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知っておこう、首輪の《種類》
首輪とひとことで言っても、いくつかの種類に分けられます。
愛犬に合うものはどれなのか、現在持つ首輪に関する悩みを解決してくれるタイプはどれなのか。
首輪の種類を知ることは、解決の糸口となるでしょう。
1.プレーンカラー
一般的な形状の首輪(カラー)で、首のサイズに調整して使用します。
プレーンカラーには革製のベルトで調節するタイプと、布製でワンタッチ式のバックルで装着するものがあります。
ベルトタイプ

オーソドックスなタイプの首輪です。
人間が使用するベルトと同じく、多くが革で作られており、穴に金属製のストッパーをさして留めるタイプです。
革製のため高級感があるうえ、耐久性も◎。犬種を選ばずに使用することが可能でマルチに使うことができます。
穴を自分で増やすことが可能なのですが、首輪の長さを調整するときはベルト穴の刻み幅で行うしかないため微調整が難しく、ワンタッチタイプに比べ装着には時間がかかるといったデメリットがあります。
また、ドーベルマン、グレイハウンドのように頭が細くて耳が小さい犬種は首輪がすり抜けやすいので注意が必要です。
ワンタッチタイプ

布製の首輪で、留め具の部分のみプラスチックで作られています。
“カチッ”とワンタッチで留めることができるので、扱いがとっても楽なのがポイントです。
軽いプラスチックなので留め具部分が壊れやすいというデメリットもありますが、リーズナブルな価格で販売されているほか、デザインも豊富なので洋服を選ぶ感覚で利用するのがおすすめ。
子犬や小型犬の使用に向いている首輪です。
2.リミテッド・スリップ・カラー
犬が引っ張ると軽く絞まる構造になっている首輪です。
首輪の一部に調整用の輪がついて、チョーク・チェーン・カラーのように無制限に締まるのではなく、輪の部分だけが締まるという点で「セミチョーク・カラー」とも呼ばれます。
引っ張るとベルトのサイズが首周りぎりぎりまで締まるので首輪が抜けにくくなるというメリットがありますが、犬の首を多少締める形になるので、ストレスや苦痛を感じることがあります。
リミテッド・スリップ・カラーには、「マーチンゲール」「ハーフ・チョーク・カラー」などがあります。
頭が大きい短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア)などは、一般的な首輪だと首のサイズに調整すると頭を通らないため、リミテッド・スリップ・カラーを付けていることが多いです。
マーティンゲール

ベルトタイプの首輪で頭が抜けやすい、トーベルマンやグレイハウンドの首輪が抜けてしまうことを予防するために使われていた首輪です。
布やナイロンで作られており、引っ張ると首が締まる仕組みになっています。
完全には締まらないですが、引っ張り続けていれば首に圧迫がかかり続けてしまうため注意が必要です。
日本よりも欧米で人気の首輪のタイプです。
ハーフチョーク

半分が鎖、半分が革もしくは布で作られた首輪「ハーフ・チョーク・カラー」。
マーチンゲールとチョーク・チェーン・カラーを合わせて作られた首輪です。
日本ではこのタイプの首輪をハーフ・チョーク・カラーと呼びますが、海外ではこの首輪もマーチンゲールと呼ぶのが一般的です。
3.チョーク・チェーン・カラー

金属製の鎖の首輪が「チョーク・チェーン・カラー」です。
引っ張ると首が締まる仕組みの首輪のため、警察犬の訓練などで使用することが多いタイプ。
リードを引っ張ることで首輪が制限なくしまり、痛みを与えて訓練することを目的として使用します。
使い方を誤ると大きな怪我につながるため、飼い主さんが使用することはお勧めしません。
4.スパイクチェーン

首輪の内側に突起がついている首輪です。
リミテッド・スリップ・カラーのように犬が引っ張ると軽く絞まる構造になっている首輪ですが、引っ張ると内側の突起が首に刺さり痛みを与えます。
チョーク・チェーン・カラーと同様に、痛みを与えて訓練することを目的として使用するため、使い方を誤ると大きな怪我につながるので飼い主さんが使用することはお勧めしません。
「首輪」と「ハーネス」の違いとは?

「首輪」ではなく「ハーネス」を使用している飼い主さんも多いかもしれません。
首に装着する「首輪」と用途にそれほど違いがない「ハーネス」は、犬の胴体に装着するものです。
首に負担が集中する首輪と違い、ハーネスは犬にかかる負担が身体に分散されるため、犬が感じる不快感を軽減することが期待できます。
そのぶん、リードを持つ飼い主さんの指示が伝わりにくくなりますので、引っ張り癖を直すためのトレーニングなどには向きません。
首輪では体に負担がかかってしまう引っ張りの強い犬や老犬などには「ハーネス」を使った方がいいかもしれません。
ハーネスを付けている場合も、鑑札をつけた首輪は一緒に装着したほうが良いでしょう。
ハーネスが抜けたり、家の玄関から飛び出したりして逃げてしまった際に、何も装着していないと保護することが難しくなってしまいます。
首輪は、子犬のころからつけてOK?
生後2~3ヶ月頃が一番すんなりと首輪を受け入れてくれる時期であると言われているため、子犬の頃から首輪をつけても問題ありません。
むしろ子犬の時期から飼うのであれば、首輪に慣れてもらうためにも早めにつけてあげた方がいいでしょう。
最初は嫌がるかもしれませんので、その場合は、首輪をつけられたら”褒めてあげる”ことを徹底しましょう。
そうすることで、より首輪を受け入れてくれる可能性が高くなります。
また、おやつを使って首輪に誘導する方法もあります。首輪をつけられたら、ご褒美におやつをあげてくださいね。
首輪の正しい《つけ方》
愛犬に首輪をつけるうえで特に気になるのは、サイズの合わせ方ではないでしょうか。
首輪をきつくつけてしまうと「苦しくないかな」と気になりますし、緩くつけてしまうと散歩中に首輪が抜けてしまう心配があります。
首輪の正しいつけ方は、まず犬の首と首輪の間に指が1~2本程度入るように調整します。
そして、リードをつけて引っ張ったときに、首輪が抜けてしまわないかチェックすることが大切です。
「きつそうでかわいそう」と思って首輪のサイズを緩めにしてしまうと、摩擦が生じて毛切れなどの原因になりかねませんので注意しましょう。
愛犬の成長や首輪の素材の劣化などによって、首輪のサイズ感や犬との相性は日々変わってきます。
首輪の状態やサイズは、毎日チェックしてあげるのがベストです。
まとめ
犬の首輪の種類から、首輪をつける時期、正しいつけ方をご紹介してきました。
首輪といっても「お散歩するためのもの」なのか「トレーニングをするためのもの」なのかでも、選び方は変わってきます。
さらに、最近ではおしゃれな首輪も多く販売されているため、ファッション感覚で楽しむこともできるようになりました。
ぜひ愛犬に合った首輪を、正しいつけ方で装着してあげてくださいね。