
清水寺まで徒歩8分。歴史ある小学校を改装したヘリテージホテル 「ザ・ホテル青龍 京都清水」

京都観光の定番、東山・清水寺エリアに2020年に誕生した「ザ・ホテル青龍 京都清水」は、観光とホテルステイ、どちらも存分に楽しめるラグジュアリーホテルです。ホテルの上層階の客室からは、京都の街並みや緑豊かな山並みを一望。特に東山のシンボル、法観寺の八坂の塔は至近距離で、ライトアップされた五重塔をゆっくり眺められるのは宿泊者の特権です。

コンセプトである「記憶を刻み、未来へつなぐ」のとおり、長年地元で愛されてきた小学校の校舎を保存・活用。そのままに残された郵便ポスト、ガーデンに生まれ変わった校庭など、館内のいたるところで小学校時代の面影を感じられ、「ヘリテージ(遺産)ホテル」としてゲストは滞在しながらその歴史や文化を体験することができます。

館内は上質かつクラシカルな装飾。既存棟を改修した客室(34室)は、平均50m2もの広さがあるゆったりとした造りに。窓や梁など、既存校舎の意匠を受け継ぐことで、歴史ある校舎の価値も継承しました。一方で、増築棟の客室(14室)はモダンな建築デザインの中に京都の伝統的なエレメントが加えられ、さりげなく和を感じられる内装になっています。

元講堂だった場所を改装したレストランは、本棚が設けられ、全体的にアカデミックな印象に。そこでいただくのは地元京都の食材を中心とした朝ごはん。和朝食、アメリカン・ブレックファストが選べます。また別棟1階には、「BENOIT京都」も入り、ランチやディナーではパリで100年以上続くビストロのエスプリを味わうことができます。

最後に、ぜひ体験して欲しいのが、屋外の「K36 Rooftop」と、元教室を活用した「K36 The Bar」。シャンパーニュ・オフィシエや、ウイスキーコンテスト審査員として活躍する西田稔氏をバトラーに迎え、落ち着いた雰囲気の中、オリジナルカクテルをはじめとした美酒を楽しむことができます。京都の旅のハイライトとして、忘れられない時間になるでしょう。
- ザ・ホテル青龍 京都清水
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住所:京都府京都市東山区清水二丁目204-2
TEL:075-532-1111
URL:https://www.princehotels.co.jp/seiryu-kiyomizu/
日本酒造「キンシ正宗」の販売所だった京町家をリノベーション 「nol kyoto sanjo」

木の香りを感じながらのバスタイムが、旅の疲れを優しく癒してくれる
京都の伝統的な建築、町家造りを継承したホテルが2020年に誕生しました。日本酒酒造「キンシ正宗」の販売所として使われていた京町家をロビー・ラウンジに改修。外観を見るだけでは、そこにホテルがあるとは気づかない設計です。実は、その奥に新築した宿泊棟がそびえ、すべての部屋に檜葉風呂が設けられるなど、まるで旅館のような快適な空間が広がっています。

客室は3タイプ、全48室。メインとなる「Hibaburo Delux」(全34室)でも39m2あり、ソファベッドとエキストラベッドの併用で4名まで宿泊可能です。また全部屋に洗濯乾燥機や簡易キッチン、電子レンジが備えられており、徒歩圏内の錦市場で食材を調達して、部屋食も可能。「京を纏い、三条に暮らす」のコンセプトの通り、中長期滞在にも適しているのが特徴です。

ちなみにホテル名の「nol」は、「naturally(自然体で)」、「ordinarily(普段通り)」、「locally(その土地の日常に触れる)」の頭文字から来ているとのこと。館内にはレストランはありませんが、ホテル周辺には朝食の有名店や京野菜を使った飲食店などが多く、「ホテルを出て散策し、三条を楽しんで欲しい」というホテルの願いも込められているそうです。

(通常17~22時。状況次第で変更あり)
滞在中、ラウンジに足を運んで、キンシ正宗の日本酒をいただくのも宿泊の楽しみのひとつ。純米大吟醸のほか、純米吟醸原酒やワイン酵母で醸造した特別純米酒BONITAなどが楽しめます(季節ごとに入れ替えあり)。またアルコールが苦手な人でも大丈夫。京都発のコーヒーブランド「Unir」が自家ローストしたコーヒーや、1864年京都創業「伊藤軒」のお菓子もラウンジに用意されています。

ロケーションも素晴らしく、かつての京都のメインストリート、三条通に面して建つnol kyoto sanjo。京都市から「三条通界隈景観整備地区」に指定され、日本生命京都三条ビルや旧日本銀行京都支店など、洋風のレトロな建物が数多く残るエリアです。ここを拠点に三条を散策すれば、またこれまでとは違ったローカルな京都の魅力を満喫できると思います。
- nol kyoto sanjo
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住所:京都府京都市中京区大阪材木町700
TEL:075-223-0190
URL:https://www.nolhotels.com/kyoto-sanjo/
シアトルから遂に日本初上陸!和洋折衷が心地よい京風エースホテル 「Ace Hotel Kyoto」

1999年にシアトルで誕生して以来、ロサンゼルスやニューヨーク、ロンドンなどで展開してきたエースホテル。アジア初、そして10都市目となる記念すべき今回のオープンが実現したのは、東京でも大阪でもなく、京都でした。場所は、1926年築の旧京都中央郵便局をリニューアルした新風館。古きを大事にし、各都市でリノベーションを成功させてきたエースホテルならではのセレクトです。

ハイセンスな世界観が人気のエースホテル。これまで北米でもインテリアデザインを手がけてきた「コミューンデザイン」が京都でも担当し、エースらしさを存分に発揮。また「East meets West」をコンセプトに、染色工芸家・柚木沙弥郎のアートワークを全部屋に設置するなど、地元クリエイターとのコラボレーションを実現させ、クリエイティブな空間を創造しています。

これまでのエースホテルがそうだったように、ここ京都でも旅行者とローカルが自然に交われるよう、コミュニティホテルとしての役割を大切にしています。ロビーにはDJブースやギャラリーが設置され、宿泊客に限定することなく常時多くの人で大にぎわい。地元に開かれたこのロビーこそが、新しい文化のコミュニケーションを創造するエースホテルのDNAなのです。

またエースホテルといえば、「スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ」。アメリカのいくつかのエースホテルでも併設されているお約束のタッグが、ここ京都でも再現。エチオピアやケニアなど厳選されたシングルオリジンの豆は西海岸から取り寄せていて、コーヒー好きの方へのおみやげにも喜ばれそう。ペストリーシェフによる自家製ペストリーは日本オリジナルです。

またドッグにもフレンドリーなエースホテルでは、愛犬と一緒に泊まれるプラン「Fetch(フェッチ)」を用意。こちらは公式サイトから申し込み可能です。ほかにも、朝7時からチェックインできて翌日夜19時までロングステイが可能な「Dawn to Dusk(日が昇り沈むまで)」、朝食が特別料金で楽しめる「MORNING GLORY(モーニング・グローリー)」など、多様でユニークなプランに注目です。
- Ace Hotel Kyoto
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住所:京都府京都市中京区車屋町245-2
TEL:075-229-9000
URL:https://www.acehotel.com/kyoto/
祇園や錦市場も徒歩圏。最上階からは東山の山並みも望む 「THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULIC」

小学校の跡地を利用して誕生した複合施設「立誠ガーデン ヒューリック京都」。多目的ホールや図書館が入る中、ホテルとして2020年にオープンしたのが「THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULIC」です。1927年竣工の歴史ある校舎を活用した「Schoolhouse棟」に20室、新たに建築した「Main棟」に164室の計184室。最上階には眺望のよいレストランやバーも備えます。

チェックインは最上階の8階で行います。エレベーターから降りると東山の緑豊かな景色が飛び込んできて、京都の中心地にいることを忘れてしまいそうに。レストラン&バー「Anchor Kyoto」はオールデイダイニングで、朝の柔らかい日差しからサンセット、夜景まで、時間とともに変わる京都市街の美しい景色を、80mに及ぶ大パノラマで楽しむことができます。

Main棟の客室はシングルユースの「Modest」から、スイートタイプの「THE GATE」まで、予算や人数に応じた全6タイプ。英国王室御用達のベッドマット「スランバーランド」や、ドイツの老舗メーカー「ハンスグローエ」のシャワーシステムは全部屋タイプ共通で、快適な滞在のためにこだわり抜かれた家具はどれも魅力です。

Schoolhouse棟は、教室の高い天井や大きな窓を活かした「Grace」や、アート作品の世界観の中に滞在できる「Lab」など、5タイプを用意。メイン棟の宿泊者もこちらを散策することができ、貴重な近代建築校舎の面影を味わえます。かつて小学生たちの礼儀作法を教育する場であった60畳の大広間「自彊室」も、今は多目的リトリートルームとして生まれ変わっています。

暗くなってきたら、3階にあるラウンジ&パティオへぜひ足を運んでみてください。ラウンジにはブックディレクターの幅允孝氏がセレクトした本が並び、ソフトドリンクやコーヒー、ハウスワイン、スナックなどは無料。外のパティオに出ると、ファイヤーピットを中央に置いた優雅な空間に椅子やテーブルが並び、幻想的な灯りの中で京都の黄昏時を楽しむことができます。
- THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULIC
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住所:京都府京都市中京区蛸薬師通河原町東入備前島町310-2
TEL:075-256-8955
URL:https://www.gate-hotel.jp/kyoto/
嵐山と保津川の絶景に囲まれ、究極の非日常を味わう 「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」

「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」がオープンしたのは2015年。かつて貴族が愛した景勝地嵐山に位置し、近隣には世界遺産「天龍寺」や「渡月橋」など数多くの名所や史跡が並びます。春には桜、夏には緑と清流、秋には紅葉、冬には白銀の雪景色と、四季折々の景色が眺められ、京都の歴史と自然どちらも存分に楽しめる特別なロケーションのホテルです。

客室数は全39室。京都らしい日本の伝統色(菫色や藍色、翡翠色など)をキーカラーとし、随所に日本の伝統美をあしらったモダンなデザイン。海外のゲストからも人気で、アメリカの有名旅行誌『コンデナスト・トラベラー誌』の読者が選ぶ「日本のトップホテル」部門で、2018年から3年連続で第一位に輝くなど、高い評価を得ています。

39室中、17室には天然温泉「嵐山温泉」が楽しめる露天風呂が備えられています。またそれらの客室以外にも、宿泊者限定の温泉露天風呂としてプライベートスパ「洛」「庵」を用意(有料)。日本庭園「竹音の庭」を眺めながら湯に浸かれば、旅の疲れもリフレッシュ。泉質は滑らかなアルカリ性で、神経痛や関節痛、慢性消化器病、疲労回復に効果があるそうです。

メインレストランの「京 翠嵐」は、現川崎重工業の創業者である川崎正蔵の別荘として建てられた邸宅を改築。シャンデリアや朱色の家具を配したトラディショナルかつモダンな空間で、朝食からディナーまで提供しています。人気のディナーはコースとアラカルトから。和食とフランス料理を融合させた調理法やプレゼンテーションで、驚きと感動に満ちた時間を楽しめます。

同じく歴史ある建造物を改装した「茶寮 八翠」、こちらはカフェとして気軽に利用可能。遮るものが一切無いテラスから、絶景はもちろん、川のせせらぎや鳥のさえずりなども楽しめます。オリジナルの「翡翠もち」や「和のアフタヌーンティー」などの甘味から、「特製ミックスサンド」「一番出汁のビーフストロガノフ」などの食事まで、使い勝手もよく、とても便利です。
- 翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都
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住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町 12
TEL:075-872-0101
URL:https://www.suihotels.com/suiran-kyoto/
以上、オープンしたばかりの最新ホテルを中心に、京都のおすすめステイ先をご紹介させていただきました。観光に便利なロケーションであることはもちろんですが、歴史が詰まっていたり、デザインコンセプトが際立っていたりするホテルを楽しめるのは宿泊者だけの特権!同じ24時間でもより濃密に感じられ、京都の旅はもっともっと楽しくなるかと思います。京都を訪れる際は、ぜひホテル選びにもこだわってみてください!
【このホテルを選んだのは】

- 伊澤慶一
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旅行ガイドブック『地球の歩き方』編集部にて国内外のガイドブックを多数手がけ、2017年に独立。現在は、雑誌『OCEANS』や『PEN +』でホテル特集ページの制作を手がけたり、連載記事『度々、旅。』やInstagramアカウント(@izawakeiichi)でおすすめホテル情報を発信中。
- 記載の内容は2021年1月現在のもので、変更となることがあります。