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出典 : pixta_202969

掲載日:2021.01.05

【獣医師監修】愛犬の呼吸数の正常値や測り方は?呼吸が多くなったり少なくなる病気についても知っておこう

愛犬と安心してお出かけできるように、犬のTPR(呼吸数、心拍数、体温)の正常値を知っておくとともに、愛犬の平常値も頭に入れて日頃の健康管理に役立てたいものです。TPRの測り方から、主には犬の呼吸数の異常に関係する病気や治療法について紹介します。

犬のTPR(体温、心拍数、呼吸数)の正常値とは?

犬のTPR(体温、心拍数、呼吸数)の正常値とは?
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動物の体温と心拍数と呼吸数のことを、獣医師はTPRと呼び、体に異常が生じていないかの判断材料としてその数値を重要視しています。
愛犬のTPRの正常値を知っておくと、愛犬の健康状態の異変に気付きやすくなり、早めに獣医師に相談できるというメリットがあるのは言うまでもありません。

犬の平常時の体温は、38~39度の間が平均的です。
その範囲内で、子犬や小型犬はやや高く、大型犬や老犬はやや低い傾向があります。
なお、生後4~6週齢位までの子犬は、体温の調節機能が未発達です。

心拍数とは1分間に心臓が動く回数のことで、犬の平常時の心拍数は、小型犬で60~80回、大型犬で40~50回ほど。
一般的には、子犬は成犬の倍近くの心拍数があります。

1分間の呼吸数は、小型犬では25回前後、大型犬では15回前後が平均的な数値です。
平常時の呼吸数が30回を超えている場合は、呼吸器や心臓などに病気がある可能性が少なくありません。

TPR(体温、心拍数、呼吸数)の計測方法

TPR(体温、心拍数、呼吸数)の計測方法
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家庭での愛犬のTPRの測り方を、飼い主さんも知っておきましょう。
いずれも、散歩や運動の直後、興奮時、室温が高い場所では数値が上がりがちなので、愛犬が口呼吸をせず安静にしている状態で測定するのがポイントです。

  • 呼吸数
    呼吸数を知るには、愛犬の胸や腹が上下に動く回数を数えるという方法がひとつ。
    長毛の犬種ではわかりづらいですが、短毛の犬種の場合は、お腹が上下する様子を観察しやすいでしょう。
    可能であれば飼い主さんがお腹に軽く手をあてて、上下運動の数をカウントしてみてください。
    もうひとつ、愛犬の鼻の前に手鏡をかざし、鏡が曇る回数を数えることでも呼吸数がわかります。
    20秒ほど測り、その数値を3倍すると1分間の呼吸数を得られます。
  • 心拍数
    犬の脈拍数は、後肢の付け根にある股動脈がドクドクと打つ回数を数えるのが一般的です。
    不整脈がない場合は脈拍数と心拍数が等しいため、その方法で得た数値を心拍数の目安にすることができます。
    飼い主さんの指先を2~3本内腿の動脈の上に添えて、20秒間に脈打つ数をカウントしてください。
    その数値を3倍にすれば、1分間の心拍数がわかります。
    正しい心拍数を得るには、家庭用の聴診器を胸にあてて計測するのがベストです。
  • 体温
    一般的でもっとも正確な数値が得られやすいのは、肛門に体温計を入れて直腸温を測る方法です。
    動物用の体温計も市販されていますが、人間用の体温計でも計測できます。
    人間用の体温計を使用する場合、先端の素材が柔らかく曲がるものを使用すれば、愛犬が動いても安心でしょう。
    お尻に体温計を入れられるのを嫌がる犬の場合、内股で測ることも可能です。
    肛門で体温測定をする際は、愛犬が動かないようにしっかりホールドしながら落ち着けてあげてください。
    そして、尻尾の付け根を持ち上げ、肛門の入り口からおよそ2.5~3.5㎝ほどのところまで体温計の先端をゆっくり入れます。
    体温計か体温計カバーの先端には、食用油などを塗っておくとスムーズに行えるでしょう。

TPRが正常値でないときの原因、症状の見分け方

TPRが正常値でないときの原因、症状の見分け方
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飼い主さんが見て気付きやすいのは、愛犬の呼吸が速い状態ではないでしょうか。
運動中でも興奮時でもないのにハァハァと荒い口呼吸をしていたり、呼吸数が多い場合、まずは呼吸器の病気が疑われます。
特に、フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭種は、複数の呼吸器疾患を同時に抱えている“短頭種気道症候群”が原因で、呼吸数が多くなりがちです。
短頭種気道症候群が、睡眠時無呼吸症候群を招くこともあります。
寝ている時にいびきをかいたり、胸は動いているのに2呼吸または10秒以上無呼吸になる(1分間の呼吸数が覚醒時より少ない)といった様子が愛犬に見られるようであれば、獣医師に診てもらいましょう。

犬種にかかわらず、鼻炎やケンネルコフといった感染症による気管支炎でも、呼吸がしづらくなり呼吸数に変化が生じる可能性があります。

高温多湿の環境で愛犬の呼吸が速く、体温が高い(39.5度以上)のであれば、熱中症かもしれません。
熱中症が中程度に進むと、よだれや嘔吐や下痢なども見られます。
熱中症は進行が速く、命を落とす危険性が高いので要注意。
もし、春から秋にかけて愛犬のTPRが正常値でない場合や、熱中症の症状が見られる場合は、愛犬の鼠径部に保冷剤をあてたり濡れタオルで包んだりして体熱を下げる工夫をしながら、すぐに動物病院に向かってください。

また、僧帽弁閉鎖不全症や心筋症などの心臓疾患でも、体温以外のTPRに変化が現れます。
呼吸数や心拍数が増えていたり、運動をしたがらないといった症状が見られたら、心臓病の可能性があるので獣医師に相談しましょう。

症例別の治療法

呼吸器疾患の場合、内科療法はもちろん、完治を目指しての外科手術も積極的に行われています。
愛犬が短頭種で、呼吸数が速めだったり睡眠時のいびきなどが見られるのであれば、早めに獣医師に相談しながら治療方針を決めるようにしましょう。

ケンネルコフや鼻炎の場合、必要に応じて抗生物質や症状を抑える薬の投与によって治療をするのが一般的です。

熱中症は、重症化する前に体熱を下げることが重要です。
動物病院に向かう途中も、可能な限り体を冷やしてください。
動物病院では、点滴や投薬などで対症療法を行いながら、病状の回復を待つことになります。

心臓病は、呼吸数の増加に飼い主さんが気付くより前に、健康診断などを定期的に受けることで早期に発見したいものです。
多くは内服薬を一生涯飲み続ける方法で、治療を継続します。

犬の心臓病で最も多い「僧帽弁閉鎖不全症」とは?

犬の心臓病で最も多い「僧帽弁閉鎖不全症」とは?
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小型犬の死因のうちの上位にあるのが、僧帽弁閉鎖不全症です。
シニア期以降の発症が多数を占めます。
早期発見による早期治療が開始できるように、シニア期からは定期的に獣医師に聴診をしてもらったり、健康診断を受けるようにしましょう。
散歩中に歩みが遅くなったり、運動をしたがらなくなったら、加齢によるものだと判断して放置してはいけません。
呼吸数の増加が症状のひとつであるほか、症状が進むと、咳、飲食時にむせる、呼吸困難などが現れます。
肺水腫などによって命を落とす危険性もあります。
病状の進行を遅らせるための内科治療に取り組むのが、寿命を延ばすために重要になります。
限られた施設での実施になりますが、外科手術による治療も近年は可能になりました。

まとめ

まとめ
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愛犬の健康を管理して一緒に楽しく旅行などをする上で、愛犬のTPRの平常値を知っておくのは大切なこと。
飼い主さんにもわかりやすい呼吸数などの異常に気付いたら、なるべく早く獣医師に相談したいものです。

愛犬の健康を守るために、日頃からTPRに関する知識を持っていざという時に役立ててくださいね。

ライター:臼井 京音 Kyone Usui
監修者:箱崎 加奈子(獣医師)

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