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出典 : 399290383/Shutterstock

掲載日:2020.12.27

【ドッグトレーナー監修】犬とおもちゃを使って遊ぶときのポイント

あなたの愛犬はおもちゃに対してどんな反応をしますか? 「せっかく買ってきても遊ばない…」「一度与えるとなかなか離さない」など、飼い主さんが思っているように遊んでくれないことも多いと思います。ここではおもちゃの役割と、遊ばせ方について紹介します。

犬にとっての「おもちゃ」とは

犬にとっての「おもちゃ」とは
180987521/ Shutterstock.com

犬にとっておもちゃとは疑似的に狩りをすることで本能的な欲求を満たすためのものです。

おもちゃと聞くと「飼い主と犬とが一緒に遊ぶための物」や「一人で退屈しのぎをするための物」といった、犬にとって遊んで楽しめるものといったイメージがあると思いますが、なぜ、犬がおもちゃで遊んで楽しめるのか?その理由は犬の「狩りをしたい」という、本能的な欲求が関係しています。

そのため、犬の狩猟欲求を満たせる上手な使い方や、目的に合わせた適切な使い方ができればより良い効果を発揮してくれますが、間違った使い方や遊ばせ方をしてしまうと、犬が喜ぶどころかおもちゃに興味を持たなくなったり、時には命の危険が伴うような事故につながってしまうこともあるので、飼い主さんはおもちゃを使って遊ばせるポイントを理解する必要があります。

欲求を満たすためのもの

欲求を満たすためのもの
394560673/ Shutterstock.com

おもちゃを使って疑似的に欲求を満たせる行動は「追う」「捕まえる」「振り回す」「噛む(壊す)」の4つあります。

これらは狩りの時に行う行動で、全てを満たしてあげられるようにおもちゃを選んだり、工夫して遊ぶことで欲求不満による過活動(落ち着きのない行動)や過剰な吠えなどの問題行動も減っていきます。

例えば、犬との遊びでよく使われるおもちゃとしてボールやロープがあります。実はこれらは犬の狩り欲求を満たす遊びができるおもちゃなのです。

ボールを投げて持ってくる遊びは、「追う」「捕まえる」という行動が自然と疑似体験できます。

ロープのおもちゃも飼い主さんの遊ばせ方で、「追う」「捕まえる」「振り回す」「噛む」という行動ができます。
そしてこの狩りの欲求の中で特に多くの犬が好んでするのが、おもちゃを「噛む(壊す)」行動です。

狩りの目的は食べ物を得ることなので、最後は捕まえた獲物の肉を噛み切って食べます。

もちろん、食べようとしておもちゃに噛みついて壊すわけではありませんが、おもちゃを噛んだりぬいぐるみの綿を掘りだしたりするのは捕まえた獲物を食べる疑似体験をしているのです。

また、おもちゃなどを噛むことは歯石の除去などにもつながり、口腔内の衛生を保つためにもとても大切なことです。

最近では、フレーバーのついたプラスチック製のデンタルケアグッズや自然の木を加工して作られた棒など、噛んで壊すことを目的としたおもちゃも増えてきました。

おやつとして、ガムや骨などのおやつを与えることも犬の欲求を満たすことができます。

しかし、おもちゃなどを噛んで遊ばせるときには「誤って食べてしまう」ことへの注意が必要です。犬はおもちゃを食べたくて噛んでいるわけではありませんが、犬の喉は飲み込みやすい構造になっているため、食べ物ではなくても飲み込んでしまうことがあります。また、ガムなどの食べ物であっても、大きいまま飲み込んでしまい詰まらせることもあるので与えるときは十分に注意をしなければなりません。

上手な遊ばせ方

上手な遊ばせ方
1328145062/ Shutterstock.com

どんないいおもちゃでも遊ばせ方、与え方が間違っていると意味がありませんし遊んでくれないこともあります。
では正しい遊ばせ方とはどんなものなのでしょうか?

おもちゃを使った遊ばせ方のポイントは「狩りをさせてあげる」ということです。

例えば、ロープのおもちゃでもずっと引っ張り遊びでは楽しくありませんし、後で飼い主さんがおもちゃを取り上げてしまうと、獲物を仕留めても食べることができない状況と一緒です。
また、「うちの犬は一度ボールなどを持つとなかなか離さない」という話を聞くことがありますが、ボールも最後には取り上げられて終わり、ということが繰り返されると「飼い主さんのところに持っていくと取り上げられる」と思い、持ってこない・逃げ回るなどの行動を取るようになります。

犬が持ってこないからと、捕まえて無理やり取ることで余計に「離さない」「逃げる」ようになり、さらに取られたくないために「唸る」「噛む」などの威嚇や攻撃行動にまで発展してしまうこともあります。

飼い主さんは、遊びは勝ち負けではないことを覚えておきましょう。

以前は上下関係を維持するために、引っ張りっこでは「最後は飼い主さんが必ず取り上げなければならない」といわれていました。
しかし、犬との遊びにおける勝ち負けは、飼い主さんに対する優位性に何の影響も与えません。むしろ飼い主さんが遊びで負けることで、「待て」などの合図を聞く時の集中力や、人間に対して「もっと遊びたい」をとおねだりする行動が増えることが研究で分かっています。*1
*1 参考資料:N・J・Rooney et al, 2002

大切なことは、犬が安心して狩りの欲求を満たせるように飼い主さんが対応してあげることです。

遊びを終わりにするときは、終わりの合図を決め、おやつをあげて「良い思い」で終わらせてあげるようにしましょう。

同時に普段から遊びの中で咥えたものを離すためのしつけをしておくといいでしょう。

頭を使うおもちゃはお留守番にも

おもちゃの中にはおやつを詰められる物があります。

こういったおもちゃは、噛んだり舐めたり、転がしたりすることで中のおやつが食べられるという仕組みで、全て食べるのに時間がかかります。

食べるのに時間がかかるというのは、一見めんどくさいように感じますが自然界では簡単に食べられることの方が希少。

どんな動物も獲物を得るために考えて苦戦しながらやっとの思いでありつけるのです。

犬は普段狩りをすることなく食事を得ることができますが、お留守番で暇になってしまう時には、コングのようなおやつを中に詰められるタイプのおもちゃを利用してみるといいでしょう。

頭を使うことや、何かに集中するというのは犬にとってもエネルギーを使います。

お留守番の寂しさや暇を紛らわすのにもいいですしおもちゃに集中することで、いたずらすることも減るでしょう。

与えっぱなしは誤飲の危険

与えっぱなしは誤飲の危険
491644810/ Shutterstock.com

おもちゃの中にはコングや噛むおもちゃなど犬がひとりで欲求を満たすものもあります。

しかし、すべての商品が与えっぱなしにしても安全なわけではなく、与えっぱなしで目を離してしまうと、壊れた破片を飲み込んでしまう恐れがあります。

中に綿や笛が入っているぬいぐるみやほつれやすいロープ、壊れやすいゴム製のボールなどは特に注意が必要です。

胃や腸に詰まってしまうと大きな手術をしなければならなくなりますし、発見が遅れることで最悪の場合窒息死してしまう危険性があります。

基本的におもちゃは人と一緒に遊ぶか、人が見ているところで遊ばせるようにしましょう。

まとめ

まとめ
522593821/ Shutterstock.com

おもちゃは犬の欲求を満たすためのものでもありますが、飼い主さんとのコミュニケーションを取る道具でもあります。

用途に合わせて上手に使うことで、犬を楽しませてあげたり、おもちゃを使ってしつけやトレーニングをすることもできます。

しかし、忘れてはいけないのは犬は人間とは違うということです。

犬は人のように「おもちゃ」と「おもちゃでないもの」の区別ができません。

たとえ、犬用のおもちゃをしまっていたとしても、子供用のおもちゃやペットボトルなどが犬の届くところに置いてあれば、口にして遊んで壊してしまう可能性があります。

お留守番中はケージに入れているから大丈夫」と思っていても、ケージの周りに置いてあればあの手この手でケージの中に引っ張り込んでしまう恐れもあります。

犬にとって興味をそそられるものは全ておもちゃになり得る、ということを忘れずに、飼い主さん自身も楽しんで遊んであげてください。

ライター:PECO
監修者:鹿野 正顕(学術博士)

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