全国屈指の食味を持つブランドアユ
岐阜県にはアユ釣りの有名河川が多い。それらの代表的な河川である、長良川と馬瀬川に挟まれるようにして流れているのが和良川だ。
木曽川水系の源の1つになっている山間の支流で、国の特別天然記念物のオオサンショウウオも棲息している清冽な水が美味しいアユを育んでいる。その美味しさは客観的にも証明されており、毎年高知県友釣連盟の主催で開かれ、各地のアユの食味をいっせいに品評する「全国清流めぐり利き鮎会」では、最多かつ唯一の4度のグランプリを受賞していて、今や〝和良鮎〟のブランド名も付けられている。釣り人の間でもその味、香り、姿には定評があり、持ち帰って食べてもよし、期間中であれば地元で買い取りも行なわれている。
川は、現在は郡上市の一部となった旧和良村の中を流れ、地域一体となって豊かな自然を生かした観光誘致に取り組んでいるのも特徴。アユ釣りで訪れて宿泊したら、夜は周辺の野山でカブトムシやクワガタを捜したり、夏ならなんといっても上流部の支流で見られる幻想的なホタルの舞いを堪能したい。ホタルが見られるシーズンには、地元のボランティアが鑑賞を案内してくれる。
アユ釣りに関しては、主な釣り場は和良川の本流。上流部はチャラ瀬やトロ瀬が多く、険しい箇所もなく歩きやすいので、女性や高齢の人でも釣りやすい。主に琵琶湖産の稚魚を放流しており、泳がせ釣りでていねいにねらうと、初期からよく掛かるのが特徴だ。ただし、お盆を過ぎる頃からは大アユ対策も必要。こんな小さな川で、そんなに大きなアユが掛かるのか?と驚くようなサイズが釣れることがある。
支流の土京川の合流点より下流の町中に入ってくると、しだいに水量が多くなるが、農道を含めて基本的には川にそって道が付いており、入川点は捜しやすい。釣り場は下流の支流である鹿倉川合流付近まで長く続く。
早期からのアマゴ釣りも楽しい
和良川はアマゴ釣りも楽しい。渓流釣りの解禁はアユ釣りが始まる前の2月中からで、近年こそ少雪傾向だが、雪が積もった川原に分け入ってサオをだすこともあるほど。とはいえ、一般的には雪がなくなり山が緑に染まる4月や5月頃からがおすすめで、釣り場は土京川、鹿倉川の2つの支流がメイン。どちらの支流も川に沿って道があり、ところどころ現われる大小の淵を丹念にねらっていくと反応がある。アマゴは夏になると下流の馬瀬川から良型が遡上してくるため、晩夏から秋にかけては主に早朝(アユ釣りの人たちがまだ川にあまり入らない時間帯)、もしくは夕方に本流でサオをだすと思わぬ良型をねらえることもある。背中の盛り上がった本流アマゴは姿も精悍だ。
なお、本来は非常に清冽な和良川だが、一帯は平成30年(2018年)7月の豪雨災害により氾濫。川岸が崩れるなど大きな被害を受けたため、現在も復旧工事が続いている。釣りはすでにできるが、その回復を見守りながらゆとりを持って楽しみたい。
この釣り場へのアクセス
羽田空港や中部国際空港からレンタカーを利用。下呂市方面または郡上八幡方面から和良川へ
釣り場情報
〈和良川/アユ〉
解禁期間 | 6月上旬~ |
遊漁料 |
1日2,000円 |
管轄漁協 | 和良川漁協(http://gujo-wara.jp/fishing-wara.html) |
遊漁券購入・ |
大野屋(TEL:0575-77-2634)、牧田屋(TEL:0575-77-2553) |
〈和良川・土京川・鹿倉川/アマゴ〉
解禁期間 | 2月上旬~ |
遊漁料 | 1日1,000円 |
管轄漁協 | 和良川漁協(http://gujo-wara.jp/fishing-wara.html) |
- 釣り場情報は2020年6月現在のものです。