

地元民も通う!博多で行くべき昼めし処、厳選3軒
もつ鍋や水炊き、とんこつラーメンに明太子…etc。“うまいもん”が溢れる福岡・博多を訪れたなら、1食たりともハズレを引きたくない。そんな食いしん坊にとって、昼ごはんに何を食べるかは出張先で最初に訪れる重要なミッション。ベタにラーメンもいいけれど、なんだかそれじゃ物足りない…。そんな人にすすめたいのが、舌の肥えた地元の人たちが通うこの3軒です。
上呉服町「みやけうどん」の「うどん」

とんこつラーメンのメッカとして知られる博多ですが、博多っ子のソウルフードはラーメンではなく、実は「うどん」。うどんといえば“うどん県”こと香川県が思い浮かびますが、うどんの発祥地は博多という説があります。

「饂飩蕎麦発祥之地」の石碑がある承天寺のそばで暖簾を掲げる「みやけうどん」は、博多で愛され続ける老舗うどん店のひとつ。創業は昭和29年。木の格子戸をがらりと開けると、出汁の優しい香りがお出迎え。擦れた木のテーブルと椅子に色褪せた暖簾が、老舗たる存在感を放っています。

「なんにしますか?」と店主に聞かれてうどんを注文すると、体感30秒くらいで丼が運ばれてきてビックリ。これぞファストフード。なんでも、極太麺のため注文を受けてから茹でると相当時間がかかるため、あらかじめ下茹でしてあるのだそう。さぞや、この麺にもこだわりがあるのでは?と思いきや、「麺も天ぷらもよそで作ってもらったのを使ってるんです。うちで作ってるのは出汁とおいなりさんのお揚げだけ。先代からずっと同じ味を作り続けてます」と、潔く言い切る店主。


こだわりの出汁は、昆布、削り節、醤油といたってシンプルな調合。薄口の優しい味わいの奥に、出汁の風味がふわ~っと広がります。そして、全くコシのないやわらかな麺も博多の特徴。その麺と素朴な味の出汁が、なんてことはないのだけど食べ進めるほどに愛着が沸いてくるから不思議。BGMのない静かな店内に、うどんをズズッとすする音が響き渡る。そんな一抹の侘しさもまた、みやけのうどんの隠し味になっているのでしょう。
- みやけうどん
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住所:福岡県福岡市博多区上呉服町10-24
TEL:092-291-3453
営業時間:11:00~18:00/日曜・祝日休
大濠公園「らるきい」の「ぺぺたま。」

地下鉄「大濠公園」駅の近くにある「らるきい」は、福岡で人気の行列のできるパスタ屋さん。ソフトバンクホークス会長の王貞治さんや、川崎宗則選手、博多華丸さんなどをはじめ、野球選手や芸人にもこの店のファンが多いとか。テレビや雑誌でもたびたび紹介され、今では全国からお客さんが足を運びます。

パスタは、和風、クリーム、トマトの中からベースとなるソースをまず選び、次に好みの具材を選んで注文するスタイル。組み合わせのパターンは数えきれないほど多いなか、人気ナンバー1に君臨するのが「ぺぺたま。」です。

「ぺぺたま。」は、にんにくと唐辛子のペペロンチーノに、たまごを絡めただけのもので、具材も見た目もいたってシンプル。ですが、食べるとそのパンチ力に圧倒!ガツンと効いたにんにくと、ほんのり広がる唐辛子の辛さ。そこに、ふわふわトロトロのたまごが加わって、スパイシーながらもまろやかで食べやすく仕上がっています。これは今まで食べたことのない味わい。にんにくの香りに食欲が刺激され、食べる手が止まりません…!!

今や「らるきい」の代名詞となった「ぺぺたま。」ですが、その誕生秘話がこれまた不思議。
「ある時、年配の男性のお客さまに『前にここで食べたペペロンチーノをたまごでとじたのを作って』と言われたんです。でもスタッフの誰も作った覚えがなくて。あとでまかないで食べてみたらおいしくて、お客さまに出してみたら評判になり、うちの不動の人気メニューになりました」
スタッフさんたちはその男性客を「神様」と呼んでいるそうですが、それ以来お店にはいらしていないのだとか…。一度食べたら忘れられない、“神のお告げ”によって生まれたパスタ。ランチ時は行列必至なので、時間に余裕を持って訪れてくださいね。

- らるきい
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住所:福岡県福岡市中央区大手門3-7-9 ライオンズマンション大手門第2
TEL:092-724-8185
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:30)、月曜・木~土曜18:00~21:30(L.O.21:00)、土・日曜18:00~21:00(L.O.20:30)/火曜のディナー・水曜休
赤坂「おきよ」の魚定食

博多は玄界灘をはじめ、日本海や東シナ海などで水揚げされた新鮮な海の幸がおいしいことでも有名。獲れたてピチピチの魚たちが集まる「長浜鮮魚市場」に隣接する「市場会館」には、“リトル築地場外”のような飲食フロアがあり、市場から仕入れたばかりの鮮度抜群の魚料理がいただける店が軒を連ねています。


「市場会館」は、市場で働く人たちはもちろん、地元のサラリーマンや県外のグルメ通がわざわざ朝食や昼食を食べに来る、知る人ぞ知るグルメスポットでもあります。1フロアに魚の店が密集する激戦区で、鮮度・味・コスパの良さで人気を誇るのが昭和22年創業の「おきよ」です。地元の人たちもよく知る店で、「市場会館といえばおきよ」と返ってくるほど。お店の外には、メニューの食品サンプルがずらり!この種類の多さも「おきよ」の魅力。


今回はお店のスタッフおすすめの「赤魚定食」1,000円を注文。すると、ふっくらと身厚な赤魚の煮つけが登場!身にタレがしっかり沁みていて、ごはんが進んで進んで仕方ありません。半身なのにすごいボリュームで、2人で食べてもお腹いっぱいになるほど量も申し分なし。

定食のメインのおかずは、すべて100円引きで単品注文も可能。お刺身やフライなど数品のおかずとビールで、朝呑みする人も珍しくないとか。早朝から営業しているので、早起きして朝ごはんを食べにくるのもおすすめですよ!

- おきよ
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住所:福岡県福岡市中央区長浜3-11-3 市場会館1F
TEL:092-711-6303
営業時間:6:00~14:00、18:00~21:30(L.O.)/第1・3日曜休
昼は博多のローカルグルメでお腹いっぱいになったら、夜は名物の屋台へ。ここからは、中洲の川沿い以外にある地元民も通う絶品屋台を紹介します!
一見でも恐くない!地元民おすすめ博多の絶品屋台、厳選3軒
博多の夜の名物といえば屋台。中洲の川沿いに立ち並ぶ屋台の風景が有名ですが、川沿いは観光客向けの店も多く、雰囲気重視で味は二の次という店が多いのも事実。実際、博多っ子たちが普段通うのは街中の屋台だったりも。そこで、地元の人も通う、味、居心地、コスパの良さが三拍子そろった“中洲以外”の屋台を紹介します。
天神「小金ちゃん」

天神2丁目で屋台を張る「小金ちゃん」は、博多名物「焼きラーメン」発祥の店として知られ、週末には開店前から行列ができるほどの人気ぶり。客足が絶えない人気店ですが、忙しくしながらも店員さんはとてもフレンドリーでアットホーム。一見客でも気さくに声をかけてくれます。
そんな店の雰囲気につられてなのか、お客さんも気のいい人ばかり。注文に迷っているとおすすめを教えてくれたり、「これ食べてみて!」とお隣からおすそ分けをもらうことも珍しくありません。

ここで食べるべきメニューは、やっぱり「焼きラーメン」。メニュー誕生の経緯を聞くと、「夏場は麺が悪くなるのが早い上に、暑くてラーメンのスープを飲みたくないでしょ?それで、ラーメンの材料で何かできないかと常連さんと考えて生まれたんです」と、店主の村上さん。これが大ウケし、屋台骨を支える看板メニューになったとか。

屋台の醍醐味といえば、目の前で調理風景が楽しめるライブ感。大将が黙々と焼きラーメンを作り始めます。ラーメンの麺と野菜を鉄板で炒めて、とんこつスープと特製ソースをジュワッと絡め、仕上げにどて焼きの汁をかけて完成。トロッとした濃厚な味わいが、これまたお酒との相性が抜群で杯が進む進む…!やっぱり屋台には、こういう庶民的な味が似合います。




地元の人と大将のこてこての博多弁に耳を傾けながら(ほとんど理解できていないけど)お酒を呑むのもまた、旅の風情を感じられて乙なもの。つい長居したくなりますが、お客さんが待っているときはひと通り食べて呑んだらサッとお会計を。それが屋台の粋な呑み方ってもんです。
- 小金ちゃん
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住所:福岡県福岡市中央区天神2-14-13 天神三井ビル角
TEL:090-3072-4304
営業時間:月~水曜18:30~翌1:30(L.O.翌1:00)、金・土曜18:30~翌2:00(L.O.翌1:30)/木・日曜休(連休の場合は日曜営業、翌月曜休)
箱崎宮前「花山」

にぎやかな天神の繁華街から少し離れた、箱崎宮前にある屋台「花山」。日本三大八幡宮のひとつ「箱崎宮」の鳥居の前にあり、夕暮れの参道にポツンと佇む屋台の風景にそこはかとない郷愁感が漂います。

昔はこの参道にほかの屋台も出ていたそうですが、今ではこの「花山」1軒のみに。屋台といえばリヤカー1台分の小狭い席が相場ですが、「花山」は30人は収容できそうなほど大きな屋台なのも印象的。個室(壁はないけど)っぽい“離れ”の席もあるのも驚き。
開店から30分も経たないうちに席がほとんど埋まり、ちょうどその頃、さっそうと大将がお店にやってきました。焼き台の前に立つと、店の空気がピリッと一変。キビキビと動く大将の姿は見惚れるほどかっこよく、その大将を「待ってました!」と言わんばかりの喜々とした表情で常連さんたちが迎えます。


「花山」はメニューが豊富で、なかでも焼鳥の種類が充実。店の一番人気「しろ」は、豚の腸を炭でフワッとジューシーに焼き上げています。丁寧に下処理をしているので臭みも全くなし。「タンバーグ」という珍しいメニューもあり、こちらは和牛の黒タンのタン先と豚の挽肉をハンバーグにしたもので、旨みがたっぷり。



屋台は雰囲気重視で味は軽視の店も客もいる一方で、「花山」の大将の料理へのこだわりは並みじゃありません。「化学調味料が大嫌い。だからラーメンも無添加だし、焼鳥の塩は津屋崎の海水を炭火で煮詰めて自分で作ってる」と、大将。ウインナーも自家製、スモークチーズも屋台のすぐ横で自ら燻して提供。ビールジョッキだって、キンキンに冷えています。「はいお待たせ~」と出てくる料理の品々は、どれも屋台レベルを超えたおいしさで「ああ~この店が家の近くにあったらな」と、近所の人たちがうらやましさを通り越して恨めしいほど。

ノスタルジックな風景と職人気質の大将の味を求めて、賑やかな街から少し足を延ばして出かけてみてはいかが?
- 花山
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住所:福岡県福岡市 東区箱崎1-44
TEL:090-3320-3293
営業時間:17:30ごろ~翌1:30ごろ/月曜休
天神「屋台あや」

天神の日銀前に屋台を張る「あや」は、今年で53年目を迎える老舗。これまで、ホテルオークラの前、冷泉公園の前などを転々として、去年の9月にこの場所へ移ってきたそう。屋台を出す場所は市が決めており、店側が好きな場所に勝手に根を張ることはできないのだと女将さんが教えてくれました。
老舗ということもあり、お店のお客さんは大人な常連さんが多め。とはいえ一見客でも優しく迎え入れてくれます。カウンターに立ってお客さんと会話する女性が、こちらの女将の信子さん(あやさんじゃないんですね。笑)です。入れ替わり立ち代わりやってくる常連さんたちのお目当ては、女将さんとの会話とこの店のうどん。

「かけうどん」なのに、具がたっぷり。春菊とネギとおぼろ昆布がデフォルトでトッピングされているのがうれしい。自慢はこの透き通ったスープ。一口すすると、呑んだあとの胃袋を優しく包むように優しい味わいのお出汁が沁み渡ります。女将さん、このうどんのお出汁はなに使ってるんですか?
「うちは昔から、昆布とあじこ(アゴ)と鶏で出汁を取っとるけん。昔はあじこ(アゴ)ば使うの珍しかったんばい」

女将さんが家庭で小さい頃から食べていたうどんの味が、この出汁だったのだそう。そして、「あや」はメニューにラーメンを置かないことにもこだわりが。
「今ん屋台はラーメンばっか置いとうばってん、日本で最初にうどんが入っちきよったんは(入ってきたのは)福岡で、屋台はみんなうどんやったったい。昔はコンビニがなかったけんね、夜お腹のしゅくっち(お腹がすくと)みんな屋台にうどんば食べに来よった。今んみんなラーメンラーメン言いよってばかちんよ。福岡はうどんたい。だから私は、いつでもうどんが食べられるようにここで作り続けとう」
と、女将さん。秋になれば、うどんと同じ出汁で炊いたおでんも登場。こちらも「あや」の名物で、なかでも「餃子巻き」が絶品なんだとか。あ~食べたかった…!



毎日、この土鍋で煮込める量しか仕込んでいないので、残っていたら必ず頼みたい!

魚の旨みが濃く、ほのかなカレー風味がお酒のアテにピッタリ
女将さんお手製のうどん出汁だったり博多弁だったり、その傍らで笑顔で料理を作る大将の人柄も相まって、初めて来たのに故郷に帰ってきたようなあたたかな気持ちになれる「屋台あや」。呑んだ〆にこのうどんを食べに来られる博多っ子が、やっぱりうらやましくなるのでした。
- 屋台あや
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住所:福岡県福岡市中央区天神4-2-1(日本銀行福岡支店前)
TEL:非公開
営業時間:18:30~翌2:00ごろ/日曜休 ※ほか雨天時も休み
博多は昼も夜もおいしいものだらけで、胃袋1つじゃ足りません! 博多を訪れたら、愛くるしい博多弁と絶品グルメをとことん堪能してくださいね。
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