豊かな自然がはぐくむ野性味あふれるトラウトが待つ
阿寒湖といえば、特別天然記念物のマリモが有名。点在する世界のマリモ群生地が危機的な状況になりつつあるなか、近年は世界で唯一ともいわれ、注目度が高まっている。ベニザケの陸封型であるヒメマスの原産地としても知られる。エゾマツ、トドマツなどの針葉樹と四季折々に彩りを添える広葉樹が織り成す森は神々しさすらたたえ、その魅力に引かれて何度も訪れる釣り人も多い。
そんな豊かな自然がはぐくむトラウトは美しくパワフル。黄金色と称される独特の色味のアメマスは、1990年代後半、モンカゲロウシーズンの釣りが注目されて以降、全国レベルの人気ターゲットになった。50cm級のトラウトがドライフライで。そんなロケーションは世界でも貴重だ。
ワカサギ漁が行なわれる秋、その網からこぼれるワカサギを飽食する見事に太ったニジマスは、近年主流のダブルハンドやスイッチロッドを力強く引き絞る。このほか、サクラマス、ヒメマス、イトウなどが棲む。冬場はワカサギの氷上穴釣りのフィールドとして知られ、多くの釣り人を集める。
ルアー&フライフィールドの将来を見据えて
阿寒湖は、漁協と地元の釣り人たちの尽力により、当時は難しかったキャッチ&リリースやシングル&バーブレスフック使用の遊漁規則化を早期に実現した先進地として知られる。それが実現したのは2003年。以後、阿寒湖のほか、遊漁券が共通の阿寒川、ヒョウタン沼なども、いつ訪れても楽しめる安定したフィールドになったと評価されている。それを物語るように、道外も含め、毎年のように訪れるアングラーが増えている。全国から集まる釣り人と情報交換できる機会が多いのも、近年の阿寒湖の魅力のひとつ。
定番ベイトはワカサギ
ワカサギの名産地として知られるだけに、トラウトの捕食対象としても、その存在が見逃せない。5~6月の産卵期にはシャローエリアでその姿が多く見られる。秋はワカサギ漁が行なわれ、その網からこぼれた弱ったワカサギが見逃せない捕食対象になっている。
しかしながら、過度にワカサギにとらわれることなく、臨機応変に対処することも重要といえる。自然豊かな阿寒では、ユスリカやモンカゲロウ、エゾハルゼミ、各種のテレストリアルなどが、にわかに目立って出現することがある。トラウトたちはそれを敏感に察知し、臨機応変な捕食行動をとる。大勢の釣り人が集まる超有名フィールドだが、タクティクスはまだまだ未知な部分が多い。阿寒湖はいつ訪れても釣りの奥深さを再認識させてくれる、何度でも出掛けたくなるフィールドだ。
この釣り場へのアクセス
釧路空港からレンタカーを利用。R240で阿寒湖方面へ。約56km、約1時間。女満別空港からレンタカー利用で、約65km、約1時間15分。根室中標津空港から、約90km、約1時間40分。
釣り場情報
阿寒湖遊漁規則〈夏季、ヒメマス・ニジマス・アメマス・イトウ・フナ・コイ・サクラマス分を抜粋〉
遊漁期間 | ヒメマス・ニジマス・アメマス・イトウ・フナ・コイ=5月1日~11月30日、サクラマス=7月1日~11月30日 |
遊漁時間 | 日の出1時間前~日没1時間後 |
遊漁料 | 日券1500円、回数券(12回分)15000円、船舶・フローター・カヌー持ち込みの場合は日券2000円、回数券(12回分)20000円 ※遊漁券は阿寒湖、太郎湖、次郎湖、硫黄山川、阿寒川、ヒョウタン沼共通。ただし、阿寒川&ヒョウタン沼は10月31日まで ※シングル&バーブレスフックのみ使用可。1本のサオに1つのハリ ※採捕数制限:ヒメマス=30cm以上3尾以内、イトウ=50cm以上1尾以内、コイ=40cm以上3尾以内、フナ=10cm以上3尾以内 ※渡船は3000円 |
問合先 | フィッシングランド阿寒 TEL:0154-67-2057 |
- 釣り場情報は2018年9月現在のものです。