
深い山々に囲まれた湖面
木崎湖は北アルプスの東側に伸びる松本盆地にある。標高は約800m。フォッサマグナの上に築かれた古道、糸魚川街道に沿うように並ぶ仁科三湖のひとつである。北から青木湖、中綱湖、木崎湖となり、三湖は農具川でつながっている。いずれの湖も山々に囲まれ、日中でもひっそりとしてどこか神秘を感じさせる。そのためか、松本清張の名作「影の地帯」の舞台になり、市川崑監督の映画「犬神家の一族」のロケ地にも採用された。仁科三湖の中で最もワカサギ釣りが盛んなのが木崎湖だ。周囲は約6.5km。釣りのターゲットはワカサギ、コイ、キザキマス(サクラマスとサツキマスの自然交配型といわれる)などが知られている。


ワカサギ釣りは秋がおすすめ
ワカサギ釣りはほぼ通年楽しめるが、ベストシーズンは秋である。というのも、木崎湖は北アルプスに寄り添うように鎮座しているため冬の寒さは厳しく、雪も多い。最深部で30m近くあり、全面結氷はしない。さらに冬場は群れが固まりにくいという。例年、12月には最低気温が氷点下になるので9~11月が最盛期といえる。ワカサギ釣りを最も手軽に楽しめるのは、山の木々が本格的に色づく前。そもそもワカサギは、湖面が結氷するくらい水温が低くてもエサを摂るが、だからといって低水温を好むというわけではない。むしろ冬よりも秋のほうが食欲は旺盛で、魚の活性も高いためにアタリも大きく出る。ワカサギの穴釣りでは通常、サシやアカムシといったエサを用いるが、秋はエサを付けない空バリ仕掛けで釣れることも多い。全くのビギナーでも空バリ仕掛けで100尾、200尾を手にできてしまうのが、秋のワカサギ釣りである。


Ken Tsurusaki Photo

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鮮やかな紅葉も満喫
木崎湖の紅葉の見頃は例年10月中旬~11月初旬。赤、黄色に染まった山肌を愛でながら湖上でイトをたれるのはとても清々しい。木崎湖は透明度も高く、水がよいためワカサギの香りがすこぶるよい。秋の8cm前後は骨も軟らかく、空揚げにすると子どもも喜ぶこと請け合い。行楽シーズンは湖畔のキャンプ場(「木崎湖 POW WOW」)がおすすめだ。カヌーやカヤック、サップ(スタンドアップパドルボード)などの水上スポーツも楽しめる。
釣りの後は温泉にどっぷりと浸かるのもよし。湖畔にある木崎湖温泉は信州の秘湯、葛温泉からの引き湯である。木崎湖で獲れた魚や周辺の山々で採れた山菜が味わえる旅館も点在するのでご家族を伴うのにもうってつけだ。

Ken Tsurusaki Photo

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この釣り場へのアクセス

木崎湖へは、最寄り空港から高速道路を利用。長野自動車道・安曇野ICからR147で木崎湖へ。電車の場合は松本からJR大糸線に乗り信濃木崎駅で下車。徒歩15分ほどで「木崎湖モダンボート」。
釣り場情報
〈木崎湖/ワカサギ〉
シーズン |
おすすめは秋(9~11月) |
遊漁料 |
日券1,000円、年券4,000円 |
ボート料金(モダンボート) | 手漕ぎ=3,000円、エレキ船=6,000円、エンジン船=6,000円、エンジン和船=1万円 |
出船時間 | 午前7時~午後5時 |
問合先 | 木崎湖モダンボート(http://www.kizakiko.jp/) |
交通 | 長野自動車道・安曇野ICからR147で木崎湖へ。 電車の場合は松本からJR大糸線に乗り信濃木崎駅で下車、徒歩15分ほど |
- 釣り場情報は2014年度のものです。