
有名観光地は釣りも楽しい
玄界灘に面した佐賀県の呼子はイカの街として名高い。その沖合から西隣の長崎県松浦沖にかけては豊かなイカ釣り場が広がっている。
イカ漁といえば漁り火をたいての夜釣りが昔から知られる。レジャーの釣りもそれにならい、「夜焚き」と呼ばれる夜間の釣りが長く親しまれてきた。しかし、近年は日中に出船してより手軽に釣ろうという動きが出ている。対象となるのはケンサキイカ、ヤリイカ、スルメイカ。漁り火で海面近くにイカを寄せるのが夜の釣りなのに対し、日中は海底近くに滞留しているこれらのイカの群れをねらう。近年、この日中の釣りが、夜間と比べてもそん色なく釣れるようになっており、急速に人気を高めている。



擬似餌を使ったゲームフィッシング

イカ釣りではエサを使わずに、スッテと呼ばれる擬似餌を使用する。かつてはスッテをオモリで沈めていたが、最近はオモリなしで使える鉛スッテが開発され、タックルの進化に合わせて新しい釣りのメソッドも確立されるようになった。
必要な道具はサオ、リール、そしてイトの先に結ぶ鉛スッテのみ。面倒なエサの準備や付け替えの必要がなく、これだけでイカ釣りが楽しめる。

日中はイカの群れが海底にいることが多いため、釣り人は船長から告げられた水深に応じて鉛スッテを選ぶ。40mなら40g、60mなら60gという具合に水深を目安に重さを決めるが、沖合では潮の流れや風も関係するため、底に着いた時に確実に分かる重さのものを使うのが基本になる。鉛スッテは40~100g前後まであり、細かい対応が可能だ。
イトは細いほうが有利で、0.4~0.6号のPEラインが用いられる。PEラインの先にはリーダーとしてフロロカーボンラインの2~3号を結ぶ(極細のPEには直接鉛スッテを結べないため)。仕掛けのアレンジとして、鉛スッテの50~100cm上に浮きスッテをセットし、二段構えで誘うのもよい。




鉛スッテが海底に届いたら、サオ先を上げて鉛スッテを海底から浮かせて誘いを入れる。イカの食い気が高ければその一回目の誘いで食ってくる。それで反応しなければ再び沈めて、上げ下げを繰り返して誘い続ける……というのが釣り方の基本だ。


シーズンは秋まで。ロングランで楽しめる
沖のイカ釣りは釣り人にとって夏の風物詩。呼子は「イカの活造り」が名物だが、自分が釣りあげたイカならその味わいも倍加するというもの。呼子沖の玄界灘では、風が涼しくなる秋の到来までイカ釣りの好シーズンが続く。簡単にチャレンジできるこの釣りは、観光で訪れた際に気軽に楽しむのにもうってつけだ。


この釣り場へのアクセス

福岡空港もしくは佐賀空港からレンタカーを利用。佐賀県北部の唐津市肥前町星賀の星賀港までおよそ120分
釣り場情報
〈ケンサキイカ〉
シーズン | 初夏~10月末くらいまで |
問合先 | きずなまりん(星賀港から出船する遊漁船。http://www12.plala.or.jp/kizuna-marin/) |
- 釣り場情報は2017年6月現在のものです。