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    掲載日:2016.07.07

    飛行機の歴史のヒトコマまで再現!モデルプレーンの奥深き世界へようこそ

    モデルプレーンとは飛行機のミニチュア模型のこと。大空を飛ぶ巨大な飛行機が、卓上で楽しめるサイズに凝縮されるところに興奮を覚える方も少なくないと思います。モデルプレーンを集める理由は様々でしょう。最初は、飛行機の機内販売で見て旅の記念に、出張の際の子供のおみやげに、インテリアとして、という理由でなんとなく手に入れたものの、ひとたび集め始めると、深みにはまってしまう魅力を秘めているのが恐ろしいところ。私も、最初にYS-11を一機手に入れてしまったことをきっかけに、コンコルドや日本キャリアのジャンボなど、今はもう見ることはできないモデルプレーンをみつけると、つい手に入れたくなってしまいます。 ということで、今回は、1992年からモデルプレーンを作り続け、日本のモデルプレーン業界のパイオニアのひとり全日空商事の武正晃一さんに、モデルのプレーンにまつわる製作者側の裏話を伺ってみることにしました。
    ANAオリジナル

    ANAのモデルプレーンはすべて全日空商事がプロデュース

    ―― こんにちは。いきなりですが、まずは武正さんのお仕事内容を教えていただけますか?

    武正さん:全日空商事でANAのモデルプレーンの、企画、制作、販売をしています。世の中でモデルプレーンを製造しているメーカーは、ドイツのヘルパ(Herpa)や香港のホーガンウィングス(Hogan)、台湾のエバーライズ(EVER RISE)などがあり、それぞれが様々なエアラインのモデルを製造しています。一般的に、エアラインはメーカーに全て委託して製造することが多いのですが、ANAのスケールモデルは自ら実機取材して製作図面を起こして直接海外の製造委託先へ依頼している点が他社と違うところかもしれません。

    ―― 世に出回っているANAのモデルプレーンは、全て武正さんが作られているということですか?

    武正さん:製造そのものはしていませんが企画についていえば98%ぐらいはそうかもしれません。全日空商事が製品を作る上で具体的に何がメリットかというと、実際に実機を見て確認ができ、機長や整備士など、現場の方々の話を聞いて企画することができるところだと思います。たとえばYS-11シリーズ。我が国初の国産ターボプロップ旅客機で、今でも熱烈なファンの多い飛行機です。新しい国産リージョナルジェット、MRJ(三菱リージョナルジェット)が空を飛ぶことで、YS-11も再度話題になっています。そこでYS-11の歴代ANA塗装の復刻版をつくろうと企画したのですが、機長にいろいろと話を伺っている内に、ある機長が常日頃モデルプレーンについて抱いていた小さな不満に気づいたんです。

    ―― 機長の不満?

    武正さん:モデルプレーンって駐機している地上姿勢のものが多いでしょう。これだと、機長が仕事をしてない状態(に見える)といわれました(笑)。機長は飛行機を安全に飛ばすのが仕事。だからその機長は飛行中、それもフラップを下げている離着陸時の姿がいつかモデル化されないかと期待されていました。それなら、機長が仕事中のモデルを作ってみようと考えました。これです。

    品番YS21163 1:200 YS-11A JA8756 ANAトリトンカラー フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)
    品番YS21163 1:200 YS-11A JA8756 ANAトリトンカラー フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)

    ―― あ!滑走路に着陸するときの状態ですね。

    武正さん:離陸にするか着陸にするか悩んだ末、どちらがより印象が深いかとOB機長に尋ねたところ、しばらく考えた末に「やっぱり着陸だね」と言う答えが返ってきました。
    YS-11は、ANAのパイロットにとって「心のふるさと」と語られるほど特別な飛行機でした。かつて日本のローカル線を飛び回った飛行機ですが、この飛行機が名機と評価されるようになったのは、メーカーである日本航空機製造株式会社はもちろんですが、パイロットや整備士たちの積極的な提言があったからといわれています。みんなが協力してひとつの空の歴史を作った。YS-11が退役するというのは、ひとつの時代が終わっていく寂しさがあったように感じます。

    ―― わかります。私も子供のころ地方に住んでいたので、お世話になりました。プロペラが廻る様子が愛らしくて。ひとつひとつの振動が体に伝わってきて、一体感を感じました。今の飛行機は快適過ぎて、飛行機に乗っている感が少ないんですよね。快適なのは嬉しいんですけど。

    武正さん:YS-11はANAにとってもひとつの歴史だったと思います。そこで、モデルプレーンでその歴史を表現したモデルを企画しようと考えました。これがANAで一番古い時代の塗装を再現したJA8733です。機首にYS-11A 100号機のタイトルが入っています。この機体は1969年4月10日に製造されました。

    品番 YS21161 1:200 YS-11A JA8733 ANA 白旧塗装 フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)
    品番 YS21161 1:200 YS-11A JA8733 ANA 白旧塗装 フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)

    武正さん:次が、YS-11AのANAで2代目の塗装となるモヒカンルックJA8744です。この塗装は1982年に現在のトリトンカラーに引き継がれるまで活躍しました。ANAの古い塗装というとこの塗装が思い浮かぶ方も多くおられます。この機体は1969年8月28日に製造されています。

    品番 YS21162 1:200 YS-11A JA8744 ANAモヒカンルック フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)
    品番 YS21162 1:200 YS-11A JA8744 ANAモヒカンルック フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)

    武正さん:次が、先ほども見ていただいたYS-11AのJA8756。ANA3代目の塗装となったトリトンカラーのYS-11Aは1991年に退役するまで活躍しました。JA8756は1991年8月31日のラストフライトに使われた機体です。

    品番YS21163 1:200 YS-11A JA8756 ANAトリトンカラー フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)
    品番YS21163 1:200 YS-11A JA8756 ANAトリトンカラー フラップダウンモデル 大阪・伊丹空港 RWY32R 16,200円(税込)

    これら3つの歴代3塗装のYS-11Aは、その活躍の中心であった伊丹空港のRWY32Rに着陸するシーンとともに再現しました。

    ―― あれ?この3つ、滑走路のデザインが微妙に違う?

    武正さん:よく気がつきましたね。ちょっと古い順に並べてみてください。

    ―― あ!飛行機の高さが違う!

    3機を並べたところ。台座の高さ、滑走路に対する飛行機の角度が微妙に異なる
    3機を並べたところ。台座の高さ、滑走路に対する飛行機の角度が微妙に異なる

    武正さん:はい。そうなんです。YS-11は大型のファウラーフラップを35度に下ろした状態で着陸します。モデルもフラップを35度に下ろした姿を再現していますが滑走路に対する高さはその位置でそれぞれ違います。一番右は1:200の縮尺で、高さ約9.5cm、真ん中は約7.5cm、左は約5.5cm。これは着陸時に定められた滑走路末端を50ftの高さで通過し300ft先に接地する滑走路とYS-11の高度をほぼ正確に表現しています。

    ―― うわぁ…!

    武正さん:YS-11は着陸のとき頭を少し持ち上げます。私もそのイメージが強かったのですがよく聞いてみると機首を引き起こすのは最後の接地直前。滑走路末端のスレッショルド(threshold スレッシュホールドとも言う。白または黄色の帯が滑走路幅により規定本数描かれている)上では機体はほぼ水平。その前の着陸進入時はノーズが下がった前傾姿勢です。その角度も忠実に再現しています。このシーンを再現するには滑走路も必要です。大阪・伊丹空港RWY32Rの滑走路幅は45mあります。そこで草地を含めて1:200スケールで幅30cmとなるベースも金型を起こして作ることにしました。必要であれば金型を1から作っていく。そこはほかのエアラインとは一番違うところかもしれません。

    ―― つまり、モデルプレーンはもちろんのこと、滑走路を作って、その飛行位置も確認して、台座の高さと角度を計算し、さらに歴史の順番に並べてみたと…。

    武正さん:はい。そこまでやっていたら、残念ながら商品化がかなり遅くなってしまいました。お待たせしたお客様には申し訳なく思っています。今回はYSシリーズについてお話しましたが、他のモデルプレーンについても、それぞれのこだわりがあります。

    ライター:Naoko Sumita
    Photo by Masashi Yoshikawa

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