょう。支払いさえ終わっていれば退出は自由。曲と曲の合間に席を立つのがマナーです。
10ドル程度のミュージックチャージでとっても楽しめるのでぜひ行ってみることをおすすめします。

Buddy Guy’s Legends
URL:http://buddyguy.com/

落ち着いてジャズを楽しむなら「Andy’s Jazz Club」

ブルースと共にシカゴを代表する音楽がシカゴジャズです。南部の黒人たちがシカゴに職を求めて移住してきたときに持ち込まれたもので、1922年にルイ・アームストロングがシカゴを訪れ演奏活動を始めたことをきっかけに、シカゴジャズは大きな盛り上がりを迎えました。その後様々なジャズのスタイルが生まれ、シカゴジャズとして新たなジャンルが築かれたのです。

個人的な意見ですが、ブルースは「お笑いを見に行く」的な感覚があり、神経を張り詰めていないと楽しめないというところがあります。一方ジャズは、深く知ればいろいろと聴きどころがあるものの、通常は素直にメロディを聴けばいいのでリラックスして楽しめるでしょう。

ここ「Andy’s Jazz Club(アンディーズジャズクラブ)」はリバーノースにあり、地下鉄駅から近いので観光客にも便利です。

夕方5時~深夜まで営業していて訪れやすい
夕方5時~深夜まで営業していて訪れやすい

17時から一回目のライブがあるので、夕食前にちょっとジャズを・・・という使い方もできます。17時の回なら予約なしでもほぼOK。直接店に行きミュージックチャージを支払います。ミュージックチャージは10ドル~で、チャージの支払いは現金に限られます(食事の支払いはカード可)。

飲み物だけならバーカウンター利用が気楽
飲み物だけならバーカウンター利用が気楽

バーカウンターとテーブル席があり、好きな方を選びましょう。地元の常連はカウンターで一杯飲みながら音楽を聴いています。料理にも定評があり、食事メインで訪れる人もいます。

チャージ10ドルとは思えない本格的な演奏が楽しめる
チャージ10ドルとは思えない本格的な演奏が楽しめる

やはり生演奏は格別です。ライブ演奏は1時間半程度。完全な入れ替え制ではありませんが、1ステージ見たら席を立つのが暗黙のルールです。満足したらステージのチップボックスの中にチップを入れて帰りましょう。

Andy’s Jazz Club
URL:http://www.andysjazzclub.com/

夏場なら無料のフェスも開催

シカゴでは夏の間、各地で野外フェスティバルが行われています。毎年8月~9月に行われるシカゴ・ジャズ・フェスティバルや9月下旬のハイドバーク・ジャズフェスティバル、ワールドミュージックフェスティバルなど、無料で聴けるものも多数あるので、ぜひイベントカレンダーをチェックしてみましょう。

全米から観客が訪れるシカゴ・ジャズ・フェスティバル ©City of Chicago
全米から観客が訪れるシカゴ・ジャズ・フェスティバル
©City of Chicago

著名なアーティストのセッションが聴ける幸運な体験ができるかもしれませんよ。

Choose Chicago
URL:http://www.choosechicago.com/
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