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今回はそんな成犬のトイレのしつけ直しについて解説します。
成犬のトイレ【しつけ】

成犬のトイレの悩みは子犬のころとは違い「粗相をしてしまう」というものではなく、「家の中でしてくれない」「雨でも外に行かないとならない」などの悩みが多いと思います。
子犬の頃は家でもきちんとトイレができていたのに、いつの間にか外でしかできなくなっている。
それには理由があります。
成犬のトイレ【外でしかしない理由】
実は私たちが思う以上に犬は排泄を我慢することができ、1日2回~3回くらいで解消することができてしまいます。
1日2回~3回というとちょうどお散歩の回数ではないでしょうか?
朝と夕方のお散歩で犬は排泄が足りてしまうため、散歩の時間までは比較的容易に排泄を我慢することができます。
そもそも犬は土の上や草むらで排泄する習性があるため、トイレのしつけをしても家の外で排泄することを好みます。
また、日本は番犬として犬を外で飼い散歩で排泄をさせる習慣があったため、室内飼いが一般的になった現在も「外で排泄してくれるなら楽でいい」と最初の頃は問題に感じないこともあるかと思います。
しかし、外での排泄が当たり前になってしまった後で大変さに気が付きます。
飼い主の体調がどんなに悪くても、どんなに悪天候でも「排泄を我慢させてしまう」「排泄させてあげなければ」という強い思いにかられ、愛犬の排泄のために「どんな状況でも外に散歩に連れていかなければ」というループから抜け出せなくなってしまいます。
成犬のトイレ【散歩時の注意点】

散歩のさせ方にも注意点があります。
犬が排泄したくなる条件の一つとして、「ニオイを嗅ぐ」という行動があります。
愛犬の行動をよく見てもらうとわかると思いますが、排泄する前は高い頻度で地面のニオイをかいだ後にソワソワしだします。
そのため散歩中、犬が自由にニオイを嗅げる状態にあるということは外での排泄を促してしまうことになります。
特に「未去勢の雄」や「縄張り意識が強い犬」は、他の犬の排泄の匂いをかがせることで排泄とは異なったマーキングの頻度が高くなることがあります。
散歩中は、ご褒美をあげながら飼い主さんに注目して横について歩くようにすることで、必然的に外での排泄やマーキングの対策にもなるのでぜひ練習してみてください。
成犬のトイレ【家の中でするには】
犬は排泄時、嗅覚による刺激や足の裏の感覚刺激を受けてもよおします。
外で排泄することが習慣になっている犬に、急に家の中で排泄させるというのは非常に難しいことです。
最初から家の中で排泄させようとは思わずに、少しずつ外の環境から家の中の環境へ変えてあげることが重要です。
トイレトレーニング①

トイレトレーニング②
もしも、普段排泄している場所が道路などのアスファルトであれば、足の裏の感覚を再現するのが難しいと思います。
その場合、自分の排泄の匂い、もしくは他の犬の排泄の匂いのついたトイレシートを先に外で広げて練習するという方法もあります。
自分の排泄の匂いか他の犬の排泄の犬の匂いか、どちらかで排泄が促されるかは犬によって異なります。
最初からトイレシートの上でさせるのは難しくても、排泄するときは必ず犬の足元にシートを置くことで、少しずつシートがある環境にも慣れてきます。
外の環境でトイレシートの上でできるようになったら、ベランダや庭での練習に切り替えてみてください。
トイレトレーニング③
ベランダや庭で土や枝のヒントがあるトイレトレーの上で排泄ができるようになったら、今度は少しずつヒントを減らしトイレシートだけでもできるように練習していきます。
ベランダや庭で完璧にトイレシートでできるようになったら、いよいよ家の中での練習です。
この時もいきなりトイレの場所をケージの中などに移動させるのではなく、最初は少しでも外の環境と近い玄関や窓際などで練習する方がいいでしょう。
そこでもできるようになったら、その後は家のいろいろな場所で練習させることで、周りの環境に左右されることなく「シートがトイレだ」という認識ができるようになっていきます。
トイレシートがあればどこでもできるようになると、旅行先やペットホテルへ預ける時も安心だと思います。
成犬のトイレのしつけ【まとめ】

犬も人間と同じ様に、一度習慣化されてしまったものを変えるというのはとても大変なことで、時間もかかります。
成犬のトイレのしつけを行う際に、飼い主さんが焦ってイライラしてしまうとそれが犬にも伝わり、逆に排泄がうまくできなくなってしまいます。
これまでの排泄の習慣を変える時は、「時間がかかるものだ」と焦らず、気楽に取り組んであげてください。