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掲載日:2018.08.23

週末は瀬戸内で食×アート♪ 高松・直島・豊島をめぐる旅

【2日目】 いよいよ、瀬戸内の現代アートへ

瀬戸内のアートシーンを語る上で、直島、豊島、犬島の3島を舞台にアートや建築を媒介とした地域活性を行う「ベネッセアートサイト直島」の存在は欠かせません。1992年の直島での最初の建築「ベネッセハウス」竣工ののち、アーティストが地域に入り作品制作を行うサイトスペシフィック・ワークの制作、昔からある家屋を作品化する「家プロジェクト」などの活動を行ってきました。こうした直島を拠点とした活動が広がりをもち、現在のように瀬戸内にアート作品が展開されるようになりました。

それでは、2日間をかけて豊島、直島をめぐっていきます!

高松港からフェリーに乗って 豊かな自然とアートの島、豊島へ

大巻伸嗣「Liminal Air –core-」がそびえる高松港。ここから豊島を目指します
高速船 高松(高松港)~豊島(家浦港)片道1,330円、高松~直島間は車ごと乗れる大型フェリーも運航しています

翌日は高松駅から歩いて10分ほどの場所にある高松港からフェリーに乗り、約40分の船旅で豊島へ向かいます。前日の夜、うっかり飲み過ぎるとフェリーの揺れが響くので要注意! 

島の中心部にある檀山頂上の展望台から眺める景色。島全体を見渡すことができる

豊島はその名のとおり自然が豊かで、中心部の檀山から湧く清水のおかげで農業がさかんです。また、2010年の「瀬戸内国際芸術祭」開催以来、芸術祭と島民との交流によって、島の自然、食、アートが一体となった独特な文化を生み出してきました。

【豊島でめぐるアート】

豊島でご紹介するのは、ベネッセアートサイト直島のアート施設であるアーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛による「豊島美術館」、クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー「ストーム・ハウス」の3つ。これらの施設は豊島の環境に溶け込むように存在しています。 

建築、作品、自然が一体となった 「豊島美術館」

道路の先に海を見渡せる。しばし景色を堪能

島の西側に位置する家浦港から、島の東側の唐櫃港に向かって道なりに進んでいくと、やがて左手に棚田が連なる見晴らしのよい景色が広がります。ほどなく右手に「豊島美術館」が見えます。 

海沿いの道を進むと突然現れる不思議な外観の建物
(豊島美術館 写真:鈴木研一)

芝と林に囲まれた緑のなかに、水滴のようなかたちをした白いコンクリートの建築。ここは内藤礼と西沢立衛による建築と作品が一体化しているめずらしい美術館です。

白い水滴のような建物の中に入ると、天井に2つの大きな開口部のある空間が広がります。すでに数名の来館者がいて、座って瞑想をする人、開口部から空を見上げる人、床に寝転がる人などみなさん思い思いに過ごしていました。足元を見ると、床に開けられた小さな穴から少しずつ水が湧きだし、ゆるやかな傾斜によって進んでいきます。進んだ先で他の水滴とぶつかり、大きくなったり、穴に吸い込まれたり……。

建物の中で繊細な自然の息づかいを感じることのできる「豊島美術館」。何時間でもいられてしまうような、癒しの空間を体験することができました。

豊島美術館

住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
TEL:0879-68-3555
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)季節により変動あり
休館日:火曜、ただし祝日の場合は開館、翌日休館。季節により変動あり。詳しくは開館カレンダー参照
URL:https://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html

クリスチャン・ボルタンスキー 「心臓音のアーカイブ」

豊島の美しい海を目の前に建つ「心臓音のアーカイブ」
(クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」 写真:久家靖秀)

豊島美術館の後は、クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」を目指してさらに島の東側へ。住宅地や畑のあいだを縫ってかなり細い道を進んでいきます。看板が現れてさらにその先、林を抜けた先にパッと小さな浜が開けていました。ここに、人々が生きた証として心臓音を収集するというボルタンスキーのプロジェクトの一環となる「心臓音のアーカイブ」があります。

2008年から展開されているプロジェクトで、現在約65,000人の人々の心臓音を聞くことができます。館内にはインスタレーションの作品となる「ハートルーム」、集められた心臓音を聞くことができる「リスニングルーム」があり、希望者はさらに「レコーディングルーム」で自分の心臓音を録音できます。

「ハートルーム」に入ると、本来は体内でしか響かないはずの、誰かの心臓音が無防備に響き渡っていました。真っ暗なその部屋の中心部では心臓音に合わせて明かりが明滅しています。その音は今もどこかで生活している、あるいはすでに亡くなった人のもの。その鼓動に美しさを感じる人、醜さを感じる人、恐怖を感じる人、安堵する人。それぞれの感情が交差する空間なのだろうと感じました。「ハートルーム」に響く心臓音が、自分の知っている「あの人」のものだったとしたら、一体どのように感じるのでしょうか。

実は、この後ご紹介する、家浦港近くにある「いちご家」さんの娘さんの心臓音が10番代のどこかに保存されていると聞いていました。「リスニングルーム」の検索画面で探し、その音を聞いてみました。当時小学1年生だった女の子の心臓音は、か弱く小さい音を刻んでいました。

ここまで来る道のりもここで聴く音も人によって違っています。すべての訪れる人にとって、それぞれに深い意味を持つ場所となるのだと思います。 

心臓音のアーカイブ

住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃2801-1
TEL:0879-68-3555(豊島美術館)
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)季節により変動あり
休館日:火曜、ただし祝日の場合は開館、翌日休館。季節により変動あり。詳しくは開館カレンダー参照
URL:https://benesse-artsite.jp/art/boltanski.html

ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー 「ストーム・ハウス」

薄暗い室内には雨漏りを受けるためのバケツが置いてある
(ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー “ストーム・ハウス” 写真:鈴木心)

次に向かったのは、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの「ストーム・ハウス」。豊島美術館から歩いて約16分ほどの場所にある集落の、一軒の民家がアート作品となっています。

靴を脱ぎ民家の中へ入ると、薄暗く短い廊下と、その先に和室が2間。先ほどまでいた外の世界から空気が一変します。なぜなら民家の中では、外は大雨。ひとまず畳の上に座り、雨が民家の壁やガラス戸に叩きつけられる音を聞きます。すると次第に雨足が強まり、強風が家を揺らしているかのような錯覚に。ついには雷が鳴り停電。古い木造の民家はどこか頼りなく、じめじめとして薄暗い。心細い気持ちでじっとしていると徐々に嵐は過ぎ去り、やがて静けさが戻ります。

「ストーム・ハウス」は嵐がやってきて過ぎ去るまでを体験する作品。木造の民家のなかでは、いつか体験したような嵐の夜の不安を思い出します。不思議なのは、嵐が過ぎ去ったあとこの家を出るころに、この民家に愛着のようなものを感じたこと。繰り返し訪れる嵐に静かに耐え続ける「ストーム・ハウス」。いつかまたここに戻ってくるような気がする、そんな場所でした。 

ストーム・ハウス

住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃字東状837
TEL:なし
開館時間:10:30~16:30
休館日:開館カレンダー参照
URL:https://benesse-artsite.jp/art/stormhouse.html

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